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手と鉛筆と紙

描き始めは手のクロッキーと思っていたので、手を見ながらスタート。高校時代、最初に描いたのが手のクロッキーとデッサン。とっかかりには本当に良い題材。手のラインは面白く、家から見える山の稜線のようにも見えたり、高村光太郎の手の彫刻を想ったり、何か感動というか思いを馳せながら描ける。かっこよく描けると嬉しい。足を描くと分かるが、手の方がずっと描いてて楽しく足は上手く描けても別に嬉しくもなければ面白くもない。

鉛筆。久々すぎて、鉛筆を入れている缶を開けただけで、自分を褒めたい気持ちと、サボっててごめんねと申し訳ない気持ちに。手を描くのは缶を開けるより更に久々。クロッキーなのに妙にゆっくり描いてしまう。久々すぎ。指先のカーブがサッと描けない。手の形は年をとっても面白いし、手をかっこよく描きたいと思う自分が面白い。途中休憩しながら2時間ほど描いてしまった。

うねりのような線、手の稜線から樹木や自然の力強さに思いは飛んで、昔、休火山のある離島に5年間移り住んだ。風も強く雲の動きが速く、岩は溶岩、本土では見たことのないガジュマルの大木、嵐の日に海に行くと波が岩に打ち付けられ何メートルもの高さになり怪獣が出て来たかと思うくらい荒れていた。荒れてるところを描きたいわけではないのだけど、手の形を鉛筆で紙に落とすと、自然のうねりになった。

そんなことが若い頃は新鮮で、今は久々だから懐かしい。

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