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長野県 三峰川橋~ランガー桁の耐震補強を拝見(長野県伊那市 国道152号)

 国道152号は分断国道としても知られており、いわゆる酷道でもあります。酷いかどうかは別として、1車線の山道をしばらく走れるので、新緑や紅葉の時期は景色が楽しめます。
 三峰川橋(みぶがわばし)は伊那市(旧長谷村)にあり、橋の名前の通り、三峰川を渡っています。この橋のたもとから南アルプススーパー林道が東へと伸びています。形式は下路式トラスドランガーです。

写真1 親柱「みぶかわばし」

 リベット接合の部材添接部もあり、どのような歴史なのかとそ資料を検索したら、日本橋梁建設協会の「100年橋梁を目指して」というパンフレットにも掲載されていました。1967年に竣工とのこと。
 横から眺めてみると、チェーンが取り付けられているので、耐震補強はされているようです。休憩がてら眺めてみると、特徴的な箇所があります。下の写真2の垂直材と斜材の交点です。

写真2 左岸側より
写真3 垂直材と斜材の交点

 垂直材の手前側の添接はリベットで、向こう側に重ねるようにGuss PLの添接がボルトなので、追設された部材であることがわかります。
 対岸側を確認すると、端部近くに垂直材、そして一つあいたところから斜材が入っていて、垂直材は単独部材になっていることがわかります。左岸側と斜材の配置が違っていて、耐震補強設計での支承条件の影響ですかね?あるいは下部工の影響・・・・?と、確認のために再訪したくなってきます。

写真4 右岸側より

 同様に起点側・終点側で非対称になっているのは、補強対象の配置です。

写真5 斜材の断面補強
写真6 上側の格点(交点)

 部材についても、溶接による箱型断面とボルトによる組立構造の両方があります。
 国道152号を走りながら気が付いて撮影、そして観察は写真を見ながらなので、現地でもっと見ておけばよかったと思っているところです。

写真7 支承取替はされていないようです

 さて、右岸側を少し上流から撮った写真には、このランガー桁が架設される以前に使われていた吊り橋の主塔と思われる構造物が写っています。できれば撤去されることなく、このまま残ってほしいです。

写真8 三峰川・旧橋の主塔など

 三峰川も大鹿村の小渋川も、河床の色とのコントラストで水の色がやや青く見えます。河川の上流の水の色であり、山間部に訪れた時の楽しみでもあ ります。 

 それでは、参考にした資料を下記に残して、今回はで筆を置くとしますか。

 日本橋梁建設協会「100年橋梁を目指して」

https://www.jasbc.or.jp/panfuretto/panfu_100year.pdf