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結婚→出産→希望と絶望の狭間③

その日は突然きた。

前日に定期受診した際、産道口が開き始めているから、そろそろ出産かな、と医師に言われた。準備はしてある。いつでもOKです!
翌日、朝から何となく具合が悪い。まぁ我慢できるくらい。だが、旦那さんと姉が出掛けてから嘔吐と下痢が止まらなくなった。食中毒で入院した時と全く同じ症状だった。
何を食べたのだろう?ちゃんと火を通したものを食べているし、念のため賞味期限だって守っている。急に怖くなった。どうしよう。ごめんね、赤ちゃん、ごめんね…と泣かずにはいられなかった。
涙を堪えながら病院に電話をした。
「食中毒になってしまったようで…」と、症状を伝えた。
「陣痛かもしれません。入院支度はできますか?
ご家族に連絡をして、お腹の痛みの間隔が○○分になったら、病院にきてください。」
「…出産ですか…。」一気に気持ちが解れた。
なぁんだ。大丈夫だって。君が産まれたがってたんだね。と、お腹をさすりながら身支度をした。
旦那さんにメールを送る。仕事中だ、返事なし。
姉の勤務先に電話。なるべく早く帰るからと、
姉が先に帰ってきた。
「どうする?旦那さんが帰ってくるまで待つ?」
いや、かなりキツイ。すぐ病院に向かいたい、と心は叫ぶ。でも、出てくる言葉は、「そうだね、もう少しで帰ってくるって返信きたから、待った方がいいよね。」だった。
やっと帰ってきた。すぐさま病院に向かう。
車で40分はかかる。夕方、混んでいる時間帯だから、1時間か。姉が車を飛ばす。
陣痛の間隔が縮まる。今どのくらい?
「○○分だからまだ大丈夫!」そうか、まだ大丈夫か。それを何回繰り返しただろう。
病院に着いた。車中で破水。警備員さんも慌てて車椅子を持ってきてくれたが、何故か産科の入口を間違い右往左往している。やっと分娩室に。間に合った。
8月下旬、小さな娘が産まれた。



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