派遣前訓練総括
はじめてnoteを活用した情報発信をしてみようと思う。少しでも協力隊活動に興味のある方、訓練前で準備をしている方、訓練生活を懐かしみたい方、さまざまな方に向けたものである。長々と綴るので途中離脱や飛ばして読むことは大歓迎である。
自己紹介
まず簡単に私のスペックを紹介させていただく。
2024年度2次隊 ベトナム派遣
職種:理学療法士
大卒(学士)、職歴7年目
職歴
1年目〜5年目(2018-2023)
回復期病棟、外来、デイケア
→法人内移動で運動器・脳血管疾患・廃用症候群のリハ経験
6年目〜現在(2023-)
急性期(二次救急)
→心不全、呼吸器疾患、骨折術後、スポーツ障害術後を中心に経験
チームリーダーや業務改善、病院内勉強会開催を経験
学会発表:学生時代に一度だけ
海外赴任歴
なし
今年2月に行ったベトナムが初海外
TOEIC
420点→リーディングは途中仮眠をとり、ほとんど鉛筆を転がし答えを導いていた
生活編
平日のスケジュール
朝
7:00-7:50
朝ごはん
8:10
朝礼、国旗掲揚
8:45
語学授業
昼
11:40
昼ごはん&休憩
購買が週2回ある
13:00
語学授業
15:00
JICAの講座、ワクチン接種
※最終試験が近くなると語学自習の時間が増える
17:00
自由時間あるいは班ミーティング
夜
18:00
夜ご飯
19時から22:30
自由時間
選択講座や同期隊員主催の自主講座をうけることができる(私はキャリア相談やうどんづくりの講座に参加した)
帰所時間を過ぎないように吐こうが、喚こうがみんな死ぬ気で帰る
23:00
完全消灯
廊下の電気は消えてしまい、ウロウロしてたり、談話室で話していると守衛さんからスタッフに報告がいくようになっている
食事
概ね栄養バランスは考えられている。
事前に言えば週末の食事は外でとる場合は、キャンセルすることも可能
⚠️注意点
・スープや副菜は塩辛いことがある。
→血圧が高い方など血管系にトラブルがある方は量を減らす、残すなど対策が必要かと
・動物性タンパク質が少ない
→こだわりのある人はプロテイン等で補給を。
→→税金で賄われており、文句は言いづらいのだが、やや寂しい献立は最近のコスト高の影響はかなり受けていそうだ。
持ち物編
持ち物は人それぞれ量に違いがあり、個人差があることだけご承知いただきたい。
私は
45リットルバックパック(持ち込み)
スーツケース85リットル1つ(自宅から郵送)
Mサイズほどの段ボール1つ(自宅から郵送)
である。
以下持ち物一覧
◎これなしでは訓練を語れない
◯必需品
△量は考えて持ち込むべし
✖︎出番なし、訓練所にある
健康保険証 ◯
頭痛薬(20回分) ◎
ブヨにも効くステロイド軟膏 ◯
マスク100枚 △
体温計 ◯
キズパワーパッド ✖︎
ハッカ剤 ✖︎
酔い止め ✖︎
バックパック ◎
20lのリュックサック ◎
JICA海外協力隊要望調査票(PDFでの持参可) △
航空券領収書・搭乗券残券/船舶領収書
(JICAより指定があった人のみ) ◯
懐中電灯 ✖︎
入浴セット(シャンプー、リンス、ボディソープ、洗顔、ドライヤー等) ◯
文房具(鉛筆、シャーペン、消しゴム、シャー芯、ハサミ、のり) ◯
洗濯用洗剤(本体+詰め替え) ◯
洗濯ネット ◯
ノートパソコン レンタル可能 ◯
iPad ◎
コップ、水筒600ml ◎
スリッパ、サンダル ◎
セームタオル ◎
プリンター用紙30枚 ◯
アークテリクスジャケット ◎
スーツ一式【ジャケット・パンツ・シャツ、革靴、ネクタイ、ベルト】◯
ケータイ・パソコン充電器 ◯
薄手のセーター2枚 ✖︎
ワークマンヒートテックもどき上下3着
ユニクロヒートテック2着 *現地で捨てた ◎
UNIQLO秋用パジャマ2セット ◎
夏パジャマ1セット △
運動着 半ズボン1点、レギンス1点、上半袖2枚長袖2枚
白ノンアイロンシャツ2枚 ◎
私服用シャツ ◯
トラウザー3着 △
半袖 3枚 ◯
パンツ7枚 *数枚捨てる ◯
くるぶし靴下3足+長いタイプ3足 △
ウルトラライトダウンベスト1枚 ✖︎
パタゴニアフリース ✖︎
ティッシュ1箱 ◎
使用していたベトナム語参考書1冊 ◯
ノート 3冊 ◯
トートバッグ ◎
ハンカチ6枚 △
腕時計 ◎
保湿クリーム1個 ◎
コットン無印良品80枚入り2つ △
無印良品化粧水・乳液 ◎
爪切り ◎
エコバッグ3枚(ランドリー用、洗面用)◎
室内・室内運動シューズ1足ずつ ◎
買い足したもの
ウールセーター2着 ✖︎
カーディガン1着 ✖︎
ミラノリブスウェット ◎
熱冷シート △
os1ゼリータイプ
→酔っ払った時や班員の体調不良に活躍 ◎
カップ麺4つ △
ルーズリーフ △
頭痛薬 ◎
2次隊は8月中旬から10月下旬の訓練であり、季節の変化があるため、夏物から初冬の衣服など、荷物がかなり多くなってしまった。我ながら心配性がすぎると思う。
二本松訓練所周辺は国有林で囲まれており、9月中旬から最低気温が10℃ほどになるため、私のように寒がりで体の弱い人は特に注意するべし。
語学編
私が学習したのはベトナム語。
ベトナム語の授業の肝はやはり発音である。ベトナム語は大きく北部弁、中部弁、南部弁に分かれるが、首都ハノイでよく使われる北部弁が授業の中心である。声調6種類✖︎母音11個子音23?個の組み合わせにより、言葉が作られているため、発音をひとつ間違えると意味が変わってしまうのだ。
ちなみに私は2024年1月より実費で語学学校に行っており、そのおかげか訓練中の授業は比較的、理解しやすかった。
英語もさっぱりの私にとっては日本語で受講できるため、とてもわかりやかった。ここは都市部に拠点を構えているのが特徴のようだ。他社とのサービスでオンラインレッスンの方が安価であり、とても悩んだ。しかし、初心者は必ず発音につまずくので、講師の声が聞き取りやすい対面授業をおすすめする。
私は、仕事帰りに利用して、週1-2ペースを半年続けた。
費用約33,000円✖︎6ヶ月+入学金
安くない出費だったが今となっては必要な投資だったと思える。
お金に余裕がない、忙しい、近くに語学学校がない方はYouTubeやオンラインレッスン、ココナラを使って講師を探すこともおすすめである。うだうだ話をしたが、勉強の仕方はさまざまであり、YouTubeだけで発音や単語の習得をしていた同期隊員もおり、要はやる気次第といったところかなと。
オススメするテキストはこちらである。
ベタすぎるかもしれないが、とっかかりやすい。一部文法の説明に物足りなさを感じるが、初心者が単語や文法を学習するにはちょうどいいと思う。単語の量は少ないので、注意。
派遣前訓練の授業
これがまさに本丸。毎日5限授業があるので、嫌でもそれなりの力はつくというのが結論である。簡単な会話ならベトナム人と時間をかけながらやれそうと思うくらいの自信はついた。
授業形式
グループレッスン(学習スピードによりマンツーマンレッスンの場合も)
グループは訓練所入校時のテスト結果を基に編成される。ただグループレッスンは、難易度のバラつきさ故の悩み事は多々あるため、悩みごとはある程度は許容あるいは努力して補っていくしかない。しかし、適宜スタッフのフォローもあるので、大変な時は相談することもできるので、安心して欲しい。
月から金曜日(祝日関係なし)みっちり5限まで授業があり、課題や復習をこなす日々。まあ訓練自体が語学学習メインなのである程度仕方ないが、上げ膳、据え膳、お風呂も沸いてるし、掃除は自分の部屋だけで構わないので、語学勉強に集中するには恵まれた環境である。
感想編
約70日間あっという間だった。楽しい人もいれば辛かったという人もさまざまだ。しかし、わたしは圧倒的に後者。例えば飛行機の機内でトイレから出て歯磨きしている人を見ることさえも嫌な気分がするほど神経質な私にとっては、いろいろと心の広さを広げざるを得ない体験となった。今振り返ると派遣前訓練中は制約が多い。共同生活故のトラブルやストレスが多く、派遣前訓練開始1ヶ月ほどで人間関係のトラブルや体の不調を訴える人が多くなる印象だ。不平不満を言いながらやたら団結力・結束力を高まっていくのは実感するため、それをエネルギーに訓練生活を乗り切るのも大切なことかもしれない。
私の所属していた班の方達は偶然にもバランスが取れていた方で構成されており、和を乱すような方がいなかった。他の班では、四六時中うるさい(起きている間が元気なだけで本人に悪気はないと思われる)人のせいで周囲の部屋の人が不眠になる、など。普段の学校や職場なら一定の時間、距離を取れる人でも、寝食を共にする以上逃げ場がなく、疲れてしまう人もあるようだ。私の班の方は相手との一定の距離感は保ちつつも、飲み会や班の決まりごとには全員で参加するなどメリハリのついた方ばかりで、私の居心地はとてもよかった。
まあ協力隊に参加したいと思うような方はこのようなことを乗り越えられる人が大半と思う。私だって何とかやってこれたのだ。しかし、思わぬ壁やこだわりに気づくことができるのは、この派遣前訓練のいいところである。日本で捨てられるこだわりはさっさと捨ててしまった方がきっといいのだ。
語学に関して、ベトナム語は発音が難しく、文章になると声調の波で自分が船酔いしそうになる。文法自体はそんなに難しくないが、発音や聞き取りは独特の難しさがあると感じた。私は運良く、語学学習がとても優秀な人に囲まれてしまった。ベトナム在住経験者、アフリカで踊っていた方、様々な言語を操る方、海外経験の豊富なお笑い怪獣、このような感じで個性豊かな方に囲まれた。そして、講師は日本語より英語の方が流暢であり、聞き取りにかなりの苦労を要した。みなさん英語の聞き取りは最低限できる方なので、細かいニュアンスに関しては周りの方に補足して教えてもらって、何とかやってこれた。講師がエピソードトークを話すときは特に大変で、理解できなくなると途中で積極的にパラシュート脱出していた。
あと、パートナーとの関係維持はとても大切である。同棲してから遠距離になったため、私も電話したり、できる限りの努力をした。しかし、語学試験前は体調を崩したこともあり、寂しい思いや気を遣ってくれていたことに気づかず、大いに反省した。現地に赴任すれば、派遣前訓練より大変なこともあるだろう。というか絶対ある。訓練を終えたこのタイミングでいろんなことを話し合っておこうと思う。また、訓練中にパートナーとお別れしてしまったという同期隊員も何名もいた。このような場合、何をすればよいなど正解かはこの歳になっても分からないままである。ただいつでも別れの原因は一瞬というよりは、積もり重なったものが、大きく影響するのだろう。先輩隊員はみんなどうしているのだろうか。きらきらした投稿ばかりでなく、そう言った複雑系ví dụ も情報収集しておこう。
逆を言えば、二本松イリュージョンも何組か起きていた。このような村社会では、我々にとって恋愛系の話のネタはとても美味しい。都心に住んでいる頃は心底どうでもよかったのにと思うと、複雑な気持ちになるものだ。付き合うだけに飽き足らず、片思いまで噂になる。仮にパートナー不在だったとしても、私には到底、起こす勇気が湧かないだろう。
と言った感じで、訓練が終了しようとしている。友人が多いであろう人たちはみんな口を揃えて楽しかったと言っている。しかし、私のような根暗な人間は周りにどんな人がいるのかというのはとても重要な情報である。幸い、いい人に恵まれて、ストレスは最低限になったと思われる。もう一度やりたいかと言われたら、同じ人間関係が保障されていない限りやりたくないのが本音だ。泣いても笑ってもあともう少し。完全に消化試合だかちゃんと消化しようと思う。
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