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南アルプス街道から見える早栄橋の耐震補強を拝見

 有効幅員が狭い橋は、市町村道で見かけることがあります。トラスや方杖ラーメンなどでは主構面の幅に対して構造的な高さがあるので、橋軸直角方向の耐震補強が増えがちかな?と思います。(個人的です)早栄橋も同様なのか、上揚力対策工と思われるデバイスが設置されていました。
 南アルプス街道を国道52号から北上すると、対岸に渡る橋が視覚に飛び込んできて、耐震補強にも視線がいってしまいます。
 橋の周辺の農道から河川敷に降りていけたので、割合と近くで拝見できました。

中間橋脚

 水平力分担構造としては、上部工・下部工からのブラケットで受け持たせるタイプとなっており、その断面力を受け止めていくブレース材の追加(改修?)が入っているようです。下部工ブラケットは、衝突部から下部工への断面力伝達のために、その形状設定に苦労されたのが伝わってきます。

中間橋脚 水平力分担構造・上揚力対策工
中間橋脚 水平力分担構造・上揚力対策工

 上揚力対策工の下部工ブラケットは沓座面に設置されています。水平力分担構造のすき間から拝見できました。

上揚力対策工の下部工ブラケット

 端支点の設置デバイスも気になるところですけもの道みたいなルートがあったので、こちらも拝見できました。

端支点部の上揚力対策工

 水平力分担構造は、横梁部の緩衝ピンが設置されていました。下弦材の下横構と緩衝ピンの部材の位置関係、コンクリート突起と横梁の位置関係はギリギリなので、設計される方も施工される方も緊張されたでしょうね。

端支点部の水平力分担構造