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僕は何一つはっきりと知っていることはない、でも星を見ると夢のような気分になる

ゴッホ・アライブに行ってきました。

いっときはゴッホの絵が1枚でも来日すると、できる限り企画展に赴いていましたが、最近は少し熱が薄れており、忙しさにかまけているうち2021年のゴッホ展は気づいたら終わってしまっており。。。
今回は通常の絵画展とは違うので、ちょっと迷いましたが、行って本当に良かったです。

時に壮大に、時に物悲しく、軽妙な瞬間もあるクラシック音楽に包まれて、代表作が文字通り光り輝きながら四方八方から照らし出される様は「没入型展覧会」の名通りでした(アロマが焚かれているという「嗅覚」の部分は残念ながら私にはあまり感じられませんでした)。

映し出されるゴッホのことばたちが、さらに彼の人生への理解を深めてくれます。
記事タイトルはそのうちの一つです。

ローヌ川の星月夜
水面がゆらめく効果で煌めきが強調されていました

この絵は以前国立新美術館で20分も30分も眺めていた思い出の絵です。
その時はなぜかとても空いていて、絵の前にあるベンチに腰掛けてずっとずっと眺めていた時の、安らかな気持ちを思い出しました。
この会場はとっても混雑しているのに、雑念がほとんど湧いてこないです。

特に感動し、そしてなぜか安心感に包まれたのが、ゴッホの友人たちの肖像画が次々に映し出されるシーンでした。

とても共感した一節でした
彼の人生に寄り添った人々の肖像画が
サティのグノシエンヌにのって現れては消えます

ゴッホといえば短い不遇の生涯、悲劇的な最期というイメージですが、友情に支えられ、友の存在に喜びを感じ、多くの肖像画を残していたことが短時間に見事に表現された瞬間でした。決して孤独ではなかったのだ、と。
こうして、ゴッホの自画像と共に時を超えて一堂に会することができるなんて、モデルをしていた彼らは夢にも思わなかったのではないかな?と思います。

「アルルのフィンセントの部屋」再現
ミリエ少尉の絵がかかっているバージョン
どうやら絵は何度かかけかえられているようです

肖像の中ではミリエ少尉の「恋する人」が一番好きです。
なんといっても日本語訳が絶妙です!

ネットでは見つけられなかったのですが以前現物を見た時「アルルのすべての女をものにする男」とゴッホが記していたというような解説があったと記憶しており、自分にはないものへの憧憬、一番はゴーギャンの存在であったのは間違いないと思いますが、そういうものがアルル時代に溢れているなぁと再発見しました。

ミリエ少尉の肖像は3点あるそうです

大変混雑していましたが時間を忘れて2時間近くいてしまいました。。。
3000円の入場料は高額に思えましたが、鑑賞後はむしろお値打ちに感じられました。

東京展は3月31日まで
その後福岡でも開催されるようです

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