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ブリッジサイズを2デック、まずはそれからだ (トランプが2セットあるといいよねという話)

「皆さん、こちらのトランプとこちらのトランプ、何が違うか分かりますか?」「よく見てください。カードの大きさが違うんです」……ブリッジ を習うときに最初に教わるのはこのことかもしれません。

プレイングカード(日本でいうトランプカード)は大きさの異なる2種類があります。ひとつは「ポーカーサイズ」。もうひとつが「ブリッジサイズ」です。両方とも縦の長さは88mmで同じですが、横幅が異なります。ポーカーサイズの方が幅広で63mm、ブリッジサイズは細身の57mmです。

そして、ゲームをするときはカードを2セット用意します。ブリッジは勝ち負けの決め方にもよりますが、大抵は複数回ゲームを行います。そのため、1ゲームごとにカードを回収してシャッフルし直していると時間が取られてしまいます。そのため、カードを2セット用意して、使い終わったカードを切り直している間に、別の人がもうひとつのセットのカードを配ってすぐに次のゲームが始められるようにするのです。(この2セットを交互に使う遊び方は他のカードゲームでも行われているそうです。)

日本のおもちゃ屋さんでトランプカードは1セット単位で販売されていることが多いと思いますが、海外の製品ではそういった遊び方をするためか、カードが2個セットになっている商品も多くあります。そんなわけで、今回は2個セットで買えるカードをいろいろ探してみました。

バイスクル(BICYCLE)

バイスクルと言えば多くのマジシャンに愛用されていることで有名な紙製のカードです。マジックでは紙製の方が扱いやすく、幅の広いポーカーサイズの方がパフォーマンスする際の見栄えが良いとされているそうです。また、バイスクルは様々なデザインのカードが発売されていますが、そのほとんどはポーカーサイズです。

一般に、紙製のカードは繰り返し使用するには耐久性に乏しく、折り目をつけたり書き込みをしたりするなど不正がしやすいため、カードゲームの用途ではプラスチック製のカードが推奨されます。しかしながら、バイスクルのカードにもブリッジサイズが存在します。パッケージの下部に「BRIDGE SIZE」と書かれているので、購入する際は要確認です。

カラーは赤と青の2種類があります。色違いで揃えると、ゲーム中に別デックのカードが混ざっても見分けがつくので安心です。

日本のamazonで購入するならバイスクルの日本総代理店マツイ・ゲーミング・マシンさんから購入すると安心かも。

コパッグ(COPAG)

コパッグはプラスチック製のカードで世界的に知られるメーカーです。ブラジルで創業し、プレイングカードを製造して100年以上にもなるんだとか。(ブラジルのサイトアメリカの法人もあるよう。)ポーカーの世界選手権でも使用されるほど品質が評価されているカードなんだそうですが、ブリッジサイズのカードももちろんあります。


ケム(KEM)

ケムは1930年代初頭からカードの製造を始めたメーカーだったようですが、現在は先述のバイスクルの製造元である世界最大手のカードメーカーUS PlayingCard(USPC)社のブランドとなっています。(※KEMcards.netさんの「History of KEM Cards」を参照)ペイズリー柄のデザインが特徴的です。こちらもプラスチック製

バイスクル、コパッグ、ケムのカードは日本のamazonでも出品は多いですが、物によって値段がまちまちだったりするので、amazonでの購入を迷う方にはトランプやカジノグッズの専門店「モンテカルロ」さんのネットショップもご紹介しておきます。↓


ダ・ヴィンチ(Da Vinci)

ダ・ヴィンチプラスチック製カードを製造するイタリアのメーカーです。1868年からカードを製造しているそうで、イタリア製のカードであることを売りにしているようです。商品ページには「ケムやコパッグにも引けを取らない品質」と書いていて、同業他社にライバル心むき出しです。


ピアトニック(Piatnik)

ピアトニックは1824年創業という超老舗なオーストリアのメーカーで、プレイングカードやテーブルゲーム、パズルなどを製造しています。

ピアトニック社では、様々なアート作品をカードにあしらった優雅なデザインの製品を多数製造しています。アートやデザインがお好きな方だと、知っている作品がカードになっているかも?競技用というよりは社交向きのカードですが、使うのがもったいなくなるようなデザインなのでコレクターズアイテムにもなりそうですね。種類が豊富なので、詳しくは下記リンクのカタログをご覧頂きたいです。↓(ただし、紙製のカードも多いようです。)

日本のamazonでは、種類は多くないですがいくつか出品されています。

ちなみに、ピアトニックのトランプはニチユー株式会社が運営するトランプ・タロットカードの専門店「ペンタクル」で取り扱いがあります。amazonでも「ニチユー株式会社」の名前で出店されています。↓


コングレス(Congress)

コングレスは先述のUS PlayingCard(USPC)社が1881年から製造しているブリッジサイズのカードのブランドです。やはり社交向けなのか、裏面のデザインには植物などの美しいグラフィックが用いられています。


カスパリ(Caspari)

カスパリはこれまで紹介してきたゲーム用品メーカーとは異なり、テーブルウェアやステーショナリーなど紙ものの雑貨を扱うメーカーです。

ですが、こちらでは華やかなデザインのブリッジ用カードが多数製造されています。紙製品であることもそうですが、「ホームパーティでおもてなし」するためのグッズとしてブリッジ用品が位置付けられているようです。さすが社交のゲーム、ブリッジですなー。下記リンクの商品はカード2個に加え、スコアパッドもセットになっています。

しかも、カスパリのブログでは2020年になってからブリッジの遊び方を紹介する記事が投稿されています。ルールが詳細に説明され、The World Bridge Federationへのリンクまで貼ってあって、本格的な内容です。海外のブリッジ用品店のサイトでもギフト用商品としてカスパリのブリッジグッズを取り扱っているところを複数見かけたので、ブリッジ界隈では贈り物として重宝されているのかも。

まとめ買いセット

バイスクルの公式サイトでは見当たらないのですが、「バイスクル」「ブリッジサイズ」「6色」「12個セット」という、とんでもない商品がamazonに出品されているのを発見しました。↓

「これは使えるじゃん!」と思ってポチりそうになりましたが、グッと堪えました。カードをダース買いするほどの腕前でもないので…危ない危ない。もしかしたら廃盤商品なのかもしれません。

そしてもう一つ、6色セット(6個入り)の商品がありました。こちらはBrybellyというおもちゃメーカーの製品のようです。花柄のデザインがカラフルで、小さいお子さんがいるご家庭にも良さそうです。


競技団体のオリジナルカード

ここまで、市販のカードを様々紹介してきましたが、忘れてはならないのが日本コントラクトブリッジ連盟(JCBL)さんのオリジナルカードです↓

ブリッジの上達を目指すなら、こういったカードを使うのも良いのではないでしょうか?色は4色あり、通信販売で購入できます。(写真は私物↓カード裏面は旧デザインの青、表面はスペード:黒、ハート:赤、ダイヤ:橙、クラブ:緑のノーリボークカードですね。)

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あと、アメリカンコントラクトブリッジリーグ(ACBL)のカードはなぜか日本でも買えます。↓


トランプカードなんて一家庭に1デッキあれば十分なものですが、ブリッジやカードゲームで遊んでいれば、いずれ「1デッキじゃ足りない……」という日がやってくることもあるでしょう。そんなときはこうしたセット物のカードを購入することも検討してくださーい。ではー。

サポートはコントラクトブリッジに関する記事執筆のための調査費用、コーヒー代として活用させていただきますー。