見出し画像

【奈良旅2日目③】日本人の心の故郷、明日香村と万葉文化館

コインパーキングで少し仮眠を取ってから、明日香村へと向かった。明日香村は6世紀半ばから7世紀終わり頃に栄えていた地域。その後は藤原京(694年〜710年)、平城京(710年〜784年)、長岡京(784年〜794年)と北上しながら目まぐるしく変わっていったが、一時は実質の日本の首都だった場所だ。そのため明日香村は「日本人の心の故郷」と呼ばれており、数少ない古都保存法対象地域にもなっている。

明日香村(2024.4/11)

ここまでとってつけたようなハリボテの調べを披露したのは、実際に明日香村の中を走っていて、思わず車を止めて見入ってしまう景色があまりに多かったからだ。明日香村の景観に驚かされ、後から調べて村全体が保護区域になっていることを知った。

地図で見たときに古墳や古跡が多かったので、歴史の面影が色濃く残っている地域であることは予想していた。が、実際の景色は想像以上だった。ビルやマンションのような高い建物は見当たらず、コンビニやスーパーは瓦屋根で作られるほどの徹底ぶり。視界を占める色は圧倒的に緑が多く、小山に畑、小川など、どこまでも牧歌的で穏やかな風景が続く。脇道にはレンタルサイクルで走る小学生があちこちにいた。修学旅行にしては時期が早い。近隣の学校の遠足か課外学習だろうか。

明日香村北部にある万葉文化館は万葉集をテーマとした博物館。常設展はなんと無料で入場することができる。訪れる前は小規模な古い文化センター的な施設を想像していたが、平成13年に建てられたという建物は綺麗で大きかった。

常設の万葉ミュージアムは地下にあり、万華鏡のような鏡張りのトンネルをタイムスリップするように進むと、古代の暮らしが再現されたエリアが広がっていた。音や映像、人形、出土品など、急いで回ってもそれなりに時間がかかり見応えは十分。これで無料開放されているのは率直にすごいと思った。

まだまだゆっくりと見て回りたい気持ちはあったが、時間の都合上ゆっくりはしていられない。雄大な閑に包まれた明日香村に対してあまりに無粋なあくせくを恥ずかしく思いつつ、次の目的地である長谷寺へと向かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?