37.7階に我が子を届けに
壮絶な出産を終えた後、ロクに寝られない日々の中のあくる日、こんな夢を見ました。
「ええ、きっちり、37.7階だよ」
そう言ったのは、確かお爺さんだったと思う。
私は、37.7階に住む何者かの処に、何かを届けるよう言付かっていた。
誰に何を届けるのかはわからない。ただ、どこかの駐車場付きのビルの37.7階にその人がいることだけがわかった。
「.7ってなんすか」
「ええ、もちろん、エレベーターでは行けないよ。その非常用階段で行くんだよ。」
一体何が、「ええ、もちろん」だというのだ。
しかし私は何かを届けに、37.7階へと無我夢中で非常階段を駆け上がった。
夢の中では、理屈の通らない、訳の分からない設定下でも、こともなげに話が進んでいく。
まぁ、夢とはそういうものではある。
37階をちょうど過ぎたあたりで、綾瀬はるかが階段に座っていた。
「菓子折りくらい持って行った方がいいよ〜」
ヘラヘラ笑いながらそう言って、大きな箱をくれた。
綾瀬はるかから菓子折りを受け取ると、階段の途中に部屋が見えた。
そこが37.7階の部屋で、必要な人がいる場所なのだと、本能的にわかった。
ここで夢は終わりました。
どうも、こんにちは。
表題のとおり、無事に元気な赤ちゃんを産むことができました。
産前にお気遣い下さった皆様、ありがとうございました。
さて、上記の夢について。
結論から言うと、私はこの夢は、夫に我が子を届けにいくことを示唆した夢だと思うのです。
もちろん、詳しいことはわかりません。
わかるわけがない。
夢なので、筋も理屈も通っていない、辻褄の合わないことだらけ。
何故綾瀬はるかさんの入り込む余地があるのかも、さっぱりわからない。
でも、37といって思い当たる数字がそれくらいしかなく。
夫は37歳で、まもなく38歳。
37.7歳の夫に、我が子を届けにいく。
それが、私にとってのお産。
何故年齢を小数点で表すのか?
そんなこと、聞かないでください。
理由なんてありません。
私の潜在意識としてはそういうことなのかと。
出産の直前、産前休暇中は、体力強化の為によくマンションの非常階段を上り下りしていました。
正直、効果があるのかないのかは全くわからないまま。あの時出来ることを夢中でやってました。
お腹は重たくて。
赤ちゃんの重さだけではなく、羊水や大きくなった子宮、胎盤、増えた血液を含めると、ほんとに重たくて。
ダンベルスクワットのようでした。
だから、こんな夢を見たんじゃないかと。
さて、今現在、無事に産まれてきた我が子は、とっても可愛いです。
無事、元気に私に細切れ睡眠を提供してくれています。
つまり、私はしっかり眠れていません。
おかげでしっかり寝不足で、不可思議な夢ばかり見ます。
そんな我が子は、時々、寝ぼけて変な奇声をあげていることがあります。
変な夢でも見ていたのかな、と微笑ましく思うと同時に、この子のまだ少ない人生の中で見うる夢ってどんなのだろう、とも思います。
この子の人生といえば、せいぜい寝るか飲むか排泄するか泣くか抱っこされるかお風呂に入るか、くらいしかない。入院中は採血をされたり、見てないところで何かされたには違いないですが。
そうあれこれ考えてみた時に、この子にとって最大のトラウマは、まさにこの世に生まれてきた瞬間なのではないか。そう思いました。
暗くて水の中にいたら、急に部屋が収縮し始めて、出て行かざるを得ない状況になって、変な穴を通って出てくる。
出てきた先では、とんでもなく取り巻く環境が変わって。
突然1人でアマゾンの密林に拉致される方がまだマシなのかもしれません。
夜泣きしていると、何で泣いているのかわからないと思うと同時に、ふと、そりゃ泣いて当たり前だよな、と上記のことを思い出します。
私自身も、この子が産まれてきてあらゆることがガラリと変わりましたが、この子の変化に比べたら全然大したことはないです。
この世のパイセンとして、バイトリーダーみたいな感じで、一緒に頑張ろうぜ、という気持ちが芽生える。そういう日もあります。
そんな壮絶な思いをして産まれてきた我が子に、せめて、産まれてきた甲斐があったと思う機会を増やしてあげたいな。
今の私に言えるのは、せいぜいそのくらいです。
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