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ぎゃっぷママ乳がん治療日記 エピソード2〜組織検査の結果で恐怖に慄くも幽体離脱は続く

乳がん検診で乳がんが発覚した私は、県境を越えた大学病院で治療を受けることになった。

検診病院で受けた細胞診ではざっくりと悪性であることしかわかっていない。
がん細胞といっても一括りにはできず性格は様々。
その性格によって治療も変わるので、より精密な組織検査が必要だった。

年が明けて1月中旬の某日、検査の結果が出揃ったので結果を聞くために受診した。
私は相変わらず幽体離脱状態で、医師と電子カルテを前に座った時、まるで患者さんのカンファレンスに参加している心持ちだった。

「悪い知らせと良い知らせがあります」
神妙な面持ちで医師が口火を切った。
離脱した私:(ふむふむ、どんな感じでしょう?)
医師:「悪いお知らせは、非常に増殖が速いタイプだということです。」
   「良いお知らせは、ホルモン受容体陽性・HER2陽性なので使える薬がたくさんあるということです」
離脱した私:(ふむふむ…)
医師:「腋窩に転移も見られるので、手術より前に抗がん剤治療をしましょう。すぐに始めた方が良いと思います。」
離脱した私:(それはそうだよね。私も賛成です。)

その時、医師がプリントアウトした組織検査の結果が目に留まった。
ん?!
離脱していた意識がひゅっと本体の私と合体した。
MIB-1 が90%!!増殖しまくってる!!!
腋窩まで進んでいることはわかっている。
ということは、既にその先でも増殖しているのでは!?
体のあちこちでがん細胞の島が大きくなっていくイメージが脳内の映写機に映し出された。

医師:「抗がん剤、来週からで大丈夫ですか?」
私:「はい」
医師の声に、再び意識がよろよろと離脱していった。
医師:「曜日の希望はありますか?月曜から金曜で」
私:「できるだけ仕事を休みたくないので金曜日でお願いします」
医師:「わかりました。それから、明日PET検査してきてください。専門クリニックで。」
離脱した私:(やっぱり遠隔転移の可能性あるよね。遠隔転移があったら治療方針が変わるから急いで明日予約したのね)
医師:「抗がん剤のパンフレットをお渡しします。それと、副作用対策の薬出しておきますね。」

看護師さんから「抗がん剤のことはお分かりでしょうから、外来化学療法室の場所だけご案内しますね。」と一瞬のガイダンスを受け、院内薬局で大量の薬を受け取って帰路に着いた。

(脱毛するな…どうしよう)
                              続く

注釈
 MIB-1とは:増殖中の細胞の核に発現するKi-67というタンパク質に対するモノクローナル抗体。MIB-1で染色される率が高いほど細胞の増殖能が高い。
ただし、私の場合はHER2陽性乳がんなので、MIB-1インデックスの値は予後予測や治療方針決定に勘案されない。











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