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死ぬかと思ったわ

こんな曲でも聴きながら、読んでくださいな。あと、今回は性的な内容も含まれてますので、そういうのが苦手な方は読むのをお控えください。

あれは、川崎市に本社がある会社で働いていたときの話。

その日、研究開発の人と営業の先輩と僕の3人は、大事な会議を無事に終えて、じゃあこれから一杯やるか、というお約束の展開になった。

我々は京急太子線で、会社のあるS町駅から、京急川崎駅に向かい、賑わう繁華街にある一軒のチェーンの居酒屋で、つつがなく一次会を終えようとしていた。

すると、研究開発の通称トミーが、少年のように瞳をキラキラさせながら、

「じゃあ次行きますか!」

と言い始めた。

確かに時刻はまだ宵の口だったし、全然、大丈夫だと思ったけど、なぜ彼の瞳があんなにも輝いていたのか、それだけが不思議だった。

まあその謎は次の店に行った瞬間、氷解したのだけど。

一次会会場のお店を出て、なんとなく薄汚れた感じの飲み屋街を抜けると、彼がお目当てにしていたお店に到着した。

雑居ビルの一階にあるその店の前には、一人の黒いベストを着たおじさんが立っていた。

「ああ、そういうことね」

と、タラちゃん、もとい、いくら察しの悪い僕でも、さすがに気がついた。

そう、二次会は、いわゆるちょっとHなお店で、だから、彼の瞳は一万ボルトに輝いていた、というわけ。

そういえば、ここ川崎には、その名もH之内という全国屈指の、その手の店が集まる一大歓楽街があったのだった。

当時は(←)そういうお店の経験値がほとんどなかったから、一瞬怯んだけど、ここで僕が行くのを拒んで、みんなのコーフンに水をさすのも野暮だよな、と思った僕は覚悟を決めて付き合ってみることにした。

という訳で、この後、3次会で集まるお店の場所だけ決めて、早速、僕たちはお店に入った。

待合室で待機していると、二人が先に案内され、それからやや時間が空いて、僕の番が来た。

スタッフの男性に連れられた場所は、ほぼ真っ暗なフロアにパーテーションで仕切られた小さなソファと小さな丸テーブルが置かれたスペースが複数配置されていて、僕はそのひとつに案内された。

ほどなくして、セーラー服姿の女の子が現れて、あったかいおしぼりを渡してくれた。

僕の明らかにウブな雰囲気を察して、彼女は、

「お兄さん、初めて?」と語りかけてきて、

僕がこくりとうなずくと、

お店のシステムやサービス内容を分かりやすく説明してくれた。

まあ要するに女性がハンドジョブ、もしくはマウスジョブ?で、愚息をスッキリさせてくれるお店のようだった。

そうと分かれば、いざ戦闘開始!と普通ならお客さんがまず女の子に触れたり、服を脱がし始めるのだけど、さっき初めて会ったばかりの女性に、そんなハレンチなこと到底できないよなあ、と困った僕(おたんちんこふ)は、とりあえず、彼女との会話を楽しむことにした。

そして、我ながら他愛のない話してるなあ、と思っていたら、痺れを切らした女の子が僕の服を脱がしにかかった。

そしたら、あれよあれよ、と言う間に、スッポンポンになった僕は、なんだかこの状況が急に可笑しくなって、ソファの上に立って、アラ エッササと裸踊りをし始めた。

結局、肝心のサービスを受けたどうかも定かじゃないけど、一応、目の前の彼女は楽しそうに笑ってたし、何よりあのどうにもしがたい気恥ずかしさから解放された僕はホッと胸と◯○○を撫で下ろしたのだった。

そして、ようやく時間となり、店を出て、3次会会場の居酒屋に入ると、先に始めていた二人が何やらゲラゲラ笑いながら、盛り上がっていた。

「えっ!なんか面白いことあったの?」

と僕が尋ねると、トミーが目に涙をいっぱい溜めながら、

「いやあ、帰り際にさ、全裸のぽっちゃりしたおじさんがタコ踊りしている姿が目に入ってさ〜。普通は女の子の服を脱がすお店なのに、なんかすげえ人いるなあと思ってさあ」

「あと、闇夜に提灯みたいに、まんまるな身体が白く発光しててやけに目立ってたのもたまらなくおかしくてさあ」

と答えたから、すかさず僕が

「ああ、それ僕だわ」

と言った瞬間、トミーも先輩も、そして、僕自身も腹を抱えて大爆笑した。

正直、笑いすぎて頬はひきつるわ、お腹は痛くなるわ、息は出来なくなるわ、で、本当に

あやうく死にかけたわ!

そして、その夜、僕たちは、あの桃園の誓いよろしく、お互いのグラスを頭上高く掲げながら、義兄弟ならぬ、穴兄弟の契りを結んだのだった。

そして、それこそが、あの泣く子も笑う

夜の川崎の町をパトロールする自警団

川崎ヘンタイソサエティ

通称KHS

誕生の瞬間だった。

いやはや、我ながらホントどうかしてたわ(苦笑)

では最後に、お目々直しに、こちらの爽やかな曲をどうぞ。








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