【デュエプレ】今こそ驚天の超人を考える
覚えているだろうか。
驚天の超人は、すごいカードだった。
私が思うに、弱体化前の驚天の超人は、単なる乱雑な魔改造ではなく、明確な主題に基づいてデザインしなおされたカードである。あくまで、推測の域を出ないが。
それが「3」という主題。
コスト3、トリプルブレイカー、パワー13000であるうえ、イラスト面においても、ジャイアントであるから目が3つ。胸部には三つの穴がある。また、
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、相手は自分自身の手札から進化でないクリーチャーを、コストの大きい順に2枚バトルゾーンに出してもよい。(同じコストのカードが複数あるなら、その中からランダムに選ぶ。また、バトルゾーンに出ることによって起こる効果はすべて無視する)
上記の能力が発動すると、相手はクリーチャーを二枚出すか、何も出さないかの選択を迫られる。で、解決後にバトルゾーンを概観すると、「驚天の超人」を起点に、相手クリーチャー二体があらわれ、あわせて三体が現れていることに気づく。
これは、フレーバーテキスト、
伸ばした腕は国をも超え、遥か彼方の龍を撃つ!
から容易に連想できるように、二本の腕を伸ばして、「遥か彼方」=相手の手札からクリーチャーをひっつかんでくる(怖気づいて出てこないこともある)、そういうイメージの能力である。いずれにしても、二体の敵が束になってもかなわない「BIGGEST POWER」をもつ超人であるという自負すら読み取れる、面白い能力である。
そして同時に、上に述べたように、このクリーチャー全体の主題として、「3」がある可能性が高いのである。コスト、パワー、打点、能力、そしてイラストすべてが「3」に関連しているのだから。
結果として、あまりよいカードとはならず、コストは6に調整(ここで3の倍数にしたのも、筆者的にはいろいろ勘繰りたくなるが)、
先だってのADカード能力調整でも全くのノータッチであったのだが、ここには、すくなからず「3」に固執した結果の主題先取的なコストが影響していただろう。しかし、一体なぜ3なのか?
ここからさらに推測が重なるが、驚天の超人登場パック、
DMPP-08EX 「覇竜咆哮 -TRIBAL EXTREME-」は
DMPP-08 「極神創世譚 -VIOLENCE FUSION-」の拡張パックのような扱いであり、この8弾は、3色カードが初登場した弾だった。(不死鳥編を畳みつつ、極神編に入るというような弾で、かなり強い弾。余談だが、現状デュエプレ最後の、発売直前PVまであった。ぜひ見て。https://youtu.be/3DDQT42_Y7c?si=y--rYzUxL3hRtaFO)
3色カード初登場組は、「フルメタル・レモン」
「キングダム・ゲオルグ」
「龍仙ロマネスク」
など、そうそうたるメンツである。また、不死鳥編を畳む、「ビッグバン・アナスタシス」などの進化GVが引き続いて登場した弾でもあり、これは3体のクリーチャーが重なる動きである。
同弾には、
「連珠の精霊アガピトス」
「散舞特機サンマイダー」
のような、「3」意識のカードも収録されており、「驚天の超人」周辺のパックでの「3」をモチーフとする意識は非常に強かったといえる。
さらに8弾EXでは、「霊王機ブルファリオン」の「ブル」を「トリ」に変えたオリカ「霊王機トリファリオン」が登場。
フレーバーによれば
王機・封魔・霊騎の3つの力を携え、希望を載せた戦車が駆け出した!
とあり、はっきりと3。「鳥」とかかった「トリ」もあって、やはり3意識である。
「驚天の超人」も上記の例にもれず、「3」の主題に載せて再解釈され、デザインしなおされたと思われる。元のカードと比べ、単にコストを5減らしたともいえるのだが、このようにして見ると、独自の目線から改造がなされているとも考えられるのである。
しかし「驚天の超人」にはもう一つ、考えてみたいことがある。それが、次の弾に登場する、「サンマッド」との関連である。
自分のクリーチャーが3体以上あれば、このクリーチャーに「T・ブレイカー」を与える。
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、バトルゾーンにクリーチャーが4体以上あれば、そのうちの1体を選び、持ち主のマナゾーンに置く。
上記の能力は、「驚天の超人」に援用されたかのような、全くの逆を行く能力である。無理やり相手を引きずり出して3体にする、「驚天の超人」と、3より多い余りを無理やり引っ込ませる「サンマッド」。
はたして「驚天の超人」は、「サンマッド」なくして生まれ得たのだろうか? 8弾エキスパンションのSRカードとして、候補に挙がりえたのだろうか、とすら考えてしまう。
EXパックびっくりカード枠として、3をテーマに、主題先取的にカードを作りたいとなって、まっさきに「サンマッド」を想起、これの逆を行くような、すなわち「相手クリーチャーを増やして3にする」アプローチで3をモチーフにするカードという流れで「驚天の超人」にシラハ・アローがささった、のでは? などといってみる。もちろん、根拠のない妄想である。
3から1になる、進化GV
1から3にする、驚天の超人
3を3のままとどめる、サンマッド
と見ると、それぞれのカードの特徴と方向がわかりやすい。
数字をテーマとしたカードというのは、
9より上には行けない「九極」テーマ、
不吉な数字がカウントダウンされていく「世紀末ヘヴィ・デス・メタル」、「アカシック・タレス」
「伝説の正体 ギュウジン丸」
、
アウトレイジたちにみられる「無限」を意識した8コスト
元クリーチャーのコストだけが書かれないという「ディスペクト」の方法がとられている「ボルバルエイト」
などがあるが、
数字の3がカード全体を貫いている「驚天の超人」は、記憶されるべきだろう。クロニクルパックにおいても影も形もなかったが、いつかまた、30弾あたりで、でてこないものか。「配球の超人」が出る前に。
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