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【音楽④】曲の中に置かれた置き石

サカナクションの曲は色々好きだが、『目が明く藍色』が引っかかっていたので書こうと思う。

引っかかっている理由はシンプルにただ一つ。
この曲に一箇所だけ、イレギュラーなリズムが混じっているからだ。

基本的には、全体的に一般的な4/4拍子でゆったり展開していくのだが、AメロだかBメロだか(この曲はどこがサビだかわからない。あえていうなら、2つの展開のメロディが2回繰り返されているのでBメロ?あと、1番2番とかもわからないので、正確に場所を明示できない)の2回目の

「藍色いや青い色した」

のところで、4分の4拍子で乗っていると、ふいにつまづいて転ばされる。いきなり、割り切れない数が登場するのだ。

私はこれを「置き石」と呼んでいる。

なぜここに置き石を置く必要があったのか、考えてみた。

考察するために、歌詞をちゃんと読んでみた。普段は割と曲はフィーリングだけで聴いていることが多くて、歌詞は聴き逃していることが多かった。歌詞を読んでみたら、意図がわかった(と思う)。

置き石の後ろの歌詞を読み進めていくと、この曲の中で『藍色』はネガティブな感情、『青色』はポジティブなイメージを表していることがわかる。

藍色から青色になることが良い事であるという意味合いで書かれてある。

この置き石の箇所は、物語の前半部に位置しており、「藍色いや青い色した」の直後に置き石が置いてある。

そして、この置き石の直後に、曲の展開がガラリと変わり、『藍色』の話が続いていく。

つまり、この置き石は、「藍色いや青い色した」という文言に対して、

『歌詞には書きませんけど、「藍色いや青い色した」、だなんて笑っちゃうよね、青色なわけないよ、目の前は藍色一色だというのに』

という意味で書きましたよ、皆さん、ここはつまづく所ですよ(ドリフの如く)、という注意喚起だと解釈できる。

なんと。こんな表現手法があるのか。
実際、引っかかったから、疑問を持ってちゃんと歌詞を読んだので、きちんと機能している。

ちなみに、藍色(Aiiro)から青色(Aoiro)への変化は、IからOへの変化になっている。I/Oつまり、入出力である。Inputが藍色でOutputが青色。

ネガティブ(藍色)を入力すると、ポジティブ(青色)になる。
それがこの曲『目が明く藍色』らしい。知らんけど。

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