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大阪で生まれた男やさかい、ってわて堺市出身とはちゃいまっせ!

訳あって、大阪の実家に帰っている。

しかし、今の僕を見て、僕が大阪出身だと気づく人はほとんどいないだろう。

それくらい、こてこて、とも、どないやねん、とも、なにしてけつかんねん、とも、キダ・タローのカツラとも無縁な人生を送ってきた。

なにしろ大阪で過ごした時間のおよそ1.7倍くらいの年月をこっち(東京)で過ごしてきたのだから、当然だ。

いや、ほとんどの大阪人は、上京しても頑なに関西弁に代表される大阪魂を持ち続けているから、正しくは当然では整形外科、いや内科もしれない。

はぎや整形〜。

実際、そーゆー同胞たちから半分冗談交じりに、非国人呼ばわりされたのも一度や二度じゃないしね。

しかし、そんな僕でも、そう、あれだけうんざりして逃げ出すように出ていった故郷なはずなのに、新幹線を降り立ったとたんに、なんともいいようのない安心感、というかフィット感を感じて、思わず、  

「ああ、この感じ、なんや落ち着くわ〜。」

と極妻の岩下志麻並みにイントネーションのあやしい胡散くさい関西弁が口をつくから不思議だ。 

そうなのだ。

どんなに忘れたつもりでも僕のコア的なものは全てやはりこの大阪の地で培われたものであり、どんなに長年過ごしたとしても東京は僕にとって出稼ぎの場に過ぎないのだ。

確かに実家に帰った僕は、鎧を脱いでいる。

いや正確には、今までずっと自分が鎧をつけていたことに気づいてしまった、という感じか。

そして、現在進行系で、いわゆる実家力を堪能している。

はぎや整形〜。

………。

………。

さて、と。

いや

ぽて、と。

そう言えば、あのビートルズだって、実家のリビングもとい8畳畳敷きの昭和感満載な居間の家具調テレビのブラウン管越しで初めて見たのだった。

今ではすっかりシャレオツポップカルチャー&インテリア番長を気取る僕も、元を正せばコレなんだ、という事実がなんでだろう、今は妙に嬉しかったりもする。

で、梅田のかっぱ横丁で、親父が大事にしていた切手を全部売り払い、それを元手に宮武外骨全集3〜5巻を買ったという我ながら本当にどうでもよすぎるエピソードを不意に思い出す。

それと、阪急ホテルの砂糖の粒が大きくてザラザラしたあのドーナツが地味に好きだったなあ〜。

兎にも角にも、今の僕は、あの頃と同じ、何者でもない自分に戻っていて(なんて言うと、まるで今は自分が何者かみたいだけど、もちろん違います(笑))、それがなんだかとても心地良いのは本当のところである。

うむ、どうやらこのタイミングで実家に戻ってきたのは大正解だったようだ。

よし!

ここでエネルギーを思いっきり充電して、また東京に出稼ぎに行くぞ!




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