いちばんたいせつなもの
土曜日の夜
家族3人で「ゴーストバスターズ」の最新作を観に行った。
本当はお昼くらいに観に行きたかったけど、息子がどうしても4Dで観たいと言ってきかないから、こんな遅い時間に観ることになってしまったのだった。
というわけで、19時過ぎにシネコンに行って事前にネット購入しておいたチケットのQRコードを券売機にかざして、紙のチケットを受け取る。
そして、売店でドリンクを買って、機械にチケットをかざして、4D専用のシアター6に入った。
で、館内の一番後ろにある僕らの席に座るなり、息子が僕に向かって、
「周りの人達の迷惑だから、絶対に上映中には声を出さないでね・・。」
と釘を刺された。
もちろん僕は自信満々に
「いや、お父さんは大人だからそんなことしないから大丈夫だよ!」
と答えたのだった。
しかし、2時間後、映画が終わり、館内が明るくなった瞬間に、息子が開口一番、
「お父さん、僕があれだけ注意したのに、やっぱり何回もぷっ!って噴き出したり、笑ってたりしてたじゃん。」
と突っ込まれてしまった。
けど、僕には本当に全く身に覚えがなかったら、思わず
「え!噓でしょ!」
とリアクションしてしまった。
しかし、妻も彼と同じ主張だったのと、確かに息子が指摘したシーン(子供たちに向かってここは顔パスで入れるぜってドヤ顔したダン・エイクロイドが「何しに来た?おまえ」って図書館の警備員に入館を阻まれるシーンとか)は確かにめちゃくちゃ面白かったけど、まさか声に出ていたとは・・。
そ、そんな自分が怖い…。
でも、きっとこれもみんなゴーストの仕業に違いない!←たいして反省していないヤツ
でも、シラーッとした目でそんな僕を見つめながらも、「今度は一人でゆっくり観に来よう」って言っていたから、息子も映画の内容には大いに満足している様子だった。
もちろん僕も彼とおんなじ感想だった。
ベタだけど、老若男女分け隔てなく楽しめる王道のこれぞ(僕がイメージしている)ハリウッド映画だと思ったよ。
その後、キーホルダーやらピンバッチやらボールペンやらが売っているスーベニアショップに立ち寄って、家族3人で
「これ、めっちゃかわいい!」
「これもいいよね~!」
なんてテンション高めに言い合いながら、厳選に厳選を重ねて最終的にキーホルダーとシールの二つを購入したのだった。
息子はその小さなキーホルダーをまるで宝物のように両手で大切に包み込んで自分の胸に当てていた。
まあ、たったそれだけのことなのだけど、そのときの僕は、そう、ムラっ気のある性格のせいでなかなか努力が報われずいつもユーウツで落ち込んでばかりの僕も、このときばかりは
とても幸せでとても安心な気持ちに満たされていたのだった。
だから、きっと自然とこんな言葉が頭に浮かんだんだろう。
そう、
これこそが僕のいちばんたいせつなものだ
って言葉がね。
だから、僕は今、間違いなく人生の大きな岐路に立たされていて、すごく大きな決断を迫られている最中なのだけど、このタイミングでそのことに気づけたのはとても大きかったと思っている。
このいちばんたいせつなものを僕は絶対に失いたくない
その気持ちさえ忘れずに冷静沈着に対処すれば、全てがうまくいく。
うん、間違いない。
絶対にうまくいくはずさ!
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