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群発頭痛の地獄っぷりがすごい

群発頭痛の痛みってこんな感じ

自殺したくなるほどの痛みとも言われる「群発頭痛」を発症して15年ほど。治る病気ではないらしいのでこの病魔とずっと付き合っている。そして先週から発作期間に入った。今回はかなり厳しい戦いを強いられている。

この病気を知らない人に「こんなに痛いんだよ!」と伝えるのは、病気自慢・痛み自慢と受け取られそうで嫌ではある。しかしそれでも機会があれば一般周知に助力したい気持ちのほうが強い。病気の知名度が低すぎて社会の協力を得られにくいと感じているからだ。あまりにもマイナーすぎる。
ちなみに患者数は人口の0.1%~0.4%くらいらしい。

気になるその症状は、僕の場合「眼の奥に回転するウニがあり、そのトゲが何百本も刺さり続けるような痛み」が数時間継続する、だ。ぜひ想像してみてほしい。
そしてこの痛みにはバファリンやロキソニンなどの一般的な鎮痛剤は全く効かない。

2時間ほど痛み続ける頭痛が1日に3~4回起こる。これは2か月くらいのあいだ毎日続き、1年の間に数回のサイクルで発症する。
僕は今まさに発作期間中で、つまりここが地獄だ。

発作期間の地獄っぷり

日本が銃社会でなくて本当に良かったと思っている。昨日の夜たぶん左目を自分で撃ち抜いていたと思うから。そうする代わりに床をのたうち回っていた。唯一効果があるとされている「トリプタン」の自己注射キットを処方されているので、大慌てで自分の太ももに注射をぶっ刺して、早く効けと懇願しながら壁に頭突きもした。

この悶絶の様子はドラマチックで悲惨だが、自己憐憫に浸ったり被虐的なナルシシズムにうっとりする余裕は本当に微塵もない。ただただ「ウアアァァ」とか呻きながら床を転がるだけである。
この時「そんな痛くないでしょ、大げさな」とか言われたら、ヨシ死んで見せてやろうと思う程度にはギリギリだ。群発頭痛患者にそういう事は絶対言ってはいけない。

それから現代で本当によかったと思っている。群発頭痛の患者は、頭痛発作中以外は普通の人と何も変わらない。しかし頭痛発作がはじまると急に床を転げまわったり頭を壁に打ち付けたりする。そして数時間するとまた平常に戻る。これ、中世なら狐憑きとか悪魔憑きだと思われただろう。
調べると実際にスカンジナビアの一部やネイティブアメリカンなどにそういう例があるらしく、悪魔憑きとして処刑されていた可能性があるという。そうして処刑された人々は、頭痛から解放されることを喜んでいたかもしれないな、とすら思う。

発作期間は痛みが出ていないときでも、飲酒すれば即座に頭痛スタートの引き金になる。サウナや湯舟に長湯するのも引き金になる。僕は特に身体を熱くすることが引き金になるようで、スポーツや性行為も引き金に含まれる。変わったところでは昼寝も引き金になる。
つまりおじさんが楽しい事がことごとくダメなわけで、いったい何の罰なのかと思う。飲まない、身体を動かさない、肉欲ダメ、湯舟にも入らず、昼休みもしない。ツンドラを彷徨う荒行聖職者にでもなれと言うのだろうか。まったく忌々しい。
実際、僕はもう1年以上酒を飲んでいない。好きなのに。ラム酒飲みたい。

頭痛を耐えるためにやる事

たぶん自分が群発頭痛であると気が付かないで苦しんでいる人もいるはずだ。15年前の僕がそうで、都内の眼科や内科を10数軒はしごして診察を受けても全く病名が分からず困り果てていた。当時は今よりこの病気が知られていなかったので、本当に大変だった。MRIやCTも何回撮ったかわからない。
心理的な問題だろうと精神科へ誘導されて、そこで群発頭痛かもねとはじめて言われ、紹介してもらった脳神経科でやっと群発頭痛という病名がわかった。発症から3年かかった。
つまり、効果のある鎮痛薬を処方してもらえるようになったのは発症後3年経過してから。我ながらよく自殺しなかったものだ。

鎮痛剤以外の対策として酸素濃縮装置というものがある。群発頭痛と戦うための強力な切り札で、数年前に保険適用になった。これは自宅に設置できる簡易酸素ボンベのようなもので、頭痛がはじまったら即座に高濃度酸素を15分吸引する。すると8割くらいの確率で痛みが引く。どうして効くのかは現代医学ではわからないらしい。
これは医師に処方されると専門業者から借りることができる。僕も借りている。保険適用でも月に2万円かかる。

さらに予防薬というものもあるにはある。おかしな話だが、まったく頭痛と関係ない狭心症の薬を許容量ギリギリくらい飲む。それと合わせてステロイド剤も飲む。すると、ある程度頭痛の発作を抑えることができる、かもしれない。
これもどうして効果があるのか現代医学ではよくわかっていないらしい。でも経験則で効くっぽいので処方される。
ぜんぜん違う病気用の薬を毎日がぶがぶ飲むのは本当に嫌だ。絶対身体によくないだろう。
それでも頭痛よりはマシなので飲むしかない。

難病に指定してほしい

このようにまだ何もわかっていない病気で、原因が分からず、治療法もないキツイ病気なのに群発頭痛は難病指定されていない。つまり、患者は少なく薬は高価であり、国の援助もない。難病指定が条件的に厳しいのであれば、難病に準ずるものでもなんでも良い。何か手助けをしてほしい。心からのお願いだ。

あまりにもつらい戦いなので、僕は群発頭痛の患者ならもう無条件に戦友のような気持ちになってしまう。
あなたがもし群発頭痛を患っているなら、あなたの事はこの地獄で僕の隣に立ち、共に病魔と戦い続ける古くからの友人だと感じている。病院や薬などのことで何か困ったり、知りたいことがあったらコメントでもDMでも何でもいいので連絡を。助けになれる事があるかもしれない。

あなたが群発頭痛を患っていないなら(それはたいへんな幸運で、本当に羨ましい)ぜひこの病気を知って、患者へ理解を示してほしい。本当に苦しいときは病気を説明する必要がない事や、疑われない事ですら助けになるから。

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