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美術館で立ち尽くしてしまった 不思議な出来事

みなさん、こんにちは!
ダイレクト出版・政経部門の木本 京介と申します。
今週で社会人2年目になりました。長いような短いような不思議な気分ですが、気を引き締めて精進していく所存です。

今回のメルマガでは、そんな私がここ数週間で体験した、「美術館で立ち尽くしてしまった 不思議な出来事」についてお話ししたいと思います。

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つい先週、長い間心待ちにしていた
特別展へ足を運ぶことができました。

その特別展は古代文明に焦点を当てたもので、「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」というものでした。

私が現地で撮影した写真です。
(撮影の許可された特別展でした)

展示されていたものは、古代文明のピラミッドの一部から日用品までと幅広く、予想していたよりはるかに観覧を楽しむことができました。

以前から、頻繁に美術館には訪れていたのですが、ここ数か月で、観覧の際に得られる感動がグッと深くなったように思います。先月観覧した円空展という別の展示でも、こちらの仏像に心を打たれ、その日はいろいろと考えが止まらなくなりました。

円空展の際に撮影した画像です。
(撮影の許可された展示物でした)

以前は、こういった貴重な美術品を前にしても、その経験に満足はすれど、感情が動かされることはありませんでした。ですが、ここ最近は喜ばしいことに、心から感動することが増えたのです。この変化は、私が一年間の仕事をとおして、西洋美術史の専門家である田中英道教授からある考え方を学んだからだと思います。
それはこのような考え方でした。
「現代では、美術品を含むあらゆるものが文字によって説明されるようになりました。その結果、映画でさえも、説明がなければ観客が理解できない状況になっています。しかし、かつては言葉を使わずとも、作品を読み解く感受性がありました。
私たちは徐々にその感受性を失っているのです」私は田中教授の『新・世界文明論』という講座でこの考えに触れたのですが、「理屈だけではなく感性が大切」ということを世界の学会で活躍した方が述べることに新鮮な驚きがありました。

美術を理解するには、技法の知識や背景情報が必要だと、思い込んでいたからです。思えば、これまでは気づかないうちに、自分の感性よりも「どこかに書かれた情報」を優先していました。そのせいで、美術展にいっても作品をみる時間よりも解説を読む時間の方が長かったり、せっかく眼の前に貴重な作品があってもスマホで写真を撮ることを優先してしまっていました。

さらに、田中教授の「どの時代のどこの国の作品であっても、人間そのものは変わらない」という言葉も、美術品を読み解く際のヒントになりました。これまでは、褒めそやされているものの自分にはまったく理解できない現代美術などがあると、
「知識が足りないのかな」と考えていました。

ですが、田中教授の言葉を聞いたことで、本当にいい作品は、一目観ただけで感情を動かす力があると気づけたのです。そのことに気がつくと、不思議と一部の美術品にのみ深く感動できるようになりました。

指よりも小さい像でした。

例えば、先日の古代メキシコ展では、170近く展示があり、目玉といえる巨大な像も数多くあるなかで、私はこの小さな像に深く心を動かされるという不思議な体験をしました。何か神秘的なものを感じて、数分間展示の前で立ち尽くしてしまったほどです。もし、感性に従わずに展示を巡っていたなら、そのまま見過ごしていただろうと思うほど小さな像でした。

この体験をとおして、自分は今までなんて感性を押し殺してしまっていたのだと痛感しました。今後は、ただただ知識ばかりをつけるのではなく、ときには自分の直感を大切にすることで、人生を豊かにしたいと思いました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

P.S.
そんな私にとって恩人とも呼べる田中教授ですが、幸運なことに、YouTubeを使って、多くの方に田中教授の言説を広める活動を担当することになりました。

毎週土曜日に10分ほどの動画を公開していますので、ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

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<今日のメルマガを書いた人>

ダイレクト出版・政治経済部門 田中事業部 木本 京介(きもと きょうすけ)

1999年生まれ、大阪府出身。
昨年の4月に、ダイレクト出版に新卒社員として入社。

学生の間に歴史をすべて学びつくそうと試みるも、古代史のあまりの奥深さに紀元前の学習から先に進めなかった。

仕事と趣味の両方で本を購入しているため部屋が段ボール箱に埋めつくされつつある。

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