努力はむくわれ、る
正直、朝起きた瞬間がいちばんツラい。色々と思い出してしまうからだ。
約2年前に職場のトップが変わってから、風向きは向かい風から完全に逆風に変わり、今の僕はまるでアメトークの特番のアンガールズ田中みたいな感じになっている。
本当に、今までの人生でも、さすがにこれほどまでにやることなすこと裏目に出たことはなかった。
会社のため、お客様のために、という純粋な思いで、やってきた画期的な仕事は、まさに画期的だと理由で黙殺され続け、その理不尽さに抗弁した結果、プライドを痛く傷つけられたらしい部長からありえないような嫌がらせをこれまでたくさん受けてきた。
しかし、一番、ショックだったのは、周りの会社の人たちが誰も僕の言葉を信じてくれなかったことだ。
「あの人はそんなことをする人じゃないよ…。」
そうか、これは全部、僕の思い過ごし…
ってそんなわけあるか〜い!
もちろん僕だって完璧な人間じゃない。特にサラリーマンとしては駄目なところはたくさんあるだろう。
しかし、ひたむきな努力の蓄積で身につけたこのユニークなスキルと会社を想う熱い気持ちは、我ながら傑出していると思っている。
それが決して僕の思い込みじゃないのは、2月にやった講演会の反響が証明している。
本当に大絶賛を浴びて、名だたる大企業から話を聞きたいというオファーが殺到した。
もちろん実績や僕の能力を評価する声もありがたかったけど、僕がいちばん嬉しかったのはこの一言だった。
「こんなにも自分の会社のことを愛している人をがいることを知って、感動しました。」
しかし、当のその会社の人たちの感想はこれとはまったく真逆で、服装がウチらしくない、とか、カメラのアングルが悪い、とかどうでもいいところばかり指摘してドヤ顔を浮かべるような連中ばかりだった。ちなみにカメラのアングルは僕にはどうしようもないことだけどね。
それでも、僕が今までこの仕事を続けてこれたのは、血のにじむような努力で手に入れた魔法のステッキをふるうのがとにかく楽しかったからだ。
本当にこれまでいろんな魔法をあみ出してきたし、今だって新しい魔法のアイデアが浮かんでワクワクしているところだった。
でも、実はここに来て、急激な円高に伴う業績悪化の影響で、その魔法のステッキを取り上げられる可能性が浮上してきた。
「まあ、これって会社じゃよくあることだよね…。」
と必死に平静を装おうとするけど、正直、胸がかきむしられるほどツラい。
賽の河原で、積み上げた石を鬼に壊される子供くらい、ツラい。
あと、今ならキリストとかジャンヌ・ダルクとか菅原道真公の気持ちが少しは理解できるかもしれない。
そして、このツラさは自分以外、誰にも分からないことも知っている。
まさに永遠の孤独を痛感する瞬間だ。
もし、この話を教訓めいたまとめ方をするなら、
努力は報われない
になるかもしれない。
ただ僕はそんな絶望的な結論でこの話を終わりにしたくはない。
世界の残酷さは変わらないとして、それでも僕は自分の人生を誰かを勇気づける希望の物語にしたいのだ。
つまり、僕はこれから自分の力で強引に
努力はむくわれない、の
ない
を
る
に変えていくつもりだ。正直、今はまだかなり強がってはいるいるけれど、頑張りたい。
そして、この作業で一番重要なことは
「むくわれる」
の意味や判断基準を自分なりに再設定し直すことだと考えている。
そのあたりが整理されたら、また記事にしたいと思う。
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