強迫性障害の体験談
強迫性障害って皆さん聞いた事ありますか?100人に2〜3人の確率でなるといわれ、こう見るとかなり多いという事が分かります。
私は当時実際に診断されたわけではなかったのですが、強迫性障害としか思えない症状がありました。というか確実に強迫性障害でした。思えば小学校1年生の時から決められた手順通りに物事を行わないと悪い事が起きるとか、〇〇時間以内にこれをやらないとダメだみたいな儀式的な観念がありました。しかし、月日が経つにつれて無くなっていきました。私を最も悩ませたのは加害恐怖であり、包丁で大切な人を刺している想像や、学校に包丁を持って行ってクラスメイトを刺しているという恐ろしい想像をよくしていました。さらに酷い事に殺した人間を地面に埋めたり、その肉を食べたり…また自分が殺人を犯して警察に捕まり、周りの人間や親戚から恐ろしい目で見られ、牢獄で生涯を終える…という想像もしてしまい、とにかくそれが恐怖で恐怖で仕方なくて、本当にそういった事をしてしまうのではないかと恐れていました。また夜寝てる最中に無意識のうちに殺しているのではないかとか、突然自分の気が狂って他の人を殴ってしまうのではないのかという恐怖もあり、とにかく毎日が地獄のようでした。小5から高2の6年にわたってその症状に苦しめられてきたため、本来なら青春を謳歌出来るような時期を謳歌出来ずに成人を迎えてしまいました。
とにかく辛いのは、この辛さを周りの人にあまり理解してもらえない事です。私はこの症状を親に言い、親もなんとか理解はしようとしてくれたのですが、それでも心から理解してくれているとは思えず、何回もそういった強迫観念を親に言っている内に、親もいい加減嫌になったのか怒ってしまい、それ以降誰にもこの事を言えずに耐えてきました。家に親がいない時は一人でずっと泣いていて、家の周りの土手をとにかく走り回り、あの空に溶けていく夕日のように、この強迫も溶けて消えてなくなってほしいとずっと思っていました。けれども現実は残酷な事に、そんな事は訪れなかったです。明日も明後日もずっと変わらない毎日、朝起きてから夜寝るまでずっと強迫観念に苦しまされ、生きる希望も何も持てない日々が続きました。修学旅行だって家族と何処かへ出かけた時でさえ、強迫観念が頭の中にこびりついて離れず、もう何も楽しめなくなりました。そもそも自分が強迫性障害になる前にどうやって日々を送っていたのかさえも思い出せず、ひたすらあの頃の日々に戻りたいと切に思う毎日でした。小学校や中学1年の頃は嫌がらせやいじめをよくされていたのですが、個人的にそれよりも強迫性障害の方が何倍も辛かったです。
症状に波はあり、良くなったり悪化したりというのを繰り返していました。1ヶ月間よくなり、3ヶ月間悪くなる、といった事がありました。しかし、高校2年の時に、今までとは日にならないくらい症状が悪化し、その時は加害恐怖に加え、別の強迫観念も加わりました。どういった観念なのかというと、自分の見ている世界にしっくりこず、そもそも本当にこの世界は本当にあるのだろうかという強迫観念です。ちょっと言っている意味が分からないと思う方々がいらっしゃるかも知れませんが、私の場合は全ての物が偽物に見えてしまい、もう周りにある物の何もかも信じられなくなってしまいました。それ以降何の気力も湧かなくなり、休日は何時間も寝たまま、食欲も湧かずに食べ物を食べようとしても吐き気がすごくほとんど食べられない状態が続きました。学校は一応行っていました(というか親に学校は行ってと言われていたので)が、休日も平日も朝も夜も変わらない、明日が来ないでほしいと望んでいるのに、明日の朝が来た時の絶望感が酷かったです。ある土曜の朝、訳もわからず涙が止まらなくなった時がありました。今思うとおそらくこの時期は鬱が入っていたと思います。心身ともに限界を迎えた私はいよいよ親に相談し、なんとか診療内科に行く事になりました。(ちなみに最初診療内科行く事に反対されました。精神異常者が行く場所に行かせたくなかったらしいです。)正確な病状は言ってもらえなかったため、毎日決められた分の薬だけ飲むという日々を送っていました。
遂に強迫観念が無くなり、そこからは清々しい日々を送っていきました。今はもう加害恐怖が起こる事は無くなりました。しかし、たまに別の強迫行為である確認が起こったり、〇〇だったりしたら…みたいな事を考えて恐ろしくなったりする事はあります。
人間の進化の段階で何故神はこういった障害や精神的な病気を生み出したりしたのでしょうか。進化する上でこんなの必要無いですよね。それとも人間が賢くなりすぎた代償としてこんな物を与えられたのですかね。いずれにしてももう二度とこんな症状に悩まされたく無いですし、何も無い日々が1番だと言う事に気付かされます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?