私のカルテは、とてもシンプル〜今宵の呟き〜




私のカルテは、とてもシンプルです。


例を、出したいと思います。


※これは、フィクションです。



4月から、働こうと思います。

→子供が、愛情を受けそびれると、将来、自分を犠牲にします。


本当にこれだけです。




 これは、

 30代女性が、パニック障害を発症し、それが引き金で、

 過去に、流産をしてしまった、だが、やはり、子供が欲しいと、来院してきたケースです。


 本人は、妊娠における、向精神薬のリスクを、とても心配しておりましたが、

 私は、胎児にとって、最も重要なことは母体の安定であると、説得し続けました。


 勿論、薬の影響はあります。

 奇形児が生まれる可能性もあれば、脳機能障害を持つかもしれない。

 しかし、私は、かけるしかありませんでした。

 私は、神様ではありません、人間です、人間が人間を診る以上、かけるしかありません。



そして、

 本人と良く相談し、パニック障害の治療にのぞみ、その恐怖に打ち勝ち、

 無事、出産して、元気な、8ヶ月の乳児がいるというシーンです。

 処方は、

 レクサプロ10mg1錠 夕食後、アルプラゾラム0.4mg 1錠 不安時 だけです。


 診察の中で、

 本人が、産後、働きたいと主張しました。

 だが、乳児期に、基本的信頼を得るには、母からの愛情が必要であり、

 それが削がれてしまうと、愛着障害へと発展する。


 そう、その家庭が不幸になってしまうのです。


なので、

 本当に、大切なのは、仕事なのか、我が子なのか、真剣に問いました。

 お金が絡むので、難しいですが、

私は、命は、お金より思いと思っています。


 結局、1歳以上になるまでは、様子を診ることになりました。



 という、背景がありますが、カルテからは、読み取れないと思います。


 私は、カルテと向き合っているのではなく、患者様と向き合っています。

 そして、一日60名となると、その他の書類裁きもあるのでこれが、私の限界です。


 このカルテだけ見たら、クズな医師に見えることでしょう。


 しかし、私はどう思われてもいい、患者様が幸せなら、


 これが私のカルテです。

精神科医ましろ

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