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「キャリア」は関係性で考える

VUCAな世の中を生き抜くためには、「自律的キャリア形成」とか「キャリアオーナーシップ」が盛んに叫ばれています。私も叫んでいる一人です。

「キャリア」は様々な言葉で定義されています。物事を考える上で、定義は非常に重要です。しかし、普通は厳密な定義を理解するよりも、まずはイメージから掴むことが大切です。

「キャリア」のイメージは、「自分」と「社会」の関係性として考えられます。ここで「社会」とは家族・親戚・友人・同僚などの他者であり、職場・ボランティア・サークル・地域活動などのコミュニティであり、自分が住んでいる地域や国、場合によっては地球なども含んだ広いものとして捉えています。

「キャリア」は自分一人の想いで実現することはできません。「社会」との関係の中で実現が可能になります。歌うことが好きでも武道館でライブをできる人は一握りです。ライブハウスで歌うとしても、聴いてくれる人がいなければ豪華なカラオケに過ぎません。人々に歌を聴いてもらうためには、自分の想いを人々に伝わる言葉でしっかりと伝えなければ始まりません。これは「キャリア」も同様です。

「キャリア」は、「自分」と「社会」をつなぐものです。このような理解に基づけば、「自律的キャリア形成」や「キャリアオーナーシップ」は、キャリアは自分から社会につながっていこうとする姿勢として考えられます。

自分から社会につながっていくためには、まずは、自分だけでなく社会についても理解しなければなりません。「社会」を理解するから、自分を客観視することができ、自分の強みや足りないものがみえてきます。

また、「自分」と「社会」との関係性で考えれば、「自分」のことは習慣や行動を変えることが容易ですが、「社会」の方は制度や組織、様々な人の想いが絡み合うので、変えるためには別のアプローチが必要だということも理解しやすいです。

「キャリア自律」とか「オーナーシップ」とか、時には「キャリア教育」すら、「自分」を中心に考えがちになってしまいますが、同時に「社会」を視る眼も重要です。
自分の「キャリア」を考えるとき、独り善がりになっていませんか。「社会」のこと、見えていますか。

法政大学大学院キャリアデザイン学科でお世話になった笹川名誉教授は、国家や会社にもキャリアがあると唱えています。
某国の大統領を想起すると、国家や社会にもキャリアがあるとする考え方も通用しそうですね。

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