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ぎゃっぷママ乳がん治療日記 エピソード1〜初めての乳がん検診で...

2015年12月上旬、私は初めての乳がん検診に向かった。

医療従事者の端くれなのに、恥ずかしながら乳がん検診に行ったことはなかった。
そんな私がなぜ、急に検診に行ったのか?
自己健診でしこりを見つけた? ・・・否!
数日前から虫の知らせ?風の便り?ピンとこないなぁ…
胸騒ぎ!そう、胸騒ぎがしたのだ。

検診は隣駅の病院を予約した。
最寄駅に着くと電車が止まっていた。
「電車が止まっていて予約時間に間に合わないのでキャンセルします」といつもの私ならニヤッとしながら電話したと思う。
でも、その日、私は必死で隣駅まで歩いた。

ぎりぎり間に合って受付へ。
オプションの超音波検査も迷いなく追加した。

先ずマンモグラフィ撮影。
放射線技師さんは女性だ。
挟まれる身は痛くて大変だが挟む方も大変そう。女性で良かった。
撮影後に技師さんの表情から何か読み取れないか密かに凝視するも感じ取れず。
少し待って超音波検査へ。
ここも女性の検査技師さんだった。

「えっ…」検査技師さんから小さな声が漏れた。
(あ〜見つかちゃったのかな…でも、まだわからないよね…)
「もうひとりの技師と確認することになっているのでこのまま少しお待ちください」
「(先輩らしき技師さんを呼んできて)これって…」
(ちょっと待って!がん告知ってこんな風にされるんでしたっけ?)

ここから、急転直下。
診察室から呼ばれ、「組織検査をしないとはっきりしたことは言えませんが、恐らく…組織検査も今日できますがどうしますか?」
すごく冷静に組織検査をお願いした。

組織検査の結果通告は数日後だった。
仕事が終わってからの時間を希望したら一番遅い時間を確保してくださった。

「お待たせしてすみません。大丈夫でしたか?」
女医さんの言葉がとても温かく聞こえた。
なぜか、ほっこりした気持ちの中で、乳がん確定通知を受けた。
「手術は少し先になるので、今日、日にちだけ決めましょうか?」

危うく流れに身を任せて「お願いします」と言いそうになったが踏み留まった。

がん告知を受けると”頭が真っ白”とか”目の前が真っ黒”になるのかと思っていたが、冷え込む夜道を歩く私は、ひどく冴え渡った頭で「職場に報告しなきゃ」と考えていた。

現実逃避のための幽体離脱の始まりだったのだと思う。

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