バイトしながら窓を眺めていた
「また明日ね」
学校に行ったらそう言って手を振るのが当たり前だった
今、窓から眺めてる高校生は「また明日」を言えない
学校に行っても感染防止で無駄に話すことが許されない
卒業式も短くなった
後輩には会えなくなった
部活動は無期限の休みになった
3送会で先輩に会えなくなった
引退試合もなくなった
2年半の努力は形に残せなかった
彼らに与えられた青春は
家の中でしか過ごすことができず
それでも時間は残酷で
刻一刻と卒業までのカウントダウンを進める
大人が政治に文句を言ってる間も
行き場の無い思いを
「しかたない」
と言って飲み込むしかない
「今が1番楽しかったはずなのになあ」
高校の始業式から帰ってきた弟の呟きに
私は返す言葉を見つけられなかった
どうか少しでも早く平穏な日常が戻りますように
「また明日」の言える当たり前の日々が訪れますように
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