シール材寸法の苦悩? 下部工・上部工ブラケット
20mmです。以上。
そんな感じで決められるはずなのに、いろいろとほかの要素もあるので、ケースバイケースで決まることもあるようです。
基本的にはベースプレートと既設コンクリート部、あるいは調整モルタル(無収縮モルタル)の間への雨水の侵入防止といった意味合いで必要になります。
いろいろと見て歩くと、ひとくくりに決定はできないようです。
一つ目の例は下部工ブラケットではありつつも、台座的に上げた箇所にブラケットが載っているタイプです。こちらはシール材が施工されていないようです。外側からの水の浸入という意味では、台座があるのでシール材はなくても良さそうです。このケースでしたら、高さ調整を含めて、むしろブラケット設置面に樹脂材?が入っているかもしれませんね。
次はシール材が多めな事例です。中空床版橋の水平力分担構造の設置で、上部工側に設置されたベースプレートのシール材施工です。いささか大き目なシール寸法になっています。よくよく考えると「なるほど」な寸法です。
構造を想像すると、おそらく下図のような構成になっています。
このケースの施工では、ベースプレートの外側に無収縮モルタルの型枠を設置するので、モルタルの側面とベースプレートの側面が一致します。(いわゆる面一(つらいち))なので、ベースプレートと無収縮モルタルの浸入水を防止するためのシール材を45°で施工しようとすると上掲の写真のようになります。シール材を施工するかどうかは発注者の判断になると思いますが、ベースプレート上にモルタルを打設するので、不要と判断しても良さそうです。
シール材施工が必ず必要になるのは、垂直面に取り付けられたブラケットの場合が多いと思います。コンクリート面をチッピング、そして樹脂材を塗布してブラケットを設置となることで隙間が(そうはいっても)懸念されること、また、水が垂直に流れていくルートになっていくことから、水平面への取り付けより気を使います。水平面への設置なら水切関連をもっとしっかりとやりますしね。
シール材での水の浸入防止とは別に、モルタルの縁辺部に角度をつけて施工されている場合もありました。形状としては似ていますが。
個人的には、支承以外ではモルタルの立ち上がり部なしで角度をつけると型枠が大変じゃないの?気抜き部分は?・・・・と心配していしまいます。このあたりは設計される方の「苦悩」ですね。
以上、拝見した構造物をもとにした個人的感想です。