私の処方テクニック②
皆さん、おはようございます。
今日は、水曜日ですね、人生には、心配事が付き物ですが、
私は、確率論で考える様にしています、
例えば、
30代で、胃癌になる確率は、1万人にひとり、此れは、交通事故で亡くなる可能性と同等です、
つまり、早々起こらないと言うことです、
皆様も、物事を冷静に捉えましょう、
さて、本題ですが、
また、医師らしいことでも語りますか、今回は、
❸のハルシオンを、全体像から、深掘りし、注意点まで、説明したいと思います、
まずは、全体像から
ハルシオンは、眠剤ですが、此れは、
ベンゾジアゼピン系薬剤です、ベンゾジアゼピンには、抗不安薬と睡眠薬があり、現在、主流です、
そして、一般に、
マイナートランキライザー:ベンゾジアゼピン(抗不安薬、睡眠薬、今回のハルシオンを含む)
メジャートランキライザー:抗精神病薬(以前、お話した、エビリファイなど)
と、区分しています、
此の、トランキライザーとは、静穏なと言う意味ですが、
効果の強さから、メジャーとマイナーに区分しました、
つまり、
今回、触れる、ハルシオンはマイナーなので、弱いです、
まず、
ベンゾジアゼピン系が、何処に作用するのか、それは、
GABA(γアミノ酪酸)受容体です、以下に図を示します、
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144515573/picture_pc_f0686b260e25d9d868079d7334b1317c.jpg?width=800)
この図の、
GABA受容体上にある、γとαの界面にあるベンゾジアゼピン受容体、
此処に結合し、チャネルを開きます、
そして、
大脳皮質には、興奮系(グルタミン酸系)と抑制系(GABA系)が存在し、
今回は、この抑制系を活性化します、下に図を示します、
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144516381/picture_pc_a77f108a64f5bf82f65be125f033db30.png?width=800)
そう、
ベンゾジアゼピンは、抑制系である、GABA系に結合し、
抑制性神経を興奮させる、つまり、リラックスさせる言うことです、
間にあるのは、グリア細胞と言い、神経の微調整役です、
とまあ、
此処までが、全体像ですかね、今回、触れる、ハルシオンが、
ベンゾジアゼピン(抗不安薬、睡眠薬)であり、
何処に作用し、大脳で、どの様なバランスの変化を起こすか、ご理解頂けたかと思います、
此処から、抗不安薬、眠剤(ハルシオン)をそれぞれ、深掘りします、
先ほど、
お話した通り、ベンゾジアゼピンには、抗不安薬と睡眠薬(ハルシオンは此処)が有ると説明しましたが、
此れは特性の違いです、
つまり、
同じ、ベンゾジアゼピンでも、抗不安に向くもの、睡眠に向くものが有ると言うことです、
睡眠薬(ハルシオン)に入る前に、折角なので、抗不安薬について説明します、それが、以下の図です、
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144515601/picture_pc_ccb5e5147a622870adaedc8cd1d4e5db.png?width=800)
この図は、
作用時間に分けて分類しております、一般に、睡眠薬も含め、
ベンゾジアゼピンには、超短時間型、短時間型、中間型、長時間型があります、
そして、
一般に、超短時間型(ハルシオンも此処)は、作用が短く、効果が強いものを含むため、
あまり、好まれないとされております、
それは、
離脱症状が起きやすい、内服回数が多くなるため、依存を形成しやすいなどから説明が付きます、
図に記されている通り、
リーゼは最も弱く、グランダキシンは体の症状に有効とされ、ワイパックスは、体内蓄積しにくいです、
また、
ワイパックスは、私の経験則で、緩和ケア領域で好まれる傾向にあります、それは、
CYPと呼ばれる肝代謝の経路に影響がないため、体の負担が少ないからです、
そして、
リボトリールはレストレスレッグス症候群に有効とされ、
ジアゼパムは静脈注射により、てんかん発作の重責状態に有効とされています、
レストレスレッグス症候群とは、通称、脚むずむず症候群と言われ、原因として、
貧血、腎機能障害、ストレス、向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬の副作用)が有るとされています、
また、
私は、デパスは処方しないです、そう禁止カードです、デパスが流通している理由として、
内科医が、よく処方することにより、知名度が先行した、私はそう認識しております、
私が、最も、好むのはソラナックスです、
そう、私にとっての、螺旋丸です(NARUTO)
此処から、漸く、睡眠薬について話します、
睡眠薬には、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系があります、
非ベンゾジアゼピン系は種類が少ないので、此処に列挙します、
非ベンゾジアゼピン系:マイスリー、ルネスタ、ロゼレム、デエビゴ
非ベンゾジアゼピン系は、依存性がないため、良い薬です、それぞれの弱点ですが、
マイスリーは弱い、ルネスタは苦い、ロゼレムは概日リズムの是正に優れるが、やはり弱い、
デエビゴは悪夢を見るリスクがある、などです、
しかし、
上記の4つは、何れから試しても、正直良いと思います、
よし、
漸と、ベンゾジアゼピン系睡眠薬にたどり着いた、
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、沢山、種類がございますが、
まず、使用量と副作用の関係を以下に示します、
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144515600/picture_pc_c8db24f09758ec372dd84a5fcdd4ef1a.png?width=800)
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の問題点は、前向き健忘です、
例えば、夜中に起きて、冷蔵庫を漁るも、それを全く覚えていないなどです、
此れは、
大脳の海馬、扁桃体など情動と記憶を司る部位に作用することから説明出来ます、
また、
高齢者では、転倒リスクがあるため、段差に注意が必要です、
そして、
睡眠薬は、半減期が短い(ハルシオン)と持ち越し(ハングオーバー)は少ないですが、
断薬すると反跳性不眠と言う、以前よりも、酷い不眠を呈します、それが以下の図です、
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144515599/picture_pc_eb60c441a038671ca727a9f031b541da.png?width=800)
ハルシオンは、
中止をすると夢の出現頻度が増加し、依存も形成しやすい薬となります、
この点から、
私は、超短時間型のハルシオンを好まないです、
しかし、
準制限としたのは、デパスやサイレースと比べると、まだ、マシだからです、
サイレースは、同じくベンゾジアゼピン系睡眠薬ですが、
厚生労働省により、第2種向精神薬に分類されています、強いので、私は嫌いです、
私の中で、サイレースは、忍法、蝦蟇口縛りです(また、NARUTO)、
そして、
私が好むのが、レンドルミンとベンザリンです、レンドルミンは短時間型、ベンザリンは中間型となります、
NARUTOで言うと…←もう良い加減にしろ
一応、説明しますが、
中等度不眠には、トラゾドン(古典的な抗うつ薬)を使用します※割愛します
最後に、奥の手ですが、
重度の不眠に対し、仕方なくヒルナミンやクエチアピンを少量、処方することがあります、
只、
共に、抗精神病薬であり、様々な副作用があるため注意が必要です、
私の中では、
最強幻術、魔幻・蝦蟇輪唱です、まるで、精神を縛る、結界に引き摺り込むイメージですね、
NARUTO好き過ぎるだろ
以上です、
ハルシオン(準制限)を含み、抗不安薬、眠剤について、色々と述べました、参考にしてみて下さい、
補足:ベンゾジアゼピンは、服薬量が多いと脱抑制と言う状態を呈します、気をつけて下さい、
以上です。
精神科医ましろ
おまけ
レストラン
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