親父のエギング塾その17 カーブフォール
今日はフリーフォールに続きカーブフォールになります。
親父は難しいと言っていましたが、どこが難しいのでしょうか?
登場人物
クロ:
今日もよろしく頼むね。
親父:
はいよ。
クロ:
今日はフリーフォールに続き、カーブフォールになるね。
親父:
そうだな。
まぁ、上級者と呼ばれる人は案外カーブフォールが多いんだけど、ちょっとコツのようなものを掴んで貰わなきゃいけないんだよ。
そこが難しいんだけど、上手く伝えられたらいいんだけどなぁ。
クロ:
文字だと伝わりにくいの?
親父:
いや、動画でも伝わりにくいと思う。
むしろ、文字の方が伝えやすいかな、とも思うけど、けっこう繊細な部分だから。
クロ:
そっか。
とりあえず、よろしく頼むね。
【カーブフォールとは?】
親父:
どうしてカーブフォールを使うかと言うと、そこには大きく2つの理由がある。
① 手にアタリが伝わってくる
② エギの沈降角度を浅く出来る
クロ:
ふむ。
説明してもらえる?
親父:
① 手にアタリが伝わってくる
まず、カーブフォールを使うとラインを張るんだよね。
だから、アオリイカがエギに触れると、その感触が手にダイレクトに伝わってくる。
つまり、アタリを絶対に取りこぼさないし、手に伝わってくるアタリも楽しい。
クロ:
なるほど。
ラインを張っているからこそ得られるメリットって訳だ。
次は?
親父:
② 沈降角度を浅く出来る
ラインを張るって事は、軽くエギを引っ張る事になるんだよ。
だから、当然エギの沈降角度は浅くなるんだね。
クロ:
エギの沈降角度が浅くなると何かいい事があるの?
親父:
浅いからいい、深いから悪いではないんだね。
その逆もまたしかり。
その日のアオリイカの気分によって、好む沈降角度が違うって事なんだ。
例えば、沈降角度45度のエギを使っていても、カーブフォールをかけてやれば沈降角度30度のエギに早変わりする。
つまり、沈降角度を変化させる事が出来るんだね。
クロ:
なるほど。
ラインの張り方次第では、エギの沈降角度が10度にも20度にも30度にも変えられるって事なんだ?
そうなればどんなアオリイカにも対応出来るって事だ。
親父:
その通り。
これがカーブフォールのメリットになる。
クロ:
じゃあ、デメリットは?
【カーブフォールのデメリット】
親父:
カーブフォールのデメリットは、やっぱり合わせの難しさだよ。
ラインを張っているからラインの遊びはゼロ。
つまり、アオリイカがエギを引っ張った瞬間に、アオリイカは違和感を覚え、エギを離すかもしれない。
だから、釣り手はアタリがあった瞬間に合わせを入れなければならない。
でも、アタリがあると意外とビックリしちゃってね、すぐに合わせる事が出来ないんだよ。
クロ:
なるほど。
そこが上級者と初級者の違いって訳か。
親父:
いや、そこじゃないんだな、実は。
クロ:
どういう事?
親父:
いくら上級者と言っても、人間の反射には限界があるよ。
つまり、上級者はとくべつ反射神経が優れている訳ではなく、上級者は特別な技を使って、極力アオリイカに違和感を与えないよう努力しているんだね。
クロ:
特別な技?
なに、興味があるんだけど。
【カーブフォールを極める】
親父:
まぁ、ここが今日の本題。
是非とも覚えておいて欲しい箇所なんだね。
クロ:
もったいぶらずに早く!
親父:
了解(笑)
カーブフォールはラインを張る。
俺はずっとそう言ってきたんだね。
確かに認識としては間違ってないよ。
でもね、厳密に言えば正しくはないんだ。
クロ:
どういう事?
親父:
厳密に言うと、ラインを張っているようで張っていないんだね。
考えてみて。
フリーフォールのようにラインにたるみを作ればアタリは手に伝わって来ないよね?
逆に、カーブフォールのようにラインを張ると、アタリは手に伝わってくるけど、合わせが難しい。
じゃあ、どうするか?
クロならどうする?
クロ:
いや、どうにも出来ないと思うけど。
親父:
出来るんだなぁ、コレが。
クロ:
どうやって?
親父:
ラインを張らないと言ってもラインは張るんだ。
ただし、ほんの少しだけラインを緩めて。
フリーフォールほど緩めてはいけないよ?
それじゃあ、アタリが分からないから。
ほんの少しだけ。
イメージとしては、エギの沈降角度を邪魔しない程度にラインを張るイメージかな。
クロ:
そうする事でラインに遊びを作って、急なエギの引っ張りにも対応するって事?
でも、ラインを緩めたらアタリが分からないんじゃない?
親父:
緩めすぎたらアタリが分からない。
ピンピンに張ると合わせが難しい。
だから、その中間を取るんだ。
イメージ的には1:9くらいのイメージでラインを張る。
クロ:
だから、それだとアタリが分からないんじゃない?
親父:
アタリも分かる。
アオリイカの急激な引っ張りにも対応できる。
そういうラインの張り具合いが、実はあるんだよ。
上級者はそのラインの張り具合いを肌で知っているんだね。
クロ:
そうなの?
親父:
もちろん、感度のいいロッドじゃなきゃ分からない。
でも、感度のいいロッドなら、確実に分かる。
クロ:
へ~、そうなんだ?
知らなかった。
親父:
じゃあ、誰にでも分かるかと言うとそうじゃないんだ。
自分の感度も上げなきゃいけない。
そして、ラインの張り具合いが絶妙である事。
この2つの条件を満たさないと成功しないね。
クロ:
難しそうだね。
親父:
そうだな。
弟子たちも苦労してたからね。
でも、1年までかからなかったかな、みんな。
クロ:
へ~、そういうものなんだ。
親父:
ポイントはアタリを感知出来るかどうか。
そういうラインの張り方をすると、ラインをピンと張ったカーブフォールのようにはアタリは出ないんだ。
もっと弱く、違和感といった程度のアタリもアタリになる。
クロ:
繊細な釣りだね。
親父:
そうだね。
だから、上級者向けなんだ。
クロ:
アタリの取り方で難しい事は他にもある?
【手に伝わらないアタリを取る】
親父:
アオリイカのアタリってね、何も引っ張るだけではないんだ。
エギを抱いて、すぐに逃げてくれればアタリは分かりやすいけど、中にはエギを抱いてジッとしているアオリイカもいる。
クロ:
ジッとしているアオリイカ?
親父:
そう。
クロ:
エギを引っ張り、ラインを引っ張ってくれなきゃ、アタリなんて分かるはずがないじゃない。
親父:
ところが分かるんだよ。
クロ:
え~?
親父:
カーブフォールをかけているとね、ラインを張っているから、実はエギが沈んで行くエギ1個分の重量がラインにかかっているんだ。
例えば、ラインの先にエギも何もつけていない状態を0としよう。
そうすると、ラインの先にエギをつけた場合は1になるんだ。
この1をみんなは普段から感じていますか?って事。
クロ:
そんな事気にもしてなかったよ。
親父:
だよね。
普通はみんなそう。
でも、それじゃダメなんだ。
アオリイカがエギを抱いてその場にジッとしているって事は、1の力で沈んでいたものが、アオリイカがエギを抱いた事によって0になるって事なんだ。
つまり、0と1の差を感知出来なければいけないって事なんだよ。
クロ:
そうじゃないとアオリイカがエギを抱いてジッとしているアタリは取れないって事?
親父:
その通り。
クロ:
え~、そんな微妙なアタリ、無理じゃない?
親父:
出来るよ。
上級者はみんな出来るし、俺も当然出来る。
普段から感度をあげて釣りをしているかどうかだね。
クロ:
む~。
親父:
それが出来ないなら、フリーフォールで釣るしかない。
フリーフォールならラインに明確にアタリが出るからね。
クロ:
それも悔しいなぁ。
0と1の違いかぁ。
努力するしかないかぁ。
他にはある?
【ラインテンションの一定化】
親父:
カーブフォールはラインを張るんでしょ?
そう言って出来るつもりになっている人は多いんだけど、いざやってみると微妙。
どうしてそういう事になるかと言うと、ラインを一定の割合で張っていないんだね。
クロ:
どういう事?
親父:
さっきも話したけど、カーブフォールというのは軽くラインを張ってアタリを待つんだね。
でも、エギは自分に向かってどんどん沈んで行く。
そうするとどうなる?
クロ:
ラインがどんどん緩んでくる。
親父:
その通り。
下手な人がカーブフォールをすると、このラインテンションがバラバラなんだ。
ラインテンションがバラバラって事は、アタリの出方も変わるし、エギの沈降角度も変わるって事なんだ。
クロ:
どうしたらいいの?
親父:
簡単だよ。
リールを巻いてラインテンションを一定に保てばいい。
クロ:
そんな簡単でいいの?
親父:
簡単だけど、それでいい。
でも、その簡単な事が出来ていない人が多いんだよ。
クロ:
そっかぁ。
知らなきゃ簡単な事であっても出来ないもんね。
親父:
そうだな(笑)
クロ:
うん、分かった。
親父、今日もありがとうね。
親父:
はいよ。
まとめ
① カーブフォールとは?
② カーブフォールのデメリット
③ カーブフォールを極める
④ 手に伝わらないアタリを取る
⑤ ラインテンションの一定化
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