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会話するように、息するように、書く
もし、その「迷った末に入れなかった一文」があったら、せっかくそこまで壮大に織りなした文章が一点に集約されて、全体が台無しになっていたと思います。
今作は、書き手が「言いたい」ことをすべて言い切らずに、「書き手の意図の受け取りを読者に任せる・委ねる」っていう試みが幸いにも成功している作品なんや。
「書く力」の教室」
直塚大成さん 田中泰延さん
迷った末に入れてしまう一文。
あります。
迷わずとも、「これ、入れたらいい感じ」
と入れちゃうこと多々あります。
いらん一言のせいで台無し・・
に気づいていないことがもっと辛い。。
「読者に任せる・委ねる」と、
文章を書くための本を読んでいると
よくお聞きするんですが、これが難しい。
それって前提に
「言わないとわからないだろうからゆっとこ」
とか、
「ドヤ顔で」自分の見つけたいい言葉を
ひけらかしたい承認欲求、顕示欲!
みたいなのが、結局、幕の内弁当的に、
おいしくないものを生み出している。
そして、そういう時にかぎって
スキになられない文章で反響がない。
逆に、脱力感で、ゆるゆると書いてみて、
ああ、これはデリート!って潔くできてる時は
スキをいただける反響があって、
不思議だし確かです。
結局は、「もう一人の自分」と、
かけている共同作業の先に、
一人では生み出せない魅力がでるんだろうな。
まったく違う想像を働かせる人もいるだろうから、「届く人には届けばいいっていうことやね。「一定数の読者を信頼する」と言ってもいい。
言い切らずに寸止めする。
そのためのコツは、「自分語り」をし
ない、〇〇かぶれ」にならない、「言いたい」を優先させないなどや。そういう「静かなところを狙って終わる文章を心がけると、つい皆まで言ってしまう落とし穴にはまはず、よい加減のところを狙って終わる文書けるようになるでしょう。
「静かなところ」というのは
自分の状態ですね。
興奮して、もう言葉がすらすらで続けて
「自分に酔ってる」ときは、だめです。
それって、読んでくださってる人の状態を
意識するってことでもあるんだろうなと。
ひとりで酔っ払って、演説してる時は
だいたいみんな引いてる。
コーヒーを飲みながら、
ソファで横になりながら、
または電車のなかで、疲れを癒しながら。
過ごして読んでくださってる人に、
熱々の演説は、求められてない。
呼吸を合わせる。
あいての相槌を感じる。
会話をしてる時には、
相手の反応を見ながら間をおく、
のと同じように。
むしろ、相手の言葉を待つ。
そこに、信頼する自分と信頼される自分との
間がある。
会話するように書く。
書いてる時ほど会話を思う。
空気とか水のような「静かな文章」を書けるようになるには、自分の中に「ツッコミ役」のもう一人の自分を養っておくのが大事だと思う。
自分が書いたものの最初の読者は自分自身や。だから「こんなの付け焼き刃やん」「にわか知識にかぶれてるだけやろ」「その言葉、言いたいだけやん」「自分が前に出すぎやねん」って冷静に自分自身にいちいちツッコミを入れさせる。
時間的に、読み返してから投稿する、
ということができてないことが、
反省だし、あかんなあと思うんですが、
もしそれを書きながらツッコミいれられるようにできれば。
↑の段落を書いた後に、一呼吸おく。
それが優しさ。
あ、そういえば、
書いてる時って息してない気がするので。
呼吸するように、書く。
深呼吸する。
そうやって、ウザい、ダサい、くどい、暑苦しいところを潰し、空気とか水のような「静かな文章」を書けるようになるには、自分の中に「ツッコミ役」のもう一人の自分を養っておくのが大事だと思う。
養うことは、生きること。
一晩で、一夜漬けで身につくことではないので
養いながら、生きること。
それってもはや、書くためというより、
仕事をする上でも、生活する上でも、
全てに通じる気がしてきました。
ちゃんと自分の呼吸を感じながら、
過ごすこと。
ひとつ、ごくシンプルな方法を
挙げると、「主語を消す」と、「静かな文章」になりやすい。
えっ、主語を消したら、かえってわかりにくくなってしまうんじゃ…•・・?
いやいや、日本語って主語がなくても成り立つやんか。特にエッセイは自分が語り手なわけだから、いちいち「私はこう思った」「私はこう考えた」って書かなくても、誰が思っているのか、考えているのか、読者には伝わるねん
自分を感じるためには、主語を消す。
主語を消して、生きてみる。
私は
私が
私も
日々過ごすうえで、
大切なことでもあるんだけど、
あ、いまわたし、わたしが出過ぎてる。
とおもえば、寸止めすればいい。
そんなゆる感と、バランスを保つ。
それは難しいことではなく、
シンプルに生きることでもあるのかな。
書く力の教室は、
生きる力の教室でした。
今日もお読みいただきありがとうございます
ビルの隙間の月ってなんだか好きなんですよね
主張してないのに、さりげなく光ってる。
相手にそれを気づかせるように、
一歩引いて佇んでいる月は、まるで呼吸する月
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