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静岡県 瀬戸橋~奥浜名湖(猪鼻湖)の瀬戸をつなぐ吊橋

 地名のつけ方に詳しいわけではないのですが、瀬戸とは狭い門(サ・ト)から転訛した読みということのようで、まさにこの瀬戸橋は浜名湖と猪鼻湖をつなぐ狭まった箇所にあります。架橋位置はGoogleMapでご覧ください。

 猪鼻湖神社が半島のように伸びた先にあり、赤い太鼓橋がコントラスト良く映えています。映画「男はつらいよ」第6話のラストシーンにも登場しているようです。

瀬戸橋と猪鼻湖神社
瀬戸橋と猪鼻湖神社
猪鼻湖神社の太鼓橋
猪鼻湖神社の太鼓橋

 さて、瀬戸橋に話を戻しまして。
 昭和30年(1955年)に竣工し、この瀬戸をつないだようです。
 西側から湖面近くに降りられるルートがありましたので、悪い癖とは承知しつつも下側より橋を眺めます。
 古い橋ですので耐震補強はどのようになっているのか?と思いつつ、拝見する限りでは耐震補強のデバイス(PCケーブルなど)は見当たらなかったです。

主塔

 年代的にはリベット構造なのですが、主塔の中間には添接板がありますので、下から組み上げていきながらのステップが垣間見えます。

主塔直下の下部工

 主塔直下の下部工は、真ん中がアーチ状になっています。

耐風策

 真下まで進むことができたので、見上げてみると力強い光景です。割合と床版下面がきれいですね。補修工事が続いている様子なので、もしかしたら補修などの工事が終わったあとに訪問したのかもしれません。

 さて、補強などはどのようになっているか?と見ていくと、支承取替はしているようです。下部工ブラケットがあり、その上にジャッキアップ補剛材と思われる部材構成になっています。アングルを変えて見てみると支承部も拝見できました。
 側径間はコンクリ-ト橋であり、主塔直下の下部工上に段差防止構造が設置されていました。

支承取替に使ったと思われる下部工ブラケット
ジャッキアップ補剛材
既設構造はリベット、新設支承の取り付けはボルト

 補剛桁についても、剛性を高めるように?あるいは断面力の負担を補うように部材が追加されています。新しくGussPLが追加され、ボルトでの接合になっています。

補剛桁部分の補強

 お隣に新瀬戸橋がありますので、この橋については、どちらかというと維持させていくための補修・補強になのかもしれません。
 さて、吊り橋を拝見する楽しみといえば、アンカーレイジから伸びるワイヤーの部分です。後方側が狭いと橋を渡る前後でワイヤの下を通るので、その迫力が楽しめます。瀬戸橋の西側のアンカーレイジは良い岩があったのか???写真のように、まるで地山に取り付けているかのようです。
 主塔頂部のサドルはおそらく鋳物ではないかと思います。直下の補剛材はどんな風にモデル化していたのだろうか?と。そして左右の主塔をつなぐ綾材は箱断面の横支材の中へと入りこんでいます。これも現地での組立~リベット打ちは段取りが大変だったのではないかと思います。

西側のアンカーレイジ?
主塔頂部付近

 で、橋のことを書いてまいりましたが、実は浜名湖周辺でウナギをいただく旅のサイドストーリーでした。美味しかった。

うな重
静岡県道310号瀬戸佐久米線 新瀬戸橋