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【 腎 : 泌尿器だけではなく、生殖器のはたらきをも備える 】

今日は東洋医学のお勉強…
五臓の最後のひとつ、『腎』のはたらきです。

腎も、少し不思議な考え方をする臓腑です。
本来、腎臓は尿を作るという、泌尿器に属する臓器。
なのですが、東洋医学では、生殖器のはたらきをも兼ねています。

腎は主に、腎精(先天の気)という『気』を養います。
腎精とは、両親から受け継いだエネルギーと、食事から得たエネルギーで産生されるもの。
腎精は体の発育に関わり、不足してくると老化に繋がります。
腎精は補われることなく、年を取るとともに減少していく気です。
対して、食事から得る気のことを『後天の気(栄気)』といいます。
栄気は、この精気の消耗を補う気です。
精気。いわば、命のエネルギータンクのようなものですね。

また、精気は生殖機能と非常に深い関わりがあります。
女性の場合、精気が不足すると生理の乱れや不妊に繋がります。
生きることで重要な精気を蓄えることが、腎の重要なはたらきのひとつです。
女性は49歳前後で更年期の症状が現れ出し、閉経に向かいますが、これは腎精が減少して起こる現象のひとつです。

腎の調子は、生殖器以外に骨や歯、耳、腰、髪などに現れます。
腎精が不足すると、まっ先に変化の出る部分です。
例えば不妊、歯が抜けたりグラグラしたりする、白髪、脱毛、耳が遠くなる、足腰が弱るなどの症状がそれに当たります。
いわゆる老化現象がそれに当たります。


恐怖で起こる感情は、腎を傷めます。
怖がったとき、よく『腰を抜かす』といいますね。
腎は腰にリンクしていますから、これも東洋医学的に説明のできる表現です。

は腎を痛めやすい時期。
耳にたこができるほど『腰を温めるように』というのは、そういうわけなんです。


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