市絛 三紗 (いちじょう みさ)

ケルト文化研究家  ここ数年、コロナ下の行動制限でどこへも行けない日々が続いていました。 愛してやまないフランス・ブルターニュの魅力を綴ってゆきます。 現在日本在住。 *掲載されている文章および写真の転載はご一報ください。

市絛 三紗 (いちじょう みさ)

ケルト文化研究家  ここ数年、コロナ下の行動制限でどこへも行けない日々が続いていました。 愛してやまないフランス・ブルターニュの魅力を綴ってゆきます。 現在日本在住。 *掲載されている文章および写真の転載はご一報ください。

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最近の記事

ファッションデザイナー、パコ・ラバンヌ氏がブルターニュの自宅で逝去。翌日自宅が空き巣被害に。

海辺の家でゆったりと余生を過ごす La mort de Paco Rabanne, couturier autodidacte et pionnier de la mode TF1info  オートクチュールデザイナーとして1960年代からきらめきを放ったパコ・ラバンヌ氏(Paco Rabanne)が2023年2月3日にブルターニュ北西部の自宅で亡くなった。88歳だった。  ブルターニュをこよなく愛する有名人は多いが、パコ・ラバンヌ氏は20年以上前からプルダルメゾー 

    • 画家たちが憧れたブルターニュ展、国立西洋美術館とSOMPO美術館で3月から開催

      3月から開催されるブルターニュの展覧会   ちょうどほとんど同時期に東京の2つの美術館で下記のような展覧会があります。近代絵画史に「ポン゠タヴェン派」そして「ナビ派」誕生のきっかけとなったブルターニュの魅力をたっぷり楽しんでいただけるます。 ブルターニュって何のこと?  今年の春はブルターニュづくし。「ブルターニュて何?」と思っている方もいると思います。ブルターニュは地方名です。何処の国にあるのかというとフランスです!  パリのモンパルナス駅(Gare Montpar

      • フランスで定年改革法案に反対する抗議デモ。交通機関に影響あり

            1月31日、定年改革法案に反対する抗議デモやストライキが実施されました。2月6日に審議が始まる年金の受給開始年齢が現在の62歳から64歳に引き上げる法案に、国民の反発が続いているためです。  内務省によると計127万人以上が参加したそうです。 1月19日に続き2回目で、参加者数は少し増加しています。     ストにより飛行機、鉄道、バスなどの交通機関は間引きされ、日本では考えられない学校などの公共サービスも停止。抗議行動は2月7日と11日にも予定されています。

        • 雪降る冬のパリで vol.3

          パリで短期留学  参加した語学ツアーには2つのグループが混在していた。1ヶ月の短期留学と6ヶ月以上の長期留学だった。短期留学グループの参加者はフランス語を専攻している女子大学生がほとんど(男子学生も数人)で、長期留学グループは年齢も職業も様々だった。部屋は2人部屋で、多分朝食はついていたと思う。  パリ6区の学校にはフランス人の先生しかいなかったから授業はフランス語のみで行われた。昼食は学校内にあるカフェで食べた。その時先生たちがお昼からグラスワインを飲んでいることに日本

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        • #ブルターニュ情報 まとめ
          4本

        記事

          『グリーン・ナイト』 The Green Knight 映画レビュー

           昨年7月にアメリカで公開された映画『グリーン・ナイト』(The Green Knight)。wikiによると製作費1500万ドルに対して、興行収入は2000万ドルとヒットしているし、平均評価8/10というから楽しみだった。日本では昨年11月25日から公開。近くの映画館で封切りになったのでワクワクしながら出かけた。先入観を持たないよう予告動画も見ていなかった。 原作は作者不詳の騎士物語  私はフランスで購入した絵本『サー・ガウェインと緑の騎士』を読んでいた。トールキンの物

          『グリーン・ナイト』 The Green Knight 映画レビュー

          ブルターニュ幻想旅行 NIGHT LAND vol.31 エピソード

           2022年晩秋、思いがけない連絡があった。2003年3月に実行した「フランス・ブルターニュ7日間の旅 ケルト・アーサー王・妖精『世界妖精展』を訪ねて」について、雑誌『ナイトランド・クォータリーvol.31』に掲載することになったという。この号はアーサー王についての特集になるそうだ。 *『ナイトランド・クォータリー vol.31 』 往方の王、永遠の王〜アーサー・ペンドラゴンとは何者だったのか 2023年1月13日 発売開始  見本誌が届いたのだが、浅尾さんの「フランス・

          ブルターニュ幻想旅行 NIGHT LAND vol.31 エピソード

          Bonne Année 新年おめでとう

           あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。  写真の上からブルトン語(ブレイス語)、ガロ語、フランス語で新年おめでとうという意味です。全然違いますよね。ブルターニュにはフランス語以外にケルト語族のBreton ブルトン語(ブレイス語)があるのですが、実はもう一つGalloガロ語という言語も存在します。(ガロ語はラテン語のくずれたもの。ケルト系ではありません)Galloガロ語について、私も実際にブルターニュで暮らすようになるまで知リませんでした。  

          雪降る冬のパリで vol.2

          金色と白銀の世界   宿泊場所はパリ北西部。路線図を握りしめ、恐る恐るメトロに乗ってパリ中心部へ出かけた。コンコルド広場にはエジプトのオベリスク、その向こうにはエッフェル塔の姿もあった。とにかくスケールが大きい。  フランス革命時、ギロチンが設置され、国王ルイ16世やマリー・アントワネットが処刑された場所だ。歴史が大きく動いたこの広場に立っていると訳のわからない感情が込み上げてきた。  滞在期間はわずか1ヶ月なので躊躇している暇などない。フランス語学校に通いつつ、とにか

          雪降る冬のパリで vol.1

           ブログを長期間、ほぼ毎日書いていましたが、その後何年も中断していました。なぜ、フランス・ブルターニュに惹かれ、暮らすことになったのか、改めて振り返ってみたいと思います。 雪の結晶は六角形  20代前半、ひどく体調を崩した。だんだん食欲が落ち、脂っこいものは喉をとおらない。味噌汁や酢の物でご飯を流し込む。キーボードを叩いていた右手は腱鞘炎が悪化し指の曲げ伸ばしもままならない。お箸も持てなくなり左手でご飯を食べたり文字を書く練習をした。毎日マッサージや鍼治療に通いながら仕

          柔らかな光に包まれるブルターニュのマルシェ・ドゥ・ノエル

           12月のフランスは街全体がイルミネーションで飾られ、夜になっても人通りが絶えることはありません。各地でマルシェ・ドゥ・ノエル(Marché de Noël、クリスマスマーケット)が開かれます。フランス国内ではストラスブールなどアルザス地方のマルシェ・ドゥ・ノエルが有名ですが、ブルターニュでも人気があります。  街の中心広場に、かわいらしい小屋が設置され、キャンドルスタンドやツリーを飾るオーナメントといったクリスマスの雑貨や、食べ物、ホットワインなどが売られています。 レ

          柔らかな光に包まれるブルターニュのマルシェ・ドゥ・ノエル