見出し画像

自分史⑥《独立中期〜:会計について》



独立開業は無人島で生活するようなもの

雇用されている時と圧倒的に異なるのは、『数字の管理を自分でしなくてはいけない』ということです。雇用されていれば、毎月のお給料が保証されています。ですが、独立すると自分のお給料は保証されません。お金が人生の全てでは無いと思っていますが、それでもやはり、お金がないと生活していくことができません。私の場合は、独身で親元も離れているので、自分で生活する分は自分で稼いでいかなくてはいけません。明日、稼げるかもわかりません。私は独立当時も今も、『(独立することは)無人島で生活するのって、こんな感じなんだろうな〜』と思っています。まさに、サバイバルでしかないです。もちろん、同じ独立でも置かれた環境によって随分違うかと思います。生活費をフォローしてくれる家族がいたり、開業する場所が自分の持ち物であったりしたら、ずいぶん心持ち楽だと思います。逆に、家庭を支える大黒柱の方が独立するのは、私のような独り身が独立するよりもはるかにすごいことだと思っています。そんな方を何人も知っているので、本当に尊敬しています。
私は20代の半ばで開業をしたわけですが、正直このころは自分で稼いで生きていくことの大変さよりも、自分のお店を持ちたい!というどうしても譲れない気持ちが優先して、独立の道に進みました。もし、30代も後半に差し掛かった今に同じことをしようと思ったら、なかなかそんな決心はできなかったのでは無いかと思います。20代前半くらいから、たくさんのビジネス書を読んできましたが、いずれにも『若い時にやるべし!』ということが書かれていました。その言葉に推されて開業したようなものなのですが、今、私も全く同じことが言えます。あと先のことを考えずに、自分の心に突き動かされるものほど、強いものはないと思います。


お店の会計について

少しはじめの主題と脱線してしまったので、ここで戻します。数字の管理の話です。私は税理士さんをつけずに、自分で確定申告をしています。もちろん税理士さんにお願いできればそれに越したことはありませんが、結局、誰かにお仕事をお願いすると、それだけのコストがかかる=その分、自分が稼がなくてはいけなくなります。そこを念頭に『やりたくないことは他に任せて、その分本業に邁進する』か、『とりあえず自分でやってみて、どうしてもできなかったらお願いする』か、の選択になるかと思いますが、私は本業以外のことを全て外注すると、とんでもない費用になると薄々気づいていたので、常に後者の選択でいます。その結果、常にやらなくてはいけないことばかりですが、その反面、経営するということの全体が見えるようになった気がします。当たり前のことですが、経営するということは、お客様に喜んでもらえるサービスを考えることはもちろん、それを数字に落とし込まなくてはいけません。…なんてかっこいいことを言っているようですが、これは10年以上やっってきても未だ答えがわかりません。いつも数字をいろんな角度から見ながら、常に改善を繰り返している、そんな状態です。でも、きっと答えはいつまでも見つからないし、見つかってもすぐに変わってしまうものだと思っています。

日々と月の数字管理

私の数字の管理は、お恥ずかしながらきっとものすごくシンプルなものだと思います。というのも、『とりあえず自分でやってみる』という選択をしているので、数字管理以外にもやることがたくさんあります。なので、あまりにも難しい管理の仕方をしてしまうと他の仕事ができなくなってしまうので、なるべくシンプルにしています。というわけで、私の管理のしかたは、主に2つのスプレッドシートです。開業前に読んだ、独立開業の本を参考に作った日計表と事業用口座の計算表です。日計表は月毎にシートを作り、行に日付を、列はメニューの大まかなジャンルを記入し、売上を入力していくスタイルです。事業用口座の計算表は、売上から各種経費を引いて経常利益を簡単に計算するためのものです。1年単位を1シートにしており、口座残高が可視化できるようにしています。10年前は、個人事業主ではクレジットカード決済を行うことが難しかったのですが、近年ではPOSレジアプリを使用して簡単に利用できるようになりました。私が使用しているのはスクエア社のもので、日計はもちろん、月計や年間売上のレポートも簡単に計算することができます。なのでわざわざスプレッドシートに打ち込む作業は必要ないのかもしれません。ですが、私の性格上、スプレッドシートで全体で見えないと理解ができないのです。まぁ、昔からそうしているから、それに慣れてしまっているのが原因かもしれませんが…。
ちなみに使用しているのはエクセルではなく、googleスプレッドシートです。近年ではほとんどのアプリケーションがサブスクリプションになってしまったので、なるべく無料で使用できるものを使用しています。サブスクも、チリツモでいろんなサービスを使用していると、それだけで結構な金額になってしまいますからね…。サブスク利用は、本当に必要なものしか契約しないようにしています。


確定申告

日々と毎月の数字管理は、以上のような感じです。個人事業主ですと、自分で税金の申告をしなくてはいけません。それが毎年の確定申告ですが、これも私は当初からずっと自分で行なっています。とはいえ、私は商業科を出たわけではありません。でも開業前の雇用されていた時、『独立開業の仕方』の類の本を読み漁っており、そこで『独立開業するには確定申告をしなくてはいけない』ということを知り、その時に独学で簿記を勉強しはじめました。せっかく勉強するなら、ということで試験も受けたのですが、滑りました(笑) いやはや、当時の勤めは深夜シフトも残業もあった中で、簿記合格はなかなか難しかったです…。そして、電卓を叩くスピードも…。でも、簿記の大まかなことは頭に入れることができたので、まぁよしとしました。そんなわけで、少し知識を入れた中での帳簿付と確定申告だったので、そんなにハードルは高くなく。さらに、最近では素晴らしい会計ソフトもあります。私は当初より弥生会計のソフトを使っていますが、当時は『借方貸方』がわかっていないと入力が難しいものでした。ですが、今の弥生会計は簿記がわかっていなくても簡単に入力ができる&クレジットカードや口座を連携させることで自動入力もされて、かなり手間を省くことができるようになりました。なので、今だと私のように簿記を勉強しなくても、誰でも簡単に帳簿付ができるようになったと思います。
逆に確定申告の方法について…。コロナ後に申告が急にデジタル化をし始めて、ここ数年、毎年勝手が微妙に違っていて混乱しています…。デジタル化って便利なようで、アップデートに適応していくのもまた大変です…。
あとは日本の社会保証の制度について。会社で勤めていると、払う税金や社会保険料に関してあまり何も考えずでしたが、個人事業主になると嫌でも考えるようになります。あんまり嬉しくない発見ですが、日本で生きていくことのルールを、身をもって知ることができるきっかけになったなと思います(笑)


独立することで必要な数字メンタル

独立向きか、そうではないかの最大のポイントは、やはり『数字メンタル』だと思います。正直、数字なんて思うようにいきません。出費に関してはある程度コントロールできますが、売上に関しては完全にコントロールすることは、できるわけがありません。明日予約が入るかどうかなんて、誰もわからないわけです。しかし、結果として売上がないと自分の収入がなくなります。もうこれは不安でしかありません。それに耐えられるかどうかのメンタル、もしくはその不安を超えるくらいの独立願望がないと、独立は苦しいと思います。
私の場合は、雇用されている状態がなにより苦しかったので独立しました。自分がやりたいように仕事がしたかったので、独立しました。もちろん数字の不安もありますが、それよりも雇用されることのが苦しかったので独立を選択しました。結果として、やはり一定の周期で数字の不安がやってくるのは間違いないです。でも、人生で初めて、3年以上同じ仕事を継続することができています。独立する前は、2年くらいがMAX…それ以上はストレスで続けることができず、職を転々としていました。なので結果として、私は独立する方のが性分に合っていたようです。
いい時は一瞬、どちらかと言えば苦しい時のがほとんどですが、その苦しい時を踏ん張れるか。経営も東洋医学の陰陽論と全く同じで、いい時があれば悪い時もある、その逆もしかりなので、それを信じて踏ん張れるかどうか、それだけだと思います。十数年やってても、毎度わかっているのにまだまだ不安になりますけどね(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?