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2023年初秋 浅草の旅

たぶん3年ぶりくらいの浅草

前回、行ったときは、とても楽しかった。

では、今回はどうだったか?

もちろん楽しかったけど、一言で表すとすると

面白かった

に尽きる

そんな一日だった。

はじめは時系列に、その訪問記を書こうと思ったけど、なんかそれは違うような気がしたので、いや、はっきり言うと、めんどくさかったので(笑)、その日起きたエピソードをいくつか断片的に紹介し、さらに写真を少し添えるだけで、あとは読者の皆さんの想像力で補完していただければ、と思っている。

エピソード1 下町とんかつエレジー
お昼は、行きつけの北浅草の町中華で済ませるつもりだったんだけど、いざ店の前まで来たときに、息子が突然とんかつを食べたいと言い始めたので、急遽、行き先を変更し、その道中で呼び込みをしていたとんかつ屋さんに入ることにした。

正直、お昼時に店の前で呼び込みをしている時点であんまり期待はしてなかったんだけど、案の定、店内はなんだか薄汚く、ジャパゆきさんという言葉を久しぶりに思い出した大将のカタコトの美人若妻の接客がまあグダクダで、そのたびにいかにも昔気質な板前風の大将の怒号が飛ぶという、まるで罰ゲームみたいな環境だった(苦笑)

でも、出てきたとんかつをひとくち食べたとたん、そんなことどれもささいなことだよね〜と思えるくらい、すんごく美味しかった。

目の前の息子も「このヒレカツ、めちゃくちゃ柔らかいね」

と言いながら、ほとんど完食してくれたしね。

そして、食べ終わって、妻が会計を済ますまで息子と二人で外で待機していたところ、彼が突然、とんかつ屋さんの右隣りのギターの修理屋さんみたいな小さなお店のガラス窓を見ながら、チューチュートレインのくるくる体を回すダンスをし始めた。

ひとりだとあの感じが出ないだろうと、僕もすかさず彼の後ろで同じようにくるくるし始める。

しかし、最初はなかなかタイミングがずらせず、お互いの体が重なってしまったのだけど、繰り返していくうちに、うまくズレ始めて、まさにあのチューチュートレインやん、って感じになりお互いに喜び合っていたら、店の中の職人さんと目があったので、慌ててその場を退散したのだった。

というか、夢中になって気が付かなかっただけで、僕らの一部始終をずっと彼は目撃していたのかもしれない(笑)

しかし、恥ずかしさ以上に、そのシチュエーションを想像するとやけに可笑しくなって、僕と息子は、腹を抱えてゲラゲラと笑い合った。

当然、妻からは

「いい年したおっさんが何やってんの」

と呆れられてたけど。

浅草タワー?
浅草に来ると息子が必ず食べるやつ
マジで美味かった!


エピソード2 博多華丸そっくりのオバさまと行ったカフェ リターンズ

みんな知っているかもしれないけど、浅草のすぐ隣には、かっぱ橋商店街という、プロの料理人向けの調理器具や食器の問屋街があって、そこは冷やかしには最高に面白い場所であるのと、息子の見た目がカッパにそっくりだから、よし行こう!という話になって、行ったら、案の定、めちゃくちゃ面白かった。

そして、ちょうど3時のあなたなオヤツタイムになったので、10年くらい前に仕事で訪れた際に、偶然見つけたお洒落な隠れ家カフェを思い出した僕は、みんなをそこに連れて行くことにした。

本当にちょっと場違いなくらいオシャレな雰囲気の店なんだけど、インスタ映え必至なかぼちゃプリンに舌鼓を打ちながら、

「そう言えば、あのとき一緒に来た職場のオバさま、本当に博多華丸にそっくりだったなあ、いつも八の字眉毛で、ぐっと口をへの字に結んでいる感じが特に…」

とどうでもいい、そして、ちっともお洒落じゃない思い出で僕の頭はいっぱいになっていた。

実父との感動の対面
ネーミングセンスがいい
おっしゃれ〜!
マスターとはおそらくとても気が合いそうだ(笑)
り、relax、な、懐かしい〜
どうしてかぼちゃプリンってこんなに美味しいのだろう



ラストエピソード 隅田川の母

今日も前回同様、最後はスカイツリーで締めようという話でまとまった僕らは、京成線に乗って、スカイツリーを目指したのだった。

そして、電車が隅田川を渡ろうとするまさにそのときだった。

川面に屋形船を見つけた妻が、さもいいことを思いついたような顔をしながら、息子にこんなことを(割と大声で)語り始めたのは。

「初めてお父さん(僕のこと)と二人で浅草に行ったときに、お父さんがばあば(母親)と屋形船乗ったエピソードをやたらと嬉しそうに話していて、こいつどんだけロリコンやねん、って思ったわ」

お母さん、それ、ロリコンじゃなくて、マザコン…。

すかさず訂正したけど、心なしか周囲の乗客たちの冷たい視線を感じたのはきっと僕の思い過ごしではないだろう。

確かにマザコンならまだ大丈夫だろうけど、ロリコンは普通に公衆の面前でバラしてはいけない性癖だと思うぞ。

という訳で、外でも変わらず鉄板のサザエピソードを披露する妻に呆れ、いや、感心しながら、僕らは逃げるようにして電車を下車したのだった。

そして、久しぶりの東京スカイツリー

お金がないから(笑)もちろん展望台には登らず、息子のお目当てにしていた葛飾北斎のパスケースももう売ってなくて、結局、ハリーポッターの店で前回も買った鼻くそ味やゲロ味のグミだけ買って、帰りの電車の中でみんなで悶絶しただけで終わったけど、本当にとても面白い一日だった。

そして、何気に嬉しかったのは、僕も妻もクタクタに疲れ果ててたのに、この日は、なんだかんだ息子が最後までいちばん元気だったことだ。

というか、やっぱりそれが一番嬉しかったかな。

と少なくとも疲れ果ててずっと昼寝して起きた翌日の日曜の夕方6時の今の僕はそう思っている。

ああ、そうだった。

これから姫ちゃんのリボンを見ないと!

って、やっぱりロリコンやないかい(笑)

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