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52 なんとなくスリランカ④(シーズンオフのヒッカドゥワ)
コロンボのバススタンドも乗り場案内や行き先表示などまったく無し。そして、朝早くから人と乗り物でごった返していた。
こういうときは、行き先を尋ねながら歩いていると誰か彼かが目的のバスを教えてくれることになっている。
「ヒッカドゥワ? ヒッカドゥワ?」
だいたい皆、前方を指差すからずんずん進む。そうしたら、「ヒッカドゥワはゴール行きに乗れ」みたいなことを言われた。そうか、途中下車か。ここが和歌山だとしたら新宮行きに乗って串本で降りる感じか、と、ざっくり、違うかもしれんけど、なんとなくざっくり和歌山と重なる。
と、ゴール、ゴールと客引きしているバスがあった。「ヒッカドゥワ?」と聞いてみると、イエスだ。乗ったらほどなく発車した。
街なかで何度か停まってお客を拾い、市街地を抜けると海沿いの道路に出た。あとはこの一本道をひたすら南下だ。外の景色と町の名前と地図を照らし合わせながら気持ちよく揺られてゆく。
何でもインドと比べてアレですが、インドだと目的地まで何時間も何時間もバスに揺られ、途中、ここどこよ、と心細くなったりするのだが、コンパクトなスリランカでは地図上で自分の位置がはっきりわかって安心だ。
で、目的地が思ったより近かったりもする。そろそろかな、と思ったら、車掌に「ヘイ!ハロー!ヒッカドゥワ!」と呼ばれた。3時間ほどで着いたのだった。早い。
降り立ったヒッカドゥワはしかし地味だった。バリ島のクタとか、マレーシアのティオマン島とか、海だぜ!みたいなノリを想像していたのだけど、全然違う。普通の町やん。ツーリストの姿もない。
とりあえず、滞在予定の宿 NIPPON VILLA に向かう。道はバス通り1本なので迷う心配がない。しばらく歩くとサーフショップやダイビングショップ、旅行代理店なんかも現れて、ああこの辺りからツーリストエリアなんだな。
NIPPON VILLAは思っていたよりずっと立派で、ゲストハウスというよりホテルだった。躊躇したけど、一応部屋を見せてもらうと、これまた立派な、机と椅子も備わってあり、バスルームはバスタブ付き。
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スタッフが「オフシーズンだから安くしてあげましょう。1000ルピーでどうですか(意訳)」と言う。
当時のレート記録がないのだけど、たぶん1000ルピー(スリランカ・ルピー)は1000円弱だったはず。予算オーバーだけど、海だし、まあいいか、とチェックイン。そして、なるほどオフシーズンだから誰もいないのねと納得した。
ホテルの庭にはビーチへの出入り口が設えてあった。
さっそく出てみる。
海、あおーーーーーーーーーーい
砂、しろーーーーーーい そしてやわらかーーーーーーい
誰もいなーーーーーーい
マイ ビーーーーーーチ
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いいのか、こんなことで。
これの何が、どこが、オフシーズンなのか、海の掟がぜんぜんわからん!
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最終回へつづく
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