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最近の記事

【デュエプレ】【デュエマ】山札に入れて

電車にのっていたら突然、ある文言が脳内で浮かび上がった。 スケールが違うわ! 「緑神龍ディルガベジーダ」のきわめて印象的なフレーバーテキストであり、デュエプレでも能力発動時に発せられるセリフだ。ディルガベジーダそのものを象徴するような文言である。そしていま、私は電車内でスマホを開き、この記事の行き先もわからないまま書き始めたのだ。 といったわけで今回は、ディルガベジーダについて少し見ていこうと思う。 はじめに すでに議論しつくされていることだが、このカード、結構面白

    • タイム・トリップ

      https://x.com/dmps_info/status/1691744105616056687?s=20 時の流れはゆっくりと。のんびりしているっていうワケじゃないんだよな。逆なんだよ、逆。おれの周りがゆっくりになってしまうってことが言いたいってことなんだよ。時間ていうのは先に進むものなんだけど、積み重ねないといけないわけ。現状のまま何もしない場合、時間は流れているから結果として後退しているんだよ。ふつうはね。じゃあ逆に、また逆なんだけども、時間が流れない場合、そこで

      • 【デュエプレ】絶頂神話 カツムゲン論考

        うーん。 正直、デザインとしてはあまり魅力を感じないカードである。ストーリーや、イラスト、ボイスなど、個別のコンテンツとしてはかなりいいのだが、デュエマあるいはデュエプレの秀逸デザインとしてよくみられる、上記のコンテンツの総合的な連関はあらわれていない。また、デュエプレにおいては、もともと弱かったカードを、文脈を逸脱しない形で強化し、魅力的なカードとしてリメイクする優れたデザインが多くみられる。 それらはストーリー上では重要な役割を果たすのにもかかわらず、強さが伴っていなか

        • 【デュエプレ】コッコ・ドッコ【妄想】

          デュエプレにおけるルピコ、ダピコはよいキャラクターである。これだけで記事書けたりするが、今回は残念ながらやはり「カード」の話。 コッコ・ドッコ コッコ・ドッコってかわいくないですか?  能力とフレーバーもほどよくかみ合っているし。 道に迷って「コッコ・ドッコ?」とべそをかきながらうろうろし、ドラゴンに助けを求める。 「助けてドラゴン!」  しかしながらいざドラゴンが助けに来ると、力尽きてしまう(踏んづけられてしまうという解釈も可)。迷子の鳥の、不憫なぬいぐるみ。 これ

        【デュエプレ】【デュエマ】山札に入れて

          【デュエプレ】音階の精霊龍 コルティオールの能力について【レは礼拝のレ】

          備忘録的な記事である。まずはこれを見よ。 「コルティオール」の能力は、紙からいくらか変化している。 単なるプレイの簡易化、煩雑さの解消のためととらえてもよいが、私はさらに、「音階」の竜たるを表現したものだと見た。 対応する竜に呼応して、「パワーの大きい順に」タップする。「順に」というのがミソで、順番に鍵盤を弾く、「音階」のあり方と重なる。すなわち、バトルゾーンに横にならんだクリーチャー群を「鍵盤」ととらえ、イメージ的に接続したのち、それらを「タップ」、押し込んで弾いていると

          【デュエプレ】音階の精霊龍 コルティオールの能力について【レは礼拝のレ】

          【デュエマ妄想】おやすみ、そしてこんにちは【ダイナモ】

          きわめて根拠薄弱の妄想。ご容赦ください。 我々は夢の中で、すべて一つにつながっている。そう考えたことはないか? 『頂上決戦!!デュエキングMAX2023』にて、いにしえの「ダイナモ」が収録されるらしい。 「ダイナモ」。「タップする」ことで他のクリーチャーに自分のパワーと能力を与える能力。これは読み替えれば、自分は他者に、他者は自分になることであり、自己と他者が曖昧に、溶け合って一体となる。「タップ」してそれが起こり、二人称は一人称へ、一人称は二人称へ、そしてより大きな、

          【デュエマ妄想】おやすみ、そしてこんにちは【ダイナモ】

          【デュエプレ】不死帝 デッド・エンド 

          不死帝 ブルース 彼は「不死帝」でありながら、ストーリーで絶命する。しかし、彼には「迷いはない」のだという。  「バトルゾーンに出た時、自分の山札の上から三枚を墓地に置く」能力は、そういう彼を端的にあらわすものだ。 破壊されても墓地から蘇る「不死帝」はしかし、出た時に山札を削っていく。ブルースは何度となく蘇るが、そのたびに彼は死に向かって邁進している。「デッキアウト」という死に。山札を墓地に置く能力を防ぐことはかなわない。迷いのない不死帝。ゆっくりと、しかし確実に、総体とし

          【デュエプレ】不死帝 デッド・エンド 

          【デュエプレ】ヴォスラディッシュより、信者へ。【妄想】

          (一部、背景ストーリーと大きく異なる部分がございます。) そもそもだね、君。「マントラ」とは真言。我々の力は真言、すなわち言葉の力であるわけだよ。教団の再興、および先導が主たる目的だと、幾度も話さなかったかね? 「オラクル」だけを呼び、「オラクリオン」を呼ばない。あるいは「オラクル」「オラクリオン」を共に呼ぶ。これらは適切な言葉として詳述されてはじめて、我らの力となるわけだよ。言葉が先にあって、そこから発する能力が、我らをマントラたらしめているのだよ。分かるよな? 先導、再

          【デュエプレ】ヴォスラディッシュより、信者へ。【妄想】

          【デュエマ】 個人的 ハイク評【森ジャングル】

          現在、水文明のマジック達は、一部でハイクに興じている。ツインパクトという形でハイクとクリーチャーを一枚に収めることで歌人の札を再現し、新しいカードゲーム体験を作り出している点で、大いに評価している。 デュエマにおけるハイクでは和歌や俳句と時代、作者がごちゃまぜになっているが、それは問題とはならない。つまりそういう、カードゲームにテキストという形で再現できる昔の日本っぽい風流さが核となるデザインなのであろう。 一つ、大いに感銘を受けたハイクがある。 「五本まで 集めて林 森ジ

          【デュエマ】 個人的 ハイク評【森ジャングル】

          【デュエプレ】 「タップ」を考える 

          20弾ティザームービーは観ただろうか? 20弾では新たにオラクル、オラクリオン、ゴッド・ノヴァが登場する。 「神聖斬アシッド」は、中でもとても面白い能力をしている。 タップしているクリーチャーを破壊し、クリーチャーを展開するのだ。ここには、言外に物語性が示される。すなわち、 アシッドの能力における「タップされている」クリーチャーは「ひれふしている」クリーチャーを表すというものである。 これを実証的に語るにはオラクルとオラクリオン、ゴッド・ノヴァの関係を整理する必要があるが

          【デュエプレ】 「タップ」を考える 

          【デュエプレ】モーツァルトと鬼羅丸のボイスについて、あるいは『地獄の季節』

          あれはいつの頃だったか。私がデュエマのパックをやみくもに買って、キラキラしたのが出たらニコニコとしていたような頃。コロコロコミックを貪るように読んで、なにかのデュエマのデッキを開けたら、「偽りの王 モーツァルト」が目に飛び込んできた。 あまりのかっこよさに戦慄し、眺めていたら夕飯の時間だった。あの戦慄的興奮は、いまだに心中に燻っている。そこからいくつもの映画や本、アニメ、マンガを鑑賞したが、まるでモーツァルトの幻影を追うように手に取った、『アマデウス』という映画。小林秀雄の

          【デュエプレ】モーツァルトと鬼羅丸のボイスについて、あるいは『地獄の季節』

          【デュエプレ妄想】「光文明にも悪魔はいる」-アガサ・エルキュール氏の言葉

          以下はすべて、デュエプレ公式からのストーリーや文章に基づかない、筆者自身の妄想である。カードの物語性の解釈、一部テキストについての考察を含むが、正当性を確保するものではない。 3月12日  アガサ・エルキュール。光文明の悪魔が一柱である。それがまもなく形になる。いや、せねばならない。 光文明のデーモン・コマンドとくればアガサ・クリスティの『白昼の悪魔』が思い浮かぶだろうか。ならば、その作中人物のエルキュール氏に主役をはってもらおうか。 わたしはそこまで考えて首を振った。ま

          【デュエプレ妄想】「光文明にも悪魔はいる」-アガサ・エルキュール氏の言葉

          【デュエプレ】スタートチャージ10「ダーウィン」の記録

          先日デュエプレで始まったSPルール「スタートチャージ10」は、私のとても好きなルールである。はじめから10マナたまっている状態から始まるデュエマは、楽しもうと思えばいかようにでも楽しめるものだ。今までいくつかスタートチャージ10に参加したが、私は毎回同じテーマである。そのテーマとは、「ダーウィン」だ。何の種族にでも進化できる「イノセント」なクリーチャーたちをいろいろと進化させることを主題とするデッキで、この有り様を「進化論」で有名な「ダーウィン」になぞらえたデッキタイプである

          【デュエプレ】スタートチャージ10「ダーウィン」の記録

          【デュエプレ】私の3周年「レジェンダリー・ディビジョン」

          2023年に突入し、「デュエプレ」三周年キャンペーンも続いているこの頃だが、先日、SPルールマッチ「レジェンダリー・ディビィジョン」の期間が終了した。これは、「デュエプレ」の歴史において下方修正や殿堂入りなどの措置が取られているカードを、基の能力に戻して使用できる特別ルールの対戦形式である。報酬がしっかりもらえるということもあって、私ももちろん参加した。使用デッキは以下である。ほかにもいくつか作りはしたが、あまり使わなかった。 なんといっても「驚天の超人」が面白いという感想

          【デュエプレ】私の3周年「レジェンダリー・ディビジョン」

          三周年とGOLDEN・ドラゴン

          デュエプレは三周年を迎えようとしている。それに際してこの度、「レジェンド・オブ・プレイス2023」がリリースされる。 三周年を記念する目玉カードは、「ロマネスク」や「キリコ・ムーン」などと並んで、「シャチホコ・GOLDEN・ドラゴン」だと思われる。この度、一見ギャグじみたこのカードの魅力について語りたい。 三つの太陽 「GOLDEN・ドラゴン」の覚醒リンク前のクリーチャーは、「アポロヌス」をモチーフとしている。 三体のアポロヌスが合わさって一体の、ワールド・ブレイカーを

          三周年とGOLDEN・ドラゴン

          愛の無限オーケストラ

           種族、エイリアンとパンドラスペースの隆盛は終わりかけている。アンノウンの讒言にのせられて、本来軌を一にするハンターに襲いかかる王と、ハンターを庇護する瀕死の妃は、16弾カードパックにおいて重要な人物であった。姫を愛するがゆえ、二人は違った方向を向いていた。 先日、16弾からは想像もつかないカードが現れた。 「愛の無限オーケストラ」である。 私はこのカードの豪奢な美しさと、その中に重く影を落とすもの悲しさを高く評価する。ほろびゆくパンドラの秘宝を命を投げ出して守る王家夫妻の

          愛の無限オーケストラ