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映画感想文「しあわせの雨傘」

フランソワ・オゾン監督作品『しあわせの雨傘』をやっとこさ鑑賞。

舞台は1977年のフランス。父の傘工場を婿が継ぎ、娘カトリーヌ・ドヌーヴはブルジョワ社長夫人生活。しかし労働組合と婿社長がぶつかり合って、その結果カトリーヌ・ドヌーヴが社長をすることに・・・
といったお話。

冒頭、ジャケット写真でおなじみのジャージ姿でジョギングをするカトリーヌ・ドヌーヴ。動物がいっぱいでさわやかな森の中、と思ったらうさぎが交尾している。恥ずかしがるカトリーヌ・ドヌーヴ。ひじょうにオゾンっぽい。そしたらこれが伏線なんですねえぇ。

オゾンの作風ってところどころにどぎつい性描写を入れるってことだと思うのですが、本作もあちらこちらでありまする。

原題は『potiche
引用すると「贅沢で豪華だが実用性のない花瓶や壺のこと、転じて美しいが夫の影に隠れて自分のアイデンティティをもたない女性に対して軽蔑的に用いられる」となっております。
そんなわけでカトリーヌ・ドヌーヴは「飾り壷」て呼ばれているのですが、貞淑な妻と思わせて実は・・・ってのが笑ってしまった。共産党議員との若い頃の逢瀬のシーン、いきなりああなるとは、さすがオゾンと唸ってしまった。そこからもまだやるかー、って感じ。ヤりすぎ。

長男役の人、どこかで見たことあるなーと思っていたら、ダルデンヌ兄弟の「ある子供」に出てた人みたい。あの映画見てるとつらくなるんだよなー。ほんでこの長男が、カトリーヌ・ドヌーヴの子供だけど婿の子供じゃないかもしれないし、長男と長男の彼女はきょうだいかもしれないっていうブラックさが最高。爆笑です。

作品のテーマは「人生は美しい」っていうエンディングテーマに象徴される人生讃歌なんですかね。妻であり母であり、友達であり恋人であり愛人であり、そして女であり、にんげんだもの。生きてるってすばらしい。そう思える作品でした。

「しあわせの雨傘」って邦題はカトリーヌ・ドヌーヴの代表作「シェルブールの雨傘」から来てるのは間違いないけど、もっと違った邦題にできなかったものか。鑑賞後に思う。それが残念。

古いクルマが出てきたのが結構テンション上がった。カトリーヌ・ドヌーヴの運転テンション上がった。

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