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オーロヴィルへの旅①

オーロヴィルってどんな街?

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オーロヴィル(Auroville)とは、インドのタミル・ナードゥ州ヴィリュップラム県にある国際的な共同体です。インド人思想家・宗教家でインテグラルヨガの父ともいわれているオーロビンド・ゴーシュのパートナーであったフランス人女性ミラ・アルファサ(Motherと呼ばれています)によって、1968年に設立されました。もともとは雨が降らない、人の住めない砂漠地帯だった所に、木を植え、水を招き、今のような森ができていったそうです。民族・国籍・思想信条を乗り越えて調和することをテーマに人々が暮らしています。

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私たちは3ヶ月ほど滞在し、ほとんど暮らすようにそこにいました。実際に暮らす人にお話を聞いてみると、皆「この場所は人類が進化するのに必要な自己実現の場所だ。」と言います。町の中心にはスピリチュアリティー、つまり「人間とは肉体だけの存在ではなく、魂と言う目に見えない領域を含む存在である」と言う考え方があります。私たちが出会った香港から移住した男性は「オーロヴィルはエネルギー的に守られた場所なんだ。だから僕は人類に今必要なトランスフォーメーションを成し遂げるためにここにきた。」と言っていました。怪しく聞こえるかもしれませんが、彼はとっても明るくて聡明で、経済的にも人生的にも成功している健康で幸せな男性です。(なぜか偶然会うことが多く、とても仲良くなりました。)

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オーロヴィルではできた当初、つまり今から50年以上前から、紙をリサイクルしたり、ゴミを出さないように徹底したり、今で言うエコロジカルな暮らしを徹底していました。そして、心身を健康に維持するために皆で適度な体操をしたり、精神性について学んだり、教育を大切にしたりしながら、木を植えて水を呼ぶところから手作りで自分たちの街を作っていきました。そして魂の成長をテーマにする人々が集まり、少しずつ大きな都市に発展していったのです。


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マティルマンディール

これは町の真ん中にある瞑想センター。マティルマンディールと言います。この町のシンボルです。中には大きなクリスタルが添えられている装飾のない神秘的でミニマルなホールです。人々は好きな時にここにきて、座り、内観しチューニングします。マティルマンディールの周りには様々なテイストのガーデンがあります。一つひとつのガーデンにはメッセージがあり、皆沈黙し、草木の声や自分自身の心の声を聞きます。

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サスティナブルが当たり前のコミュニティー

オーロヴィルの食事


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オーロヴィルでは小麦や野菜など、ほぼ無農薬で育てられています。コミュニティー内で育てられた野菜を公共のレストランで使ってお料理を提供したり、無料のコミュニティー食堂で提供しています。町の大きなパン屋さんも、無農薬の小麦を石窯を使って、薪で焼いています。科学的な添加物などが食品に入っていないことも当たり前で、だからこそ「無添加」と言う表示すらありません。白砂糖も普通に使っていないお店が多いのです。グルテンフリーやローフードのレストランもたくさんあります。無添加アイスクリーム屋さんにヴィーガンアイスまであります。私たちは日本にいる時、かなり気を付けないと自分が取り入れたくないものを取り入れてしまうリスクがあり、結構気を使いますが、ここでは本当に安心した状態で、心も身体も満たされる食事を摂ることが当たり前にできます。

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住民達はランチが無料で支給されます。町の中心にはソーラーキッチンと呼ばれる大きな食堂(食堂なんていう規模ではなくとっても大きなセンター)があります。太陽光で蒸気を起こし、その蒸気で大量の料理を調理する食堂です。

Motherはコミュニティーの中では、住民が1日に一度は集まって顔を合わせ、一緒に食事をすることが大切だと言っているそうです。それ自体が大切な繋がりになり、精神的肉体的健康を支えることになります。そして、それぞれの家でガスを使って調理するよりも、集まってひとつの調理場で作ったものを分け合って食べる方が遥かにエネルギーの無駄がありません。さらにランチの準備にかける時間を自分のやりたいこと、追求したいことに注ぐことで、より集中して自分の人生と向かい合うことができると言うのです。ここで食事をするにはオーロポイントが必要になるので、オーロカードというものがないと入れません。私たちは友人になったオーロヴィリアンに御馳走してもらい、食事をすることができました。新鮮な地元のオーガニック野菜を使ったキッチンで作られたカレーは必要な分だけよそってもらうスタイルで、インドでは珍しく生の野菜サラダもたっぷりあり、本当に美味しい。残さずに食べられる分だけをよそって、好きな席でその場で出会った友人たちと座って最近のお話をしたりしながら食事をして、終わったら自分でお皿を軽く掃除して洗い場に出します。基本的にはセルフサービス。職場で食べる人は大きなお弁当箱を持ってきて持ち帰ります。ひょっとして経済的に苦しい人は夕食の分も持って帰っているのかなーなんても思いました。

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この写真はオーロヴィルベイカリーと言うパン屋さんカフェですが、夜は自宅で食べる人もいるけれど、これまた地元の人に愛されている美味しいオーガニックヴィーガンのレストランがあって、そこで食べる人も多いです。インドの素朴で健康的なお家メニューのご飯。粉物も全粒粉だったり、ひえ粉だったり、普通のインドレストランと比べてもヘルシー。ひとり暮らしの人もこうやって夜のレストランに来れば誰かしらに会えて、御馳走すぎない普通の食事が取れるのは、心と体の調整がしやすいのでとても楽でした。

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様々な人種が混ざり合い、違いがある分、大変なこともたくさん。だからこそ学びも多いオーロヴィル。オーロヴィルの紹介を通して、私たちが活動を通して何をやっているのか、新しいコミュニティーのアイディアや暮らしのアイディアを紹介できたらと思っています。



・優しい循環をベースにした村作りをしています。

・統合的なヨガ=インテグラルヨガやダンス、エコロジカルな建築を通して調和を広げる活動をしています。










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