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ジブリ作品内のクリエイター達による4つの金言

ジブリ作品とともに

僕は、ジブリ映画とともに、成長してきました。

1984年の「風の谷のナウシカ」~2012年「風立ちぬ」まで、僕が幼児~社会人新人まで、ジブリ映画は、僕の幼少のころから大人になるまで、いつもそばにいました。

(本当は、ジブリ作品はもっと前にもあるのだけれど、宮崎駿監督の出世作「風の谷のナウシカ」発表を最初としました。ジブリファンの方、ごめんなさい!)

前にも書きましたが、僕は少年のときに建築設計の道を選びました。ジブリの作中では、様々な分野のクリエイターたちが、自らの人生のありかたや仕事論を喋るセリフが時々でてきます。


そのセリフの数々は、作り手=現実のクリエイターからのメッセージとして、僕は感じてやみません。少年の頃、クリエイターを目指す僕にとっては人生や建築の設計を考えさせるような、十分な材料にもなりました。

そんなジブリ作品の中のクリエイター達の金言を紹介したいと思います。




風立ちぬ(amazon)

             出典:amazon

①「風立ちぬ」 航空機設計家カプローニの言葉

目が悪くてパイロットになる夢を諦め、航空機の設計の道を目指し始めた、二郎少年の夢の中で現れたイタリアの偉大な設計家カプローニの放つ言葉です。

「いいかね日本の少年よ。私は飛行機の操縦はしない、いやできない!パイロットに向いている人間は他にたくさんいる。
わたしは飛行機をつくる人間だ、設計家だ! いいかね日本の少年よ。飛行機は戦争の道具でも、商売の手立てでもないのだ。
飛行機は美しい、夢だ。設計家は、夢にかたちをあたえるのだ!」

ー映画「風立ちぬ」よりー



今でも、仕事がうまくいってなくて落ち込んだ時、この疾走感あふれるシーンでの二人のやり取りに鼓舞されます。

建築と航空機でつくるものは違うけど、道を目指した時のあのキラキラした気持ちを思い起こさせてくれます。




耳を澄ませば(amazon)

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②「耳をすませば」 地球屋オーナー西司朗の言葉

中学生にしてヴァイオリン職人の道を歩き出した恋人聖司にあせりを感じて、映画のタイトルにもなっている「耳をすませば」という長編小説を初めて書きあげて、最初の読者となった聖司の祖父が雫にかけた言葉。

西「ありがとう、とてもよかった。」

雫「うそ、うそ、本当のことを言ってください。書きたいことがまとまってません。後半なんかむちゃくちゃ。自分でわかってるんです。」

西「そう、荒々しくて、率直で、未完成で。聖司のヴァイオリンのようだ。
雫さんの切り出したばかりの原石をしっかりとみせてもらいましたよ。
よく頑張りましたね、あなたは素敵です。あわてることはない、時間をかけてしっかり磨いてください。」

ー映画「耳をすませば」よりー



耳をすませばの上映時、僕も雫と同じく中学生でした。恋人の早い進路に焦りを感じて、たくさん勉強して、調べて長編小説を書きあげる雫は、僕にとってとても光っていました。年代が同じで共感できるからか、何でもいいから始めたい、つくりたいという衝動に駆られる作品です。

自分のセンスを磨くことを、原石を磨くことになぞらえた古い言葉ではあるなとは思いますが、すたれることのない至言だと思います。


魔女の宅急便(amazon)

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③「魔女の宅急便」 絵描きウルスラの言葉

思春期の悩みから飛べなくなってしまったキキが、森の小屋で出会った絵描きウルスラのデッサンモデルのために訪れた時の、ウルスラ流スランプ脱出の言葉。

ウルスラ「魔法も絵も似てるんだね。わたしもよく描けなくなるよ。」

キキ「ほんと? そういうときどうするの? 私は前はなにも考えなくても飛べたの。今はどうやって飛べたのかわからなくなっちゃった。」

ウルスラ「そういう時は、ジタバタするしかないよ。書いて、書いて書きまくる!」

キキ「でもやっぱり飛べなったら?」

ウルスラ「書くのをやめる。散歩したり、景色をみたり、昼寝をしたり、なにもしない。そのうちに急に描きたくなるんだよ。」

キキ「なるかしら?」

ウルスラ「なるさ」

ー映画「魔女の宅急便」よりー

ウルスラなりの、絵を書くことのスランプを、器機にとっては魔法に置き換えたシーンでのやりとりです。僕はこのシーンの終わり、「なるさ」が特に好きです。

落ち込んだ時は何も考えないで過ごしていたら、いつか作る気になるはず!という言葉が、学生の僕にとって、受験にしても、設計課題にしてもとても励みになりました。



紅の豚(amazon)

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④「紅の豚」 若い設計士フィオと飛行艇乗りポルコの言葉

「飛ばねえ豚はただの豚だ」でおなじみの紅の豚から。カーチスとの一騎打ちで敗れたポルコは、昔のよしみであるピッコロ社に飛行艇の修理を頼みに来ました。その設計担当が若い娘フィオと知った時の、2人のやりとり。

フィオ「まって。私が女だから不安なの? それとも若すぎるから?」

ポルコ「両方だよ、お嬢さん」

フィオ「そうね、当然だわ。 ねえ、いいパイロットの第一条件を教えて。経験?」

ポルコ「いや、インスピレーションだな。」

フィオ「良かった、経験だって言われなくて。ねえ、おじいちゃんに聞いたんだけど、あなたの単独飛行はとても速かったんですってね。その時からとても上手だったって。」

ポルコ「1910年だ。17のときだったな。」

フィオ「17歳! 今の私とおんなじ! 女をやめるわけにはいかないけど、やらせてくれない? 前の図面もあるし。うまくいかなかったらお金はいらないわ、ねえおじいちゃん?」

ー映画「紅の豚」よりー

建築デザインにも通ずることがあって、僕は建築設計の世界に入って14年ですが、少しだけ経験を積んだので、設計も現場も多少は回せると思います。でも、新しいものを生むことということにおいては、経験よりもインスピレーションが大事だと考え、とても共感できるやりとりだなと。

建築設計では、2つとして同じではない敷地が、真っ白いスケッチブックとなりますので、常に新しいものが出来上がります。いつも新しいものづくりに取り組むには、経験は判断の補助となりますが、メインはインスピレーションだと思っています。


おわりに

ジブリ作品は、アニメーションなのだから映像に情報を込め、セリフは極力削いでいく、という作風だと聞いたことがあります。

そんなセリフの少ない作品ですから、魅力的なキャラクターたちの言葉は、見る人の心の中に染み入るものがあります。

もちろん、クリエイターだけでなくほかのキャラクターのセリフも、たくさん覚えています。「天空の城ラピュタ」の、「40秒で支度しな」とかね 笑

皆さんは、どんなジブリキャラクターのセリフに、魅了されましたか?

ではでは~


ぱなおとぱなこ



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なにかをつくりたい!という衝動が僕は年に数回きます。プロジェクトをしていてもなぜか。。そんな衝動を実現するために、僕の場合は建築設計で、こんな記事でお手伝いができれば、と思います。


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