見出し画像

コリアタウン殺人事件 感想

なんともいえない映画だった。
終わった直後はそう思っていたが、その後いろいろ調べていると非常に面白い映画だったのではないかと思い始めた。
この映画は実際の映像なのか、作った映像なのか、わからないところが肝になっており、その微妙さがより気持ち悪さを演出している。
おおまかなあらすじとしては、コリアタウンで殺人事件が起こり、事件現場の近所に住んでいた男が真相を突き止めようと探偵ごっこを開始する。その調査内容を映像として残しており、その映像自体が映画になっている。
映像は、町の人へのインタビューや犯行現場に関わる場所の映像が多く何も知らずに見ていた私にとっては、ノンフィクションのドキュメンタリーを見ている気持ちだった。インタビューを受ける人もリアルに居そうな人たちばかりで、途中に挟まれる鳥の映像や夕日の映像などがより現実を演出してくる。ただ最後に近づくにつれ、ホラー映画のような描写が加わってくる。そこらへんからは、本当の映像なのか、作り物なのか曖昧になり頭が混乱する。そのまま謎が多く残ったまま終わりを迎えるため、なんともいえない気持ちになってしまった。
そのあとは当然、謎を調べたい気持ちになる。
ホラー映画のような描写が増えてきたところから頭のどこかで作り物だろうなと思っていたが、それが覆りそうな情報を発見する。
・映画の中で取り上げられていた事件は、実際に起こった事件であること
・監督、出演者が明らかになっていないこと(確かにエンドロールがない)
この二つの情報により、本物感が微妙に増し気持ち悪さを覚える。
この気持ち悪さがこの映画の面白さである。
嘘か本当かわからない。信じるか信じないかはあなた次第。
この表現が正しいのかわからないが、都市伝説が好きな自分にとっては、非常にロマンのある映画だった。


以下の文章は映画の最後に表示される。

本作のエディターは安全性を配慮し匿名を望んでいる。
本作の収益は警察が本映像の撮影者の男を発見する手助けとなるための、私立探偵を雇うことに使用される。
本作は確認されている彼の最後の作品である:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?