あの日あの時

もう50年ほど前になるだろうか、世田谷の岡本へ引っ越してからバスに乗って事務所まで行くようになった。そのバスは朝7時何分かに最寄りのバス停を出る。だから朝6時に起き、身支度をしてから朝ごはんを大急ぎで食べなければならない。早食いは得意だが、朝の早食いはあまり好きではない。が、食べなければならない。食べないと昼までに腹が減る。で、毎朝駆け足で家を出てバス停へと向かう。これが当時のバスはきっちりと時間通りには来ない。早く来たり、遅く来たりだ。ともかくそのバスに乗り、確か中目黒駅まで行く。そこから電車で六本木駅まで。そこから徒歩で5分ほどのところに事務所があった。8時30分までに出勤するのが習いだった。どのような道を通って中目黒駅まで行っていたのかはもう忘れているが、パス停で来るバスに乗るという一大作業は今でも覚えているということは、自分にとっての大きな事件だったのかもしれない。

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