虐待防止研修を終えて

去る9/17(土)、虐待防止の為のヘルパー研修会を行いました。

毎年行っているものではあるのですが、私達がこの仕事をしていく上で無くしていかなければならない障がい者虐待、まだまだ全てを無くすには遠いのが現状です。
障がい者虐待を行ってしまう者には大きく三種類存在し、それは養護者・支援者・使用者です。私達の場合は支援者として行わないようにしながら、利用者の養護者や使用者による虐待があればそれに気づき通報する使命があります。

相模原津久井やまゆり園の入所者殺人事件から6年が経ちました。障がい者「虐待」と障がい者「殺害」を同列に語るべきではないかもしれませんが、虐待の同一線上にあり最も避けなければならないのは人の命を喪わせるという行為でしょう。
やまゆり園での事件の植松死刑囚に同情も理解も全く及ぶところはありませんが、明らかになってきたやまゆり園の内情からは、私たちも同じケースを生みかねない「芽」を抱えているのではないかと感じます。

どのケースでも同じように疑問に挙がるのは職場環境についてです。職員間の自由で平等な交流があるのか、他機関や利用者家族・実習生等が定期的に来訪しているか。気軽にお互いの意見を言いやすい環境では間違っていることを相手に伝え、すぐに改める事ができます。換気をしていない空気が澱んでいくように、職場の空気が入れ替えられない状況では負の雰囲気が満ち、職員も思考が澱んでいきます。
社会福祉施設に限らず、学校や会社、人間が複数集まるところならどこでも起こりうる事です。

職員が孤立するような環境は特に危なく、我々ヘルパーはそうした場面にサービス上しばしば遭遇します。特に行動障害がある方の支援においてはヘルパーが焦ってしまうような事態も起こりうる為、強度行動障害の支援に対する知識を深めていくと共に、ご利用者自身の事もよく知っていかなければなりません。
氷山モデルという考え方が強度行動障害の研修においては必ず使われますが、ご利用者の言動の背景を読み解く事が次の同様の場面の予防や軽減に繋がります。つまり、身体拘束に派生するような本人の行動の制止、抑制といった行為も少なくなっていきます。

閑話休題、令和2年度障害者虐待対応状況調査において市区町村職員が判断した障害者福祉施設従事者等による障がい者虐待の要因(複数回答)として最も多いとされるのは「教育・知識・介護技術等に関する問題」で71.0%にも及んでいます。次点で「職員のストレスや感情コントロールの問題」が56.8%、「倫理観や理念の欠如」56.1%と続きます。
虐待を虐待として認識できているか、利用者の情報や障害特性について熟知しているか、支援・介護技術を修め研鑽しているか。次に業務上のストレスの解消、支援者のメンタルコントロールの話になってきます。学ぶ、知るという事の重要さがこの調査から見て取れます。ちなみに養護者からの虐待要因で最も高かったのは、「虐待者が虐待と認 識していない 」で45.7%に及びました。

コロナ禍においては研修を受けるにも感染予防の観点から気が引けてしまいがちになってはしまいますが、今年度も残り3回ほど研修会を行いますので、ぜひご参加いただければと思っています。
次回は11月19日19:00~20:30、「支援中にイライラした時の対処法」となります。こちらも虐待の芽を摘むのに関わってきますね。ご参加お待ちしております。

参考文献
県立中井やまゆり園における 利用者支援外部調査委員会『県立中井やまゆり園における 利用者支援外部調査委員会 調査結果報告書』(2022)
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 地域生活支援推進室『令和2年度 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律』に基づく対応状況等に関する調査結果報告書 」(2022)

(ゆかわ)

■(福)西陣会 西陣会居宅サービス係

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