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BELIEVE

※「BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち」を鑑賞して書いたものです、ネタバレも含みます

※忘れないように急いでメモしたものなのでまとまってないし長いです、映画の概要を細かく知りたい方、上手い文章を読みたい方は回れ右でお願いします


◯タイトルについて

「信じる」と口にするのは簡単ですけど、本当の意味で信じるのって、難しいことなんですよね。
人間やっぱりどこか不安にもなるし、常に揺らがないでいられるわけではないじゃないですか、わりと自信のある人でもね。
でも、ドキュメンタリー中で何人かの選手が語っていたとおり、ただとてつもなく高い理想の達成を信じることを誓わせるのではなく、『どの国よりもハードに練習して、全員が一つの目標のために努力を重ねてきた事実があるからこそ、自分自身やチームメイトを100%信じることができる状況』を作り上げたところに、トムさんの名匠たる所以を感じました。もちろん、それに一人残らず着いて行った選手・スタッフ陣も凄いですよね。
そんな人たちだったからこそ、観ている人の心をこんなにも揺さぶり、奇跡を起こせたんだよな…と。


◯W杯が始まるまで


W杯が始まるまでは「アジア1位」とか「パリ五輪自力出場」を心の底から信じられていたかと問われると、それは「No」でした。
直前の強化試合ではかなりギリギリまでメンバー選考が続いており、世界へのリベンジに燃える#6比江島慎選手(最も応援している選手)が最終メンバーに残ることができるか、という不安がほとんどを占めていた中、#24ジョシュ・ホーキンソン選手が負傷のため出場できない試合があったり、#12渡邊雄太選手が負傷したり…。パリ五輪どころか、W杯をまともに戦い抜けるのだろうかと、本当に低い次元で臆病になる日々を過ごしていました。

そんな中、#12渡邊雄太選手が「W杯で成績を残せなかったら代表から退く」という主旨の発言を残したことは、あまりにも印象的でした。NBA選手としてのキャリアもありながら、相当な覚悟を持って怪我を抱えた身体で死力を尽くそうという決意に震え、ネガティブな考えばかりを過らせていた自分がいかに失礼なことをしているか、と思わせられました。

また、作中でのトムHC、#30富永啓生選手の「underdogが好き、燃える」という発言も心に残っています。外から見ている以上に彼らは燃えていて大番狂わせを誰よりも信じていたのだと、はっとさせられました。


◯ドイツ戦


「2ヶ月ほとんどをドイツ戦に照準を合わせて費やした、だからこそ本当に勝ちたかったし、勝ちにいっていた」と語ったのはキャプテン#2富樫勇樹選手。
佐古賢一さんも言及しておられたとおり、この試合の後は「今までと同じパターン」だと感じてしまったし、その事実すら"そりゃあそうか"と納得してしまう自分がいました。
それだけの準備を詰んだドイツ戦で勝ち星をあげられなかった中でも、#5河村勇輝選手(だけではない)は着実に世界に対応し、世界から学んでおり、チームとしても誰一人自信を失っていなかったことがわかりました。


◯フィンランド戦


ドイツ戦に比べると前半善戦したものの、4Qで18点差をつけられてしまった時は「やっぱり…」と感じてしまいました。(つくづくネガティブな自分が嫌になりますね!)
インタビューで選手たちが口を揃えて語っていたとおり、チームはあの状況で誰一人諦めていなかった。
これは何度でも言いたいですが、ほぼフル出場の#12,#24が繋ぎ続けてくれたこと、#18馬場選手のスピード等それぞれの頑張りがあった中で、22歳コンビの覚醒により一気に巻き返し、フィンランドを突き放して勝利となりましたが、""前半を致命的な点差をつけられずに終われたこと""が勝利の為には大きかったと感じます。
最年長#6比江島慎選手が、なんとか繋ぎ止めてくれたのです(推し贔屓?なんとでも言ってくださいな)。チームとして1本目の3P(しかも4点プレー)を決めたときの表情は、完全にスイッチオン島慎でしたよね。その後彼がリングにアタックして2ショットをもらった場面、チームメイトに起こされながら「あ〜決めれた(のに)!」と口元が動いているように見えました。ハングリーになっている最年長が本当に頼もしかった。後半に入って点差的に苦しい場面を打開し、チームに火をつける3Pを決めたのも、#6比江島慎。序盤は固かった表情もインタビュー後半になるにつれてゆるふにゃしていましたが、ひとたびコートに立つと、ベテランとしてのあるべき姿をしっかりとプレーで見せつけてくれました。

日本男子バスケの歴史を大きく変えた一戦。信じてきたことが形となり、世界への一勝に選手たちが流した涙は、本当に美しかったですね。


◯ベネズエラ戦

「技術で言うと日本で一番上手い、彼をノせたら誰も止められない様子を見てきた、でもなかなか彼のスイッチが入ってくれない…」と悶々としていたことを語った#12渡邊雄太選手や、誰よりも長く代表で戦ってきた最年長に「まことありがとう!」と笑顔を見せた#2富樫勇樹選手が言うように、4Q怒涛の3P成功でチームを救った#6比江島慎選手の力は大きなものでした。
しかし、出場時間が短くとも、ベンチから鼓舞したり、見えていることをコート上の仲間に伝えたり、全員が自分にできることを、チームのために徹底できたからこそ得られた逆転勝利だったのだと、選手たちの声を聞いて改めて実感しました。これがチームスポーツなんですよね。


◯カーボベルデ戦

トムHCもこの試合の4Qが「一番ヤバかった、大変だった」と表現していましたが、なんとか勝ち切れた試合、という印象でした。#91吉井裕鷹選手の「うまくいかない時間帯、相手にうまくいなされる時間が出てきた、この試合が終わるまでに我慢した先(の報い)はないのではないかと思った」など、試合中の苦しさを赤裸々に語ったコメントが多く使われていた印象です。(これベネズエラ戦でのコメントやったかな?うろ覚え)
#5河村勇輝選手も「これまで追いかけられる展開が少なかった」ために、難しさを感じていたことが窺えました。ところで彼、試合を重ねるたびに「速く」「巧く」なってましたよね。ドイツという大きな壁にぶつかって以降、体験から少しずつ吸収して大会中に物凄い伸び率で成長していたのではと感じます。

また、試合後に日本国旗を持ちながら「行くって言ったやろ!パリ行くって言ったやろ!」と笑顔で叫ぶ#12渡邊雄太選手の言葉に涙が溢れました。
インタビューでも「勝てない選手が長くいても仕方ない、それなら10年後を見越して早く世代交代した方がいいと思っている」と語っていたものの、本心では長く日本代表として戦いたかったのだろうし、このセリフには切符を手にした嬉しさの中に安堵も感じられ、思わず涙してしまったシーンでした。


◯おまけ(無駄に長い&中身のない箇条書き)

・感動の瞬間を映画を観ながら再体験できて最高やった
・オーストラリア戦割愛してごめんなさい(理由はない)、当時はあのクックスさんが日本でプレーするとは思わんかったよな…ニックケイさんは相変わらずであった
・ベンチ盛り上げ隊(#19, #75, #99)、出番の来ない悔しさは勿論ある中で、そのような自分の感情はさておいて、チームのために尽くすことができるあなたたちは本当に強くてかっこよかった
・佐々ACが映るたびに恋しさに心臓ぐちゃぐちゃ(私情)
・佐古賢一さんの「お前たちだったのか」にぐっっっっっっっっっっっとこざるを得ない
・まこまいきのいちゃいちゃ(?)をそこそこの尺で採用する製作陣

・#2 「トムさんがキャプテンに求めるレベルは高く、考えることが多かった」と語っていましたね。チームメイトが自信を持ってプレーできるようにと試行錯誤を重ね、リーダーシップをとってくれてありがとう。頼もしいキャプテンです。
・#5 大会中にもメキメキ成長し、若手らしからぬ落ち着きでビッグプレーを連発してくれてありがとう。これからも末長く日本代表を引っ張る存在に違いない。よろしくお願いします。
・#6 圧倒的経験値とスターパワーをあの大舞台で発揮するあたり、本当に"らしい"なと感心します。そんな最強ベテランプレイヤーにも関わらず、泥臭いところこそ手を抜かず、プレーでチームを引っ張ってくれてありがとう。パリで終わりにしてほしくはないけれど、納得のできる最高の集大成を迎えてほしいなと思います。
・#12 負傷している身体にムチをうって、毎試合ほぼフル出場しながらもチームを救い続けてくれてありがとう。NBAと代表の両立は本当に大変で、余程の決意がなければできないことだったと思います。今年の夏も、日本を引っ張る渡邊雄太でいてくださいね。Bリーグではお手柔らかに!!汗
・#18 強化試合の段階では持ち味が出しきれていないことも多かったように感じます。それでも本番ので自分の強みを存分に生かしてチームを盛り上げるスティールや、速攻からのダンクを大会中に何度見たか。フィンランド戦「あれはようパス出しましたねぇ」と#6が感心していましたが、あのシーンに限らず終始頭は🆒、心は❤️‍🔥でしたよね。ありがとう。
・#19 本職でないPGの役割を与えられ、難しい大会だったのではないかと思います。出場機会がそれほど多くない中でも、出場すれば空気を変えようという想いをもってプレーしていたとインタビューでも語っておられたとおり、プレーから伝わってきていましたよ。ありがとう。
・#24 ほぼフル出場にも関わらず、攻守ともに日本を救い続けてくれました。ありがとう。カーボベルデ戦後「明後日試合ないですか?」と疲れ知らずの発言でこのチームの終わりを悲しんでいた様子が浮かびます。パリでも絶対にあなたの力が必要です、よろしくお願いします。
・#30 ドイツ戦こそ徹底マークを受けて思うようにいかなかったものの、フィンランド戦では間違いなく射程距離のおかしい3Pが効いていたし、何より怖いもの知らずのメンタルがチームへの刺激になっていたことでしょう。ありがとう。これからもズッ友と共に日本代表を引っ張っていってほしい。
・#31 プレータイムがそれほど長くない中、試合後に「自分にというよりみんながチームにフォーカスして戦えたのが良かった」と、きらきらした瞳でコメントしている姿にぐっときました。コート上での貢献だけではなく、仲間は練習から外国籍級の強烈フィジカルを体感できて助かっていたはずです。ありがとう。
・#75 ベンチにいる時間は長かったけれど、チームを盛り上げ、鼓舞する姿勢を一試合たりとも変えなかったですよね。本当に強いと思いました。ありがとう。まだまだ若いスリーの得意なビッグマン、あなたも今後の日本バスケを先導する存在となってくださいね、よろしくお願いします。
・#91 俺ら雑草魂!どんな相手でも常にハングリー精神を全面に出してぶつかってくれる頼もしさ。ありがとう。体を張ることを全く厭わず、感情を露わに戦う姿にいつも心を打たれます。
・#99 #6のメンター()だけでなく、ムードメーカーとしてチームの潤滑油的役割を果たしてくれていたように思います。「リバウンドは命懸けてやってますね」という発言もありましたが、出場すれば泥臭いプレーこそやり抜き、#24を休ませている間しっかりと仕事をしてくれていました。ありがとう。

・トムHC 日本男子バスケを誰よりも信じてくれて、ありがとう。パリ五輪も目標を達成できると信じています。

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