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農協をはじめとする既得権益と中間団体のことを考える①

農協はことあるごとに「悪い既得権益だ」と批判される。ついでにいうなら、既得権益自体がやたら世間から悪くいわれる。
しかし、既得権益が悪者だというなら、既得権益の対義語はなにか?その対義語は実在しないのだが、あえて作るのなら、「未得権益」という言葉が相応しいだろう。

本気で既得権益を叩いている人たちは、この「未得権益層」に該当する。既得権益層が規制改革で自分たちの権益を失った場合、その権益はどこにいくのだろうか?当然ながら未得権益層の人たちがそれを受け取ることになり、彼らが既得権益層になって、失った方は未得権益層になるわけだ。
つまり、既得権益を批判している側がけっきょく既得権益層になってしまうので、既得権益そのものを悪者扱いするのは無意味だ。

読んで字の如く、「既に得ている権利と利益」であって、正社員だって間違いなく既得権益層だ。

私は正社員がダメだというつもりは全くない。既得権益の改革について、我々はもっと慎重になるべきだといいたいのだ。正社員は保持すべき既得権益だと思う。

必要なのは既得権益の否定でなく、既得権益のバランスを整えることだ。今の日本は各既得権益層(各中間団体)を俯瞰して見た場合、財界の既得権益が肥大化しすぎているように見える。農協は既得権益層として弱体化している。

中間団体とあまり縁のない人たちには、既得権益層は特権階級に見えるのかもしれない。しかし、既得権益も中間団体もゼロにはできない。公益のためには、既得権益の改革はより慎重にやっていくことが望ましい。