人にやさしい一年にする
"ハードにならなきゃ、生きていけない。優しくなければ、生きるに値しない"
If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.
高校時代に読んだ創元推理文庫で初めて知った、アメリカの某名探偵の名台詞である。
これまで、ずっとなんとなくカッコいいというか、きっと人生の大切なメッセージなんだろうな、くらいな感じで、どこか他人事のように聞いていたこの言葉が、最近、ようやく自分事として、それこそハードに心に響くようになっていた。
そして、記念すべき僕の2024年最初の記事で冒頭の言葉としてこれを選んたのは、僕自身がいよいよ本格的に
こんな台詞をサラッと言ってのける人間になってやるぞ
という強い決意表明に他ならない。
少なくとも僕にとって、これまでの人生は、往年のBUCK-TICKの櫻井敦司のツンツン逆立ちヘアーに使用するヘアスプレー並みに、
スーパーハードな感じだったから、
ハードにならなきゃ、生きていけない
は、そりゃそうだよね!
って少なくとも言い切れる。
しかし、それ以上に、実は昨年、僕自身がいちばん痛感したというか、幾度となく身悶えたのは、
理由はどうあれ、家族を初めとする自分にとってかけがえのない大切な人達に対して、優しくするどころか、むしろそれとは真逆な態度を取ってしまい、そのたびに、その人たちをひどく傷つけてしまったことだった。
そして、確かにそのときの僕は、そんな僕自身のことを本当に
生きるに値しない人間だ
と思っていたのである。
にもかかわらず、本当に喉元過ぎれば何とやらで、ほとぼり冷めたらまた同じ過ちを繰り返していた。
だから今年こそは、なんとかその負の連鎖を断ち切りたいのだ。
それは一見、人のためのようにも見えるが、本当はそうじゃないことも実は分かっている。
何しろ生きるに値しないという自己評価を下しているときの僕は間違いなく自分自身を世界でいちばん嫌いな存在として認めていたからね。
つまり、僕が人にやさしくなりたいのは、紛れもなく僕自身のためである。
僕は、僕が僕自身を好きになるために、人にやさしくなる。
というのも僕には死ぬまでに叶えたいとてつもなくバカでかい夢があるのだけど、たぶんそのための最初の一歩こそが
自分のことをちゃんと好きになる
ことだってことにようやく気がついたから。
だから、例年通りかそれ以上にハードになりそうなこの一年をいつものようにただ生き延びるだけじゃなくて、僕は出来る限り
人にやさしく生きていきたい
と考えている。
そして、もし、一年の終わりに、この目標が達成できたと自分自身で思えた暁には、僕はそんな自分へのご褒美として、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、
アクアスキュータムのトレンチコート(24万円!)を買ってやるつもりだ。
うん、まさしくあの名探偵が着ていた伝説のあのコートを、ね。
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