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六月の蛇

2004年頃書いた映画感想文。

六月の蛇

昔「鉄男」という映画を観ました。
どんな映画かっつーと、ある朝目覚めたら田口トモロヲのちんこがドリルになってたっていう映画です。ちんこドリルですよ。ちんこドリル。ちなみに続編「鉄男2」もあるんですがどちらもわけわからん内容です。正直つまらん映画なんですが、どうにも僕をひきつける魅力があるんです。
そんな鉄男を監督した塚本晋也の2003年の作品が「六月の蛇」です。

電話相談室で働く主人公りん子。ある日届いた郵便物の中には、りん子のオナニー写真と携帯電話が入っていた・・・そして携帯には脅迫電話がかかってくる・・・

とまあAVっつーかロマンポルノみたいな始まりなんですね。
エロ映画っす。
しかし途中から塚本作品っぽい変態シーンが続出し、六月の蛇らしきものが出てきたところでは、「やっぱりちんこドリルなのかよっ!!」とふきだしてしまいました。いやあれが六月の蛇なのかちんこドリルかはわからないけど、それまでの世界観をぶち壊して塚本晋也の世界になったのは間違いないね。

りん子の夫役の神足裕司の怪演が高評価できます。
あの潔癖症っぽいしゃべり方はかなりいいっす。
俳優が本業じゃないからこそできる演技か。

見終わった後、なーんか懐かしい感じがしました。こんな感じの映画、前にも見たような・・・
はっ!
アイズ・ワイド・シャットだっ!
一見仲が良さそうな夫婦だけど、実際にはそれぞれ欲求不満がある。それはぶっちゃけ性欲だ。
アイズ・ワイド・シャットはたしか「今必要なのはセックスよ!」とかそんな感じのニコール・キッドマンのセリフで終わったと記憶してます。
六月の蛇のラストはそれまでセックスレスだった夫婦の、濃密なからみのシーンで終わる。全く同じというには無理があるけど、同じようなテーマなんではないかと思います。

まあやはり魅力的ではあるけど面白くはないんだよなあ。
全編雨が降っている演出はとてもよかったです。



2024年追記。
20年前の自分、プラス鉄男を初めて見たときの20年以上前の自分は塚本晋也のことを理解できていなかったのだ。今ならこんな感想は書かないな。いや書くかも。ちんこドリルって言いたいから。

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