見出し画像

レスラー

2010年頃書いた映画感想文。

レスラー
ダーレン・アロノフスキーの映画を初めて見てから10年近くたつか。友人から見ろとすすめられて、見たのが「π(パイ)」という映画。π、すなわち3.14・・・という円周率のこと。円周率にまつわる数字にはすごい秘密が隠されていた・・・
という内容。
その難解な内容と、白黒映像+スタイリッシュな演出で、僕はダーレン・アロノフスキーのファンになってしまいました。

次に見たのが「レクイエムフォードリーム」という映画。
ふつーのファミリーが麻薬によって崩壊していくといった内容。こちらもやはり演出がスタイリッシュ。

この2作品に共通することは、見た後イヤーな気分になる、すなわちウツになるってことです。つまりダーレン・アロノフスキーの映画は落ち込んでる時は見ちゃダメ。

で、その後しばらく監督作品がなくて、バットマン撮るとかいう噂があったけど結局クリストファー・ノーランが撮って、次作は何になるんだろうなーと思っていたら、なんとプロレス映画。しかもミッキー・ローク主演。いったいどうなるんだ、と心配しつつも期待もしてました。

で、DVD見た感想。

ミッキー・ローク演じるランディは80年代に絶大な人気を誇ったプロレスラー。20年経った現在も現役を続けているが、当時からは信じられないようなしょぼい会場で試合をしたり、年齢から来る体力の衰え、ステロイドでボロボロになった体など、まさしく満身創痍。
ある日ついに心臓発作で倒れてしまう。
そのため現役を引退することを決め、好意があるダンサーといい感じになりたかったり、疎遠だった一人娘との関係を修復したかったりだけど、それらは全くうまくいかない。そして自分にはプロレスしかないと気付く・・・
ってな内容。

僕にとってミッキー・ロークは猫パンチの人でしかなかったけれど、「シン・シティ」のころからこのおっさんすげえなあと思うようになり、ガチでプロレスやってるこの映画見たらすげえというよりもう声が出ません。ミッキー・ロークの顔のシワを見ると、不器用なおっさん役がハマりまくり。正直感動してしまいました。
それにしてもびっくりしたのは、まず間違いなくダーレン・アロノフスキーはプロレスファンだということ。じゃなけりゃああそこまでの内容にはならないはず。プロレスファンには大満足の試合内容とその裏側ですよ。

付け加えると、感動作品のように思えますが、やはりそこはダーレン・アロノフスキー作品、見たあとはきちんとイヤーな気分になれますぜ。
イヤーな気分になりたい人は今すぐ見ましょう!


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?