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一生懸命な姿をみると背中を押したくなる

大層な話ではない。靴が好きな娘は、帰宅すると私の靴をひとしきり履いては玄関に散らかすというルーティーンがある。

それが朝学校へ行く前のときもあるし、ときには休日の昼のときもある。
いずれにせよ、大人の靴を履き、カラカラと踵を鳴らしたり、玄関の靴を並べ替えたり、明日はどんな靴をはこうかなー♪と楽しそうに独り言を言ったりしている(学校のシューズはスクールシューズと決まっているのに)。

昨日は夕飯後にやりだした。外に履いていく靴をべたべた触って欲しくないし音は響くしで何度やめてと言ったか分からない。
しかし一向にやめる気配はなく、怒ることにも疲れたので最近は半ば諦め好きにやらせている。

昨日はその間、私と次女は風呂に入ることにした。

その間もカラカラとんとん、履いては狭い玄関を歩き回っているようだ。

突然「ママー、はるちゃんこの靴ふきふきしたい」
と聞こえたので、
ウェットティッシュで拭いていいよ!と風呂場から声をあげた。

風呂から上がるとまだ娘はふきふきしている。

見ると、靴の裏まで一生懸命拭こうとして、溝の土の汚れをどう取ろうかと苦戦しているのだった。

(表面の泥を取るくらいだと思ってたけど、裏も綺麗にしたいのか)

あまりに一生懸命なので、助けてあげたくなった。靴を綺麗にする姿勢はめちゃめちゃ褒めてあげたい。

「はるちゃん、それだとなかなか取るの難しいよね。おいで、靴の洗い方みせてあげる」

靴を洗うブラシを持ってきて、風呂場で洗う。
ゴシゴシゴシゴシ…溝の土も綺麗さっぱりに消えていく様子をみて、娘は「わーーきれい、すっご!」と目をキラキラさせた。

「靴さんも喜んでるねえ。」と私が言う。
「うん!気持ちいいーって言ってるかな?目はどこかな?」

目はどこって、そんな発想なかったなあ。子供のやわらかい発想には癒される。

「靴を大事にしてえらいねえ。」

「かして!はるちゃん自分でやる」

そう言って30分くらいだろうか、右足と左足の両方の靴をピカピカに洗ってみせた。

「明日かわくかなあ??」
「うーん、どうだろう。靴はね、お日様に当てて乾かすんだよ」
「でもこうやって新聞を丸めて靴さんに詰めたら、早く乾くかもしれない」

ぐしゃぐしゃぐしゃ、ぎゅっぎゅっ…

「はるちゃんもやる!……できない、やって」

そんなやり取りをしながら、正味1時間くらいかけて作業をやり遂げた。
我が娘ながら、気分屋というか、こだわりというかやる気を出すと集中してやり遂げる。
調べてないけど、たぶん夫と同じB型だろうなあとくすりと笑う。私が人目を気にしがちな人間だからか、本能的に動く人がすきなのだ。

娘が寝た後、ぐっしょりと湿った新聞紙を新しいものに取り替えた。

明日の朝、乾いてるといいね。

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