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藤井風、―そよ風のようで音楽業界に嵐を巻き起こすおそるべし25歳―

ちょっと前の話題になりますが、書いてみます。

藤井風さんがまた新曲を出していた。タイトルは「Grace」。「何なんw」からファンになった者として、とりあえずいつものように聴いてみた。

Graceと言えば、ミッション系の大学を出て、昔ゴスペルを習っていた筆者は、無条件にキリスト教を思い出してしまう。”Grace”のMVは、いかにもこれからジーザスが出てきそうな空の上の雲が流れて来る荘厳な映像から始まる。おそらく90パーの人が、「あーこれはクリスチャン色の強い歌かな?」と思ったところで、ババーン!とヒンディー語でタイトル?が出て来る。(インドにもクリスチャンがいるとは言え、インド人もまさか自国の景色が出て来るとは思わず、びっくりだと思う)一瞬、パニック

また、やられた。そう、この人はいい意味で人を裏切るのが大好きなのだ。
Youtubeで動画をずっと投稿していた風さんは、いろんな曲のコピー(歌とピアノだったり、ピアノだけだったり)をやって視聴者を増やしてきたが、そのときも、笑いを誘う仮装はもちろん(胸に詰め物をしていたものもある)、最後に絶対あっと驚くエンディングで「オチ」をつけていた。根っからのいたずら好き・・・というか、根っからのエンターテイナーであり、アーティストなのだ。ファンの期待を裏切って、置いてきぼりにさせてしまうのではないかとすら思うくらい、彼の作品は最後にどんでん返しが待っていることが多い。「そうはいかねーぞ」「わしを勝手にそっちの見方で判断するな」と言われているかのように。呆然としているファンをよそ目に、風さんはウインクをして華麗に立ち去る、そんなイメージだ。

よく風さんは「イケメンだ」「モデル並みのスタイルと身長だ」「俳優にも劣らない容姿」と言われる彼だが、それすら彼の「風劇場」の小道具でしかないのかな、と思ってしまう。(女性たちは彼がイケメンだから好きなんでしょ!と思っている人は、ぜひMVを見て欲しい・・・特に初期ではなく近年のMVは、彼の見た目を超えて、彼の良い意味での芸術的なクレイジーさが光っていると思う・・・)


彼の活躍から目が離せないニャン・・・

おっと、Graceに戻ろう。
ヒンディー語の文字が(歌のタイトル?)バーン!と出たあとで、インドのシーンがどんどん続く。で、シーンはインドのストリート風景だし、本来だったらおしゃれというよりも庶民的で親しみがある、って感じだと思うのだが、良く分からないが何かがとってもおしゃれなのだ。ドラムも印象的。
おしゃれな裏打ちのリズムの曲なのはいつものことで、使うコードも日本の曲で使われる典型的なコードから外れているのは朝飯前。色々調べていたら、恐ろしいことが発覚。ピアノ系Youtuberのゆゆうたさんの解説動画で知ったが、風さんは「おしゃれずらし」なる技術を導入しているらしい。(行き過ぎコードと呼ばれるらしい)だからゆゆうたさんがキーボードで同じ曲を弾こうと思っても、ヘルツがずらされているから同じ音にならない・・・。同じくゆゆうたさんのYoutubeへのコメントで、最近はヘルツ上げるのがトレンドらしいということも知った。そうなんだ・・・(すぐ気づけなかった私の耳もまだまだだな・・・)どうやら432Hzで設定されているらしいのだが、そのヘルツは「癒しのヘルツ」として有名、だとの書き込みもあった。そこまで考えて作られているのか・・・。

Yaffleさんという、風さんと1枚目のシングルの「何なんw」からずっと一緒に曲を制作して来ている若手プロデューサーがそうしていそうだけど、それを歌い&使いこなしてる風さん・・・。神々しいタッグ。そう、この人はマネージャーのずっずさんにも守られているし(岡山から風さんを口説き落として東京に連れてきたのがこの方。でもその代わり、風さんが最大限のパフォーマンスを彼らしく発揮できるように責任を持って守っている)、プロデューサーにもファンにも守られていて、どの方面から見ても人々が「守りたい、その才能と笑顔!」といいそうな感じなのだ。神様から守られているとしか言いようがなく、コロナ渦の中で救いが必要なときにデビューしたし、「風の時代」というタイミングでデビューした「風さん」だし、やっぱりちょっと普通のアーティストではない。。。おまけに、彼の歌ってほとんど恋愛の歌がない自分とハイヤーセルフの関係の歌とか、人生の摂理を歌っているような詞とか、とにかく精神レベルがずば抜けて高い・・・何度人生経験してます??と聞きたくなるような。

MVのシーンの中には、建物の屋上から風さんがインドの街を見下ろすシーンが出てくるのだが、筆者は2012年に初の中東訪問で行った中東・ヨルダンにあるアンマンで見た景色と少しリンクした。当時の金額で500円くらいのエレベーターもない安宿に泊まって、ダニに絶対かまれそうな布団のある部屋に荷物を置いて、屋上にのぼって「ふー」っと息を吐いて景色を見たら、素敵な夕陽とそれに合わさってお祈りの合図であるアザーンが方々から聴こえたっけ。電線がからまって小汚く危ない屋上で、見下ろせたのは石造りのごちゃっとした街並みだったけれど、アザーンと夕陽の効果でフィルターがかかって、荘厳な雰囲気だったなあと。インドにもきっとそんな感じの宗教的なスピリチュアルな美しさがある気がする。(自分が行ったときはお腹壊して散々な思い出ばっかだったけど・・・)

風さんの現地の子どもと遊ぶシーンも、風さんが子どものようなピュアな心を持っているからか、すっごく自然で、「おいおい私は一体何を見ているんだ?MVではなかったか?」という気分になる。ガンジス河の風景も出てくるので、映画のワンシーンのようなところもあり。。。(ヒンズー教の神様に手を合わせるところらへんのシーンはちょっと雑な感じもあったけど・・・)

なんでこの人はニューヨークのおしゃれな街並みも、岡山の田舎の自然も、インドのごちゃごちゃしたカオスな通りも、渋谷の綺麗とは言えない路地裏も、全部似合ってしまうんだろう・・・。最後はインドの民たちとボリウッド風のダンスまで踊っている。(ガチで踊っている子どもや青年たちがかわいいし、後ろで振り間違えているおっさんもかわいい)そしてこの風さんはどのMVでもジャンル問わずダンスのセンスがあるのだ・・・。ただリズム感がいいからなのか、根っからの表現者だからなのか、もうそれは誰にもわからない気がする。(もはや神の化身かも知れないから追究しないことにする)

そしてファンたちは、ここまで若くして精神性・実力(歌も作曲も作詞も)・センスが揃っているとなると、儚い生涯にならないかとても心配になっている。あの歳で酒もたばこもやらず、コーヒーも飲まず、夜遊びもせず、動物愛護の観点からベジタリアン・・・(でも牡蠣は食べていると言ってるので、フレキシタリアン?でもそれ聞いてちょっと安心した・・・)ってちょっと理解に苦しむ。かくいう筆者も実は海外にいた際に、周りにビーガンやべジが多かったので、選択肢があるときのみ、べジになったりしているお気楽フレキシタリアンである(極力目指しているのはペスカトリアン)。お酒に関しても最近、「お酒を飲まない世界」というのを知りたくなって、極力飲まない実験をしてみている(身体にも脳にも全く良くないし)。

ってことで、1ミリくらい、風さんの精神に近づけたらいいな笑・・・1ミリ、くらい。。。

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