諦めた夢は人生をほんの少し上方修正してくれた【勝手にリレーエッセイ2023冬 #4】
こんにちは。勇敢なヘラジカです。
こちらの記事は、書いて喋れるスーパー保険屋さんのイトーダーキさんが主催する企画である、アゴラリレーエッセイ2023冬に寄せた記事です。
私は、グループAの第4走者です。
▶︎ まえがき
ここまでの記事があまりにも素晴らしいものばかりで
正直、神企画を確信しつつあります。
プレッシャーはひとまず置いといて。
前回の秋のリレーエッセイでは、模索しながらの第2走者。
今回は第4走者の担当。
ここまでの皆さんの流れを見てから書けるポジションをいただき、今日までずっとワクワクしてきました!
▶︎ 本編を始める前に、グループAのここまでの流れをまとめます。
グループAは、全体的には、
夢は能動的に選んだり諦めたりすればよく、どちらも明るい、
みたいな感じで私は解釈しました。
私の前の走者のギア3さんは、物理学に準えて、
次のように教えてくださいました。
だから、自分の思い通りにいかないことも、夢が移り変わることも当たり前なのだそうです。
ああ、何て優しい。
この流れを踏まえて、私は、
『カオスで因果な話』
を書きたいと思います。
それでは、本編を始めます!
▶︎ 本編
私は、このリレーエッセイが始まる少し前に、医学部に落ちて、そのまま諦めた話を書いた。
その記事の中で、私はこう締め括った。
『夢を叶えようとした過程で得たものを元手に、堂々と上書きすれば良い』
そうして今、私はその続きを生きている。
さて、その続きの人生には、何があったのか。
…
結論からいうと、
私は今、医療を助けるAIを作っている。
医学で人を助けることを諦めた代わりに、
AIで医療を助けることにした。
形は違うが、巡りめぐって、医療に戻ってきた。
これが私の「夢の上書き」だ。
自分が設定できる夢は、所詮、自分の狭い視野の中にある選択肢の中からしか選べない。
正直、高校生の時に、自分が『AI』という単語を知っていたかどうかすら定かではない。
でも、ギア3さんの言う通り、この世界はもっと複雑で、カオスなのだ。
このことについて考えるにあたり、昔読んだ星新一のショートショートを思い出した。
運動神経が悪くて、宇宙飛行士になれなかった男が、宇宙飛行士の訓練を受けなくても宇宙に行けるロケットを作った話だ。
私は、医者にはならなかったけど、医者と共に、医療の為のAIを作っている。
この感覚に一番近い言葉を探してみた。
浮かんできたのは、『外挿』である。
実際に到達した点(黒い×)を何点かプロットしてみて、その近似直(曲)線(赤い点線)を描いてみれば、なんとなく概形が見えてくる。
私は今、あの頃の『外挿点』(赤い×)にいる。
夢として設定した点は多分、近似曲線のだいぶ外れ値だったのだと思う。
その点に近づくには、過去の点(図中の黒い×)と乖離した夢との間に、もっと沢山の点を埋めないといけなかった。
結局、私は達成するまでの努力が出来なかったけど。
でも、夢を一度設定したことで、変わろうとして、それまでの近似曲線(赤い点線)とは少し違う場所に別の点を新たにプロットしたんだと思う。
その結果、近似曲線(赤い点線)という名の、人生の方向性も変わった。
夢とは関係なく、時代も変わった。
周りの人達もどんどん変わるし、取り巻く環境も変わった。
未曾有の災害が起きたし、未知の感染症も蔓延している。
それがキッカケで、逆に色んな分野の技術革新が進んだりもした。
これらすべてが、点に影響を与えて今がある。
結局何が言いたいかというと、
夢が叶おうが諦めようが、どっちも所詮ただの点だ。
外挿点にほんのちょっと影響を与えるいちプロットに過ぎない。
でも、確かに人生をほんのちょっと上方修正してくれる点なのだ。
夢をそもそも持たなければ、夢に破れることもないし、平穏でいられるかもしれない。
でも、外挿の図が、個人ではなく、世界全体の話なら、
世界の近似曲線を上方修正してきたのは、世界に様々な夢があったからだ。
誰も夢を描かなければ、きっと今の世界はないのだ。
私たちに制御できるものは少ないけど、
それでも今日も、渾身の一点を刻むのだ。
(1219字)
※ 図の引用
https://science-log.com/%e9%9b%91%e8%a8%98top%e3%83%9a%e3%83%bc%e3%82%b8/%e3%80%8c%e5%a4%96%e6%8c%bf%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%80%8c%e5%86%85%e6%8c%bf%e3%80%8d%e3%81%ae%e9%81%95%e3%81%84/
次の走者が、ラストです!!
次回更新日は2023年2月6日。
グループAの第五走者は……
みーなさん!!!
▶︎ アンカー みーなさんへ
みーなさんの好きな記事↓
全部やって確かめりゃいいだろう!
▶︎ あとがき
仕事の話は書きたくなかったのですが、多分具体的な話にした方がわかりやすいだろうと思い、書きました。
まるで今、上方修正されていい感じかのような書きっぷりですが、全然そんなことはなく、今も悩みは尽きないし、うまくいった感があるわけでもないです。
夢を上書きと言いつつ、また夢を持った、と思うわけでもない。
ただ、因果なもんよな、と思ってます。
それに、自分自身も、誰かの制御不能な環境変数だし。
でも、この先のことも含めて、少々乱高下しても、近似してみてややプラスなら、なんでもいいんじゃない?それぞれの点にこだわらなくても、と自分に言い聞かせながら、
これからも生きてくんだろうな、と思います。
ありがとうございました!
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