「イライラ」とどう付き合える？

2022年12月9日 20:29

去る11/19(土)に2022年度第2回ヘルパー研修会を実施しました。
テーマは「イライラした時の対処法」。

イライラした時にどうやって対処する？
普段していること、できそうなこと、参加者でいろいろアイデアを持ち寄りました。
この場を借りてこの研修会を作ってくださった皆さんに厚く感謝申し上げます。

■私たちは今まさに冷静さを欠こうとしています！
印象に残っているのは、このような話をヘルパー従業者が集まって話すと
「どうしたらその状況を回避できるか・防げるか」といった考えをしがちということでした。
対処よりも予防の方に意識が向きがちなのは、支援を考えていく上での癖みたいなものなのかもしれません。

ですが今回のテーマは「すでに自分はイライラしてしまっている」「さあどうする？」というところからのスタート。
感情が揺れ動く中でどのようにふるまうか？
その感情とどう向き合っていくか？
いざ考えてみると結構難しいことなのではないでしょうか？
対処しなければならないとき、すでに自分は冷静さを欠いているのですから…。

■どうしたらイライラに対処できる？
当日はいろいろなアイデアが出ました。
ここでは筆者が特に胸にとどめておきたいなと思ったものをピックアップして挙げていきます。

・相手の動きをコントロールしようとしない。
相手は自分とは別な人間なんです！という当たり前のことに立ち返る案。
「過去と他人は変えられない。しかし、今ここから始まる未来と自分は変えられる」という格言がありますね。
エリック・バーン氏、又はウィリアム・グラッサー氏によるものとされていますが、出典は不明でした。
それでも言わんとしていることはわかりますし、対人支援において益のある考え方だと思います。
ありがとう、誰だかわからない人！参考にしています。

・自分の感情にフォーカスしすぎない。
自身の感情に過度に拘泥せず、外側に意識を向ける案です。
観察に徹する、相手の行動の背景を想像する、またはちょっとその場とは別のことを考えてみる。
自分のイライラに正当性を与えず判断を保留する、といった決断も有効かもしれません。
怒りのピークは6秒といいます、宙ぶらりんの間に時間が解決してくれるものもあるでしょう。

・その支援の意味（主な目的）を考えて、それが満たされていればヨシ！と思う。
その人と自分と、一対一の関係なら問題にならないようなことでも、
そこに第三者との約束が入り込むことによって自分の態度やふるまいが変わってくることがあります。
第三者との約束とは時間の制約であったり、その人本人ではない周囲からの要望であったり…
そういったものに意識が追われているときは決まって、目の前のその人の気持ちがないがしろになっているように思います。
誰のための、何のための支援なのか。
いまその人本人に向き合っていると言えるなら、そのほかの細かいことは一旦置いておきましょうという案。

・その感情はイライラなのか？焦り、悲しみ、困惑…別の感情を探してみる。
自分の感情にフォーカスして、分析、整理していくこと、それは言い換えれば「自分自身を知ること」です。
「自分はどういうところでストレスを感じるか？」を知ることは、自身の価値観を自覚することになります。
自身の価値観を知り、それに合った逃げ道（気持ちが楽になる考え方）のバリエーションを複数用意しておくことで、
自分の機嫌を自分でとれるようにしましょうという案。

■イライラを目の前のその人にぶつけないために
以上が、イライラする気持ちを何とか打ち消そうとひねり出されたアイデアの一例です。

とはいえそう感じる気持ちをただただ否定し続けるのも健全ではなく、
何かしらの形で表に出して発散をする必要があると内から感じる瞬間もあるでしょう。

何かを言葉にして発散したい、何かを言わずにはいられない…
そんな時の筆者のおすすめは、

「よく頑張ってる！よく頑張った！よくやってる！えらいなぁ！」

と言葉にして自分をほめることです。
これだと横で聞いている人も嫌な気分はしないですし、
何なら「自分が言われてる！」と思ってくれてもいいのです。

グループホームの入居者さんに「えらいなぁ」が口癖という素晴らしい方がいて、その方から着想を得ました。
いつもありがとうございます。私はあなたのその口癖に救われている一人です。

自分がイライラしているときに他者を責めることは、
溺れているときに水面の方を下げようとすることに似ているように思います。
水面は溺れている人の力では下がりません。他者を変えるということもそれくらい無理な話なのです。
だったら自分を浮かせましょうという話ですが、
もっともっと練習が必要だな…とこれを書きながら反省しています。

なにかいいアイデアがございましたら是非お寄せください！

(おざき)