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ポルトガルひとり旅 -モンテモール・オ・ヴェーリョ-

休日に自転車を借りて、近くのモンテモールという町に出かけた。キンタから自転車に乗り、丘を超え川を渡って、だだっ広い田んぼの中にある大きな一直線の道路を進むこと約40分。丘の上に中世のお城の遺跡が残る、小さな町が見えてくる。川を渡ると、中世にタイムスリップしたような、静かで素朴な町があった。


中世の要塞

丘の上にあるお城は公園のようになっていて、誰でも自由に入って散策することができる。お城までは、街の中にあるエスカレーターで登ることができるけど、この日は、登り始めた最初のエレベーター以外は動いてくれなかったので、自力で階段を登ることに。

お城の入り口


丘の上に辿り着いて城壁をくぐると、庭園が広がっている。芝生が敷かれた空間の中に、木々や草花と飛び石がさりげなく配置されていて、ピクニックなんかをしながらのんびり過ごすのにぴったりな空間。城壁に囲われたぽっかりと空いてしまった場所に、思いもよらない可愛らしいを見つけたような、ワクワク感が湧いてくるような場所だった。

城壁に沿って舗装された石畳を歩くのも良し、真ん中の芝生の庭園でのんびり散歩するのも良し。城壁に登ってみて景色を一望することもできる。整備された石畳の一角にちょっとした展示があること以外は、特に見学ルートが決まっているわけでもなく、それぞれが思うままに過ごせる公園のようなところだった。数人の子ども連れのグループが、城壁の上をぐるりと周りながら探検していた。

お城にあった看板によると、8世紀ごろにここに住み始めたアラブ人が、ここに要塞を築き上げたよう。10世紀ごろからキリスト教とイスラム教の戦いが激しくなる中、ここは重要な要塞だったらしい。要塞の隙間からは周辺の景色が一望できる。

この日は町にもお城にも、人影はまばらでゆったりした時間が流れていたけど、夏には有名な電子音楽のフェスティバルがこのお城で開催されているようで、その時は各地から観光客が来て、大盛り上がりになるそう。

城壁の中に、修道院が建っている。中の造りは簡素でこじんまりとしていて、部屋の片隅にあった古いタイルの壁が美しかった。

種子島通り

モンテモールには、種子島通りという通りがある。450年以上前、種子島に漂流したポルトガル人の一人が、ここモンテモール出身だったらしい。通りは、特にこれといった特徴があるわけでもなく、城下町の中の一つの通りとして存在していた。

小さな広場の奥に、種子島通りがある
種子島通りを示す標識

帰り道に牛の放牧を見た。芝生の上にぐたーっと横たわって気持ちよさそうに昼寝をしていた。この辺りはだだっ広い田園風景の中に、小さな町や村がぽつんぽつんと点在している。牛だけでなく、ヤギや馬を見かけることもある。近くのリゾート地、フィゲイラ・ダ・フォズからは車で約20分、コインブラからも30分程度で来ることができるので、ポルトガルののどかでゆったりとした田舎をドライブするのにはおすすめの場所。


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